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「本物のファンにチケットを」転売対策にファン育成の意識改革

「本物のファンにチケットを」転売対策にファン育成の意識改革 ここ数年、活況が続くライブ・エンタテインメント業界。とはいえ、“チケットの高額転売”、“会場不足”、“大都市集中”、“アルバイト不足”など内情をみると課題は多い。そこで、世界最大のプロモーター「ライブ・ネイション」のライブ作りなど、海外の最先端事例を参考に解決策を検証。今年度の収益が過去最高となったライブ・ネイションが、どのように最前線で事業を展開しているのか、デジタル音楽ジャーナリストのジェイ・コウガミ氏がビジネスモデルから解説する。

【表】海外の事例から見る3つのポイント

■日本と海外の2017年ライブ状況

進化し続けるライブビジネス市場において、2017年は1つの分岐点だった。その理由は、世界最大のイベントプロモーション会社で、大物洋楽アーティストのツアーを運営する「ライブ・ネイション」が、チケット転売問題に対して本格的な改善策をついに打ち出したからだ。

業界最大手が何に重点を置くのか。それは、この領域での今後のビジョンを明確化したに等しい。彼らの取り組みは、進むべき方向性を模索するプロモーターやアーティスト、マネジメントを含むライブエンタメ業界全体を左右すると言っていい。

また、転売問題に限らず、日本のライブエンタメ業界は、世界と同じ課題をいくつも抱え、共有できる状態にある。17年5月、イギリス・マンチェスターで起きたコンサート爆破テロ事件から生まれた安全確保への問題意識は、日本のフェスやイベント、握手会への応用、さらには20年に向けたテロ対策問題と同様に捉えることもできるはず。ノウハウや対策法を可能な限り蓄積する必要性は格段に高まっている。

■「提携型」運営で幅広いファンにアプローチ

まず現状を把握するため、現在進行形のビジネスモデルのトレンドを取り上げたい。具体的な例を挙げるとすれば、ライブ・ネイションのビジネス構造がわかりやすいだろう。

彼らのモデルは多角的でマネタイズがはっきりしている。主な収益元は4事業。「ライブ興行収入」「スポンサーシップと広告」「チケット販売」「アーティスト・マネジメント」で、連携しながら収益化をめざしている訳だが、おもな収入源であるライブ興行はツアーやライブの運営だけに留まらない。プロモーション戦略、SNS・動画メディアを通じたブランディング、ライブ会場運営、フェス開催までを包括的に行い、幅広い範囲をカバーするポートフォリオを展開する。これはライブ・エンタテインメントも、そのモデルが独立型・特化型から垂直統合型へ進化していることを意味している。

具体例を挙げてみたい。近年の世界的なフェス人気の裏で、ライブ・ネイションや「AEGPresents」といった大手プロモーターと、既存のフェス運営者たちによる「提携型」運営が増え、これまで独立運営されてきた中規模から大規模なフェスの多くに変化が生まれている。

ライブ・ネイションはアメリカの「ボナルー」「ロラパルーザ」「EDC」などメジャーなフェスの運営権を取得。最近ではイギリスやスウェーデン、オーストラリア、南アフリカのプロモーターとの提携も進めてきた。そうした新規市場への参入や既存市場におけるブランド力の拡大、イベントごとでの収益増加といった効果を狙う。

そして何よりも膨大な数の音楽ファンに対するアプローチが可能になり、世代を超えた巨大な顧客データベースを横串で構築できるという大きなアドバンテージが生まれた。顧客を知ることで、より効果的なプロモーションやサービスを提供でき、イベント体験の満足度を高め、ファンの定着化を促進する戦略を実行できるようになったのだ。

■「ファン育成モデル」でファンを定着

そして、このファンの定着化を図っていくうえでも、冒頭で記したライブ・ネイションの「チケット転売問題」への取り組みが活用されているのだ。

17年3月、グラミー賞を受賞したばかりの英シンガー・ソングライター、エド・シーランの世界ツアーが発表された時、ライブ・ネイションは「ヴェリファイド・ファン」(VerifiedFan)という新たなチケット販売システムを導入した。

ヴェリファイド・ファンはライブ・ネイション傘下のチケット販売最大手「チケットマスター」が手がけるダフ屋やボット、プログラムに対抗したシステムだ。メールアドレスを事前登録したユーザーを、独自アルゴリズムによって「熱心なファン」かどうかを分析し、ファンと認識されたユーザーのみ暗証コードをスマートフォン経由で送信。ユーザーは指定されたURLにアクセスし、コードを入力することでチケット購入に進むことができる。

