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仮面ライダーの主人公がエリート化?職業が子どもの憧れに影響か

仮面ライダーの主人公がエリート化?職業が子どもの憧れに影響か 第一生命保険が全国の児童(小学6年まで)を対象に行なったアンケート調査・第29回「大人になったらなりたいもの」が今月の5日に発表され、男の子の部門で15年ぶりに「学者・博士」が1位を獲得した(それまでは7年連続「サッカー選手」)。2014年来、立て続けに日本人がノーベル賞を受賞しているからなど、さまざまな理由がささやかれているが、ここにきてある“異説”が浮上している。特撮ヒーロー『仮面ライダー』(テレビ朝日系)の主人公の職業が子どもたちの憧れに影響しているというのだ。これまでの主人公と言えば、“無職”のイメージが強く、いわば“仮面ライダー”が職業だった。しかし近年は、ライダーたちが何だか“エリート化”しているという。過去の仮面ライダーの主人公たちの職業の変遷を見てみよう。

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■決して偶然ではない!?ライダー主人公の職業が「なりたいもの」に即反映

現在放送されている『仮面ライダービルド』の主人公・桐生戦兎は、平成仮面ライダー史上最高のIQを誇る天才物理学者。“変身”には動物や機械など、さまざまな物の力が封じ込められたアイテム「フルボトル」2本が用いられ、次々と完成していくフルボトルを「実験」と称して戦いの中で組み合わせながら、ビルドの姿(フォーム)を変えていくというもの。その変身シーンではいかにも難しそうな数式が並び、まさに“理系ライダー”のかっこよさを演出している。

この『ビルド』の職業が、先のアンケート結果の「学者・博士」の1位にも少なからず影響しているのではないか?前年2016年のアンケートではベスト5内に6年ぶりに「医者」がランクインしているが、これも『仮面ライダーエグゼイド』の主人公が研修医だったためとの説があるのだ。2014年の『仮面ライダードライブ』の主人公(竹内涼真主演)も、警視庁の特状課巡査から最終的には刑事ドラマでもおなじみの「捜査一課」に配属されてエースになるという、刑事としてはエリート中のエリート。そして、2014年、2015年の同アンケートでは「警察官・刑事」がともに第3位にランクインしている(2015年の『仮面ライダーゴースト』の主人公は“幽霊”だったため、アンケートへの影響の可能性は除外)。近年仮面ライダー主人公の職業はエリート化の兆候にあると言っていい。その職業が子どもの夢に影響を与える可能性は非常に高い。そこで、過去仮面ライダーの職業と、その背景を考えてみよう。

■正義の味方もツライよ…過去ライダーは多くが「無職」か「アルバイト」

そもそも初代ライダーの本郷猛は、優秀な科学者にしてオートレーサーの大学生という“夢設定”だった。2号の一文字隼人はフリーカメラマン。とはいえ、仕事をしている場面はほとんどなく、見ている子どもからも「ショッカーや怪人を倒したら、お金もらえるの?」などとライダーの収入源を詮索されるようなこともなかった。2作目の『仮面ライダーV3』の風見志郎は本郷の大学の後輩という設定、続く『仮面ライダーX』は海洋科学者だったが、第4作目『仮面ライダーアマゾン』にいたっては上半身裸の「アマゾンで育った野生児」だ。その後はだいたいが大学生で、ときおり科学者設定があるくらい。1981〜1987年は、仮面ライダー自体が放送されないという空白期もあるが、その時期に他局で放送されていたのが『とんねるずのみなさんのおかげです』(フジテレビ系)の「仮面ノリダー」。本家のさまざまな設定への“突っ込み”をネタにしたパロディが大ウケしたのだった。

昭和の時代が終わると、いわゆる「平成ライダーシリーズ」に入り、“イケメン”ライダーの登用やライダーの複数化がはじまるのだが、それでもやはり職業は“お堅い”ものではなかった。『仮面ライダー龍騎』の記者、『仮面ライダーW』の私立探偵という例もあるが、平成ライダーは、無職、アルバイト、家事手伝いの主人公が多く出現するのである。

平成ライダー第1作の『仮面ライダークウガ』の主人公(オダギリジョー主演)は冒険家を名乗る喫茶店アルバイト、第2作の『仮面ライダーアギト』の主人公は心理学者の家に居候するという完全なニート(無職)だった。『仮面ライダーOOO(オーズ)』、『仮面ライダー鎧武』も無職寄りのフリーター、そのほか『仮面ライダーカブト』は親の莫大な遺産があり、無職ではあるが羨ましい設定だった。そのほかにも、クリーニング店のアルバイトの『仮面ライダー555』、変わったところで言うと『仮面ライダーウィザード』は魔法使いだが、職業としては無職。『仮面ライダーフォーゼ』は高校生なので当然収入はない。物語の中で仕事に就くパターンもあるのだが、主人公の職業が物語に大きく影響するようなことは少なかったといえる。

■不況ゆえに“職もちライダー”は親世代への印象も良好!?

一方、ネットでは歴代ライダーの年収ランキングを推測する記事もたびたび見受けられ、現状の最高年収主人公は、『仮面ライダーBLACKRX』のヘリコプター操縦士・南高太郎で、年収1000万超えと想像されている。そして2014年の『仮面ライダードライブ』では、いきなり公務員(警察官)として登場する。「職業=仮面ライダー」を謳い上げ、仮面ライダーとして活動することで給料を得るという設定なのである。さらに、2番手ライダーは激務による過労死におびえている…という描写まであった。『ドライブ』の警視庁巡査は、年収は低めだが将来性に期待できるし、何よりも公務員ということで“安定性”が大きな魅力である、現代的な設定ともいえる。ともかくこの『ドライブ』を機に、一気にライダーの職業は堅実化・エリート化していく。

1971〜1974年ぐらいに産まれたいわゆる団塊ジュニア世代は初期ライダー世代とも言える。就職時期にはバブル景気も終焉、“就職氷河期”を体験し、急激に公務員への人気が高まったのもこの世代だ。晩婚化も進む中、一緒に仮面ライダーを見る自分の子どもたちの将来を考えれば、仮面ライダーの職業も、まともで堅実な仕事であってほしいと思うのが親心だろう。今どき仮面ライダーだけでは食っていけないし、悪を倒した後はどうするのか?あくまでもライダーは“仮の姿”であるという設定のほうが、たしかにリアリティがある。さらにイケメン俳優の登竜門ともなれば、お母さんたちへのアプローチとしても有効。世の女性たちにしてみれば、無職よりも定職を持った甲斐性のある男性のほうがいいに決まっているだろうし、それがイケメンであれば完璧だ。「平成ライダーシリーズ」のシナリオはかなり緻密に計算され、戦略的な演出のもとに主人公の職業も設定されていると言えば、うがちすぎだろうか。

■さらなるエリート化で考えられる職業は…政治家や社長、スポーツ選手か

こうした「あるときは地位も名もある社会人、あるときは悪を倒す正義の味方」的な設定は、ヒーローものでは古今東西の“王道”でもある。普段の姿は一大財閥の社長の『バットマン』や『アイアンマン』、新聞記者の『スーパーマン』など、その例をあげればキリがない。先述の『仮面ライダードライブ』は、警察官であり、仮面ライダー。少年の2大ヒーローが1つになった存在といってもいい。主人公が職業を持つことは子どもたちのワクワク感にもつながっているはずだ。では、近年の“エリート化”の流れで行くと、次のライダーの職業は何になるだろうか?

エリート化の“極致”で考えるなら、政治家、総理大臣もありそうだが、国会はバトルとの相性は悪そうだ。しかしながら若手の実力派政治家が「日本を変える」ではなく、「悪の組織を内部から変える」というのはなかなかロマンがある。堅実化路線なら現実世界ですでに子供たちのヒーローである消防署員や救急隊員は十分に考えられる。乗り物=ライダーとの親和性も高く、おもちゃもストーリーも作りやすいだろう。究極は自衛隊員か。武器も乗り物も豊富のうえ、『仮面ライダードライブ』の車モチーフがアリならば、ライダー専用戦闘機というのもありえそうだ。最近は自衛隊もマスコミに対し非常に協力的だし、「悪の組織から日本を守る」という設定もしっくりくる。これは意外と本命ではないか。

また高収入である一流スポーツ選手ならば、サッカーなら映画『少林寺サッカー』ばりの必殺キックも考えられるし、近年のライダー複数化においてもチームプレーで悪を倒してくれそうだ。野球選手ならボール&バットは男児にもなじみ深いアイテムであり、劇中では“飛び道具”にもなりえる。人気のフィギュアスケートなら「必殺!トリプルアクセルキック」や「4回転キック」と、“回転”は必殺技である“ライダーキック”との相性もバッチリだ。そのほか今や大人気のYouTuberなら、ライダーをやりながらしっかりと自分の戦闘シーンの動画で稼ぐとか、デイトレーダーによる仮想通貨ライダー、IT社長ライダーも今どきの設定…かもしれない。そしてまさかの初女性主人公のキャリアウーマンライダーも!?そんな妄想を膨らませつつ、秋に交代となる次の仮面ライダーの“職業”にも注目してみたい。

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