購入プロセスでは、チケットマスターのプラットフォームを活用し、アリーナやスタジアムの座席ごとの位置と値段を画像で表示してくれる。ユーザーはどの場所に座るかを事前に判断した上でチケット購入を行う。複数のライブに行きたい場合は、個別に事前登録から行う。米国ユーザーだけでなく、海外からも登録は可能だ。しかもこの事前登録は無料でできる。

ただ、ファンに新しいチケット購入のシステムを促すことは、アーティストやマネジメントにとってはリスクになりかねない。不評や批判がSNSの炎上につながり、ネガティブイメージを助長する恐れがある。しかし、ライブ・ネイションとアーティストがヴェリファイド・ファン・システムを受け入れたということは、現状の課題に対して足並みを揃え、ファン体験向上への解決策を提供しようという意識で団結し始めたことを意味している。

ヴェリファイド・ファンの効果はすぐに発揮された。購入されたチケットが転売される率は5%以下に留まっている。以前は販売したチケットの30〜50%が転売サイトで売られていたそうだ。まだまだ初期段階にあるこの新システムだが、ファンへのリーチと転売対策を同時に実現しているというのは注目に値する。

■チケット販売から考える日本のライブ施策

では、このようなチケット・システムを日本で導入するためには何が足りないのだろうか。そのヒントとなるキーワードをいくつか挙げてみたい。

1つ目は、前述した「提携型」ビジネスの拡大。枠組みを超えた企業や業界が新しいインフラを作り、今抱えている課題を解決する連携が求められる。例えば音楽業界とIT業界が組むことで、オンラインチケットをファンに提供する一方で、顧客データベース構築や転売防止機能といったメリットを業界は得ることができる。2つ目は「ファン育成モデル」への意識改革だ。そう考える理由は、今後業界は「既存のファン」だけでなく、「未来のファン」を育てる役割を担うからだ。ファン定着化が市場を拡大させると考えた時、ファン層の発掘と育成をチケット販売から考えてみるのはどうだろうか。

熱心なファンは既存の「先着順」でも「ファンクラブ限定」形式でもチケットを買うだろう。しかし違法ボットやプログラムへの対策は必要で、ファンクラブ以外の人が良い席を買うチャンスは多くない。前述のヴェリファイド・ファンが提案したのは、すべてのファンにチケット購入の公平なチャンスを提示する仕組みだ。実在する本物のファンにチケットを届けることができれば、転売のリスクは減り、アーティストへのロイヤリティも高められる。しかも、承認を得たファンは、定着化する可能性が高まる。いわば“ファンへの「信頼」を仕組み化”することにもつながるのだ。

■ライブのIT化に不可欠なスマートスタジアム

3つ目はデジタルとリアルの枠を超えた「プラットフォーム化」への意識だ。今後、世界はライブ・エンタテインメントの「ファンサービス」が加速していくだろう。イベント情報との出合いからイベント終了後までを、テクノロジーを活用したシームレスなエンタメ体験としてファンに提供する流れが増えるはずだ。

こうした体験の提供で注目を集めているのは、スタジアムやアリーナ、ライブ会場のスマートIT化だ。アメリカだけでなく、欧州やアジアでも会場のイノベーションが顕著に生まれている。17年にアメリカ・アトランタ市でオープンした「メルセデス・ベンツ・スタジアム」には、1800以上のWi-Fi基地が設置され、通信環境を無料で来場客に提供し、スマホの無線充電機能もシートに完備する。アメリカ・ミネアポリス市の「USバンク・スタジアム」は専用アプリで電子チケットから座席マップ、ハイライト動画、交通情報までを提供している。世界で最も人気のあるライブ会場、イギリス・ロンドンの「O2アリーナ」は今年から一足先に次世代通信システム「5G」の導入が始まる予定だ。

電子チケット、電子決済の導入にいち早く着手した世界のライブ会場では、現在は会場内の通信環境の向上とコンテンツ消費体験がホットな話題だ。会場をプラットフォーム化させ、インフラとサービスの質と量を高めることで、来場者に充実した時間を過ごしてもらい、グッズや飲食の購買へつなげるための企業連携と施策を次々と進めている。

国内で、チケット購入からイベントまで一元体験型のライブエンタメに取り組むには、企業や業界間の連携が不可欠。しかし規制や議論だけでは前進はできない。ファン目線な施策のトライアル・アンド・エラーが必要だ。その先の業界には、近い将来「新規ファン」を育てる役割が求められてくる。20年の東京五輪・パラ五輪以降の国内市場を成長させるには、まだ課題は多いが、既存の枠から飛び出してファンと共に成長できる取り組みの登場に18年は期待したい。

文/ジェイ・コウガミ氏(デジタル音楽ジャーナリスト、「AllDigitalMusic」編集長)

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