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「子役は劣化する」を覆す芦田愛菜 驚異的な地続き感でアンチ一蹴

「子役は劣化する」を覆す芦田愛菜 驚異的な地続き感でアンチ一蹴 「芦田愛菜」でネット検索をかけると、本人が出演する『CM動画』が上位検索にあがる。グリコ『パナップ』(今年5月配信)のCM動画は290万再生、『早稲田アカデミー』(2017年7月配信)のCM動画は270万再生。軒並み高い再生数でその人気ぶりが伺える。人気子役と言えば、その“無垢さ”のインパクトからか、劣化したなどと誹謗中傷されたり(まだ10代にもかかわらず、だ)、成長を“穢れ”と揶揄する宿命を背負わされている。だが、彼女の場合は清廉潔白さを保ちながら女優業にまい進し、プライベートでは名門中学にも入学するなど、子役時代から変わらぬ驚異的な“地続き感”を維持し続けている。

【フォトギャラリー】今では貴重な2011年7歳から、14歳までの芦田愛菜『7年間の成長記録』

■難関中学突破の報せで再認識

昨年初頭、テレビ東京で放送されたドキュメンタリータッチのドラマ『山田孝之のカンヌ映画際』で芦田愛菜が本人役で登場。カンヌ国際映画祭の最高賞パルム・ドールを取るために映画を制作していく物語で、山田は親殺しの大量殺人鬼を題材とした映画を発案。その殺人鬼役に選んだのが“芦田愛菜”という設定だった。当時、芦田は小学6年生。視聴者がそこで見たのは、あどけなさから脱皮した“正統派美少女”の姿。SNSやネットニュースでは「子役から進化した」、「育成成功」など称賛の文字が踊った。

同年春、彼女が慶應中等部と女子学院という名門校の合格が報道。芦田の才色兼備が明らかになった他、『早稲田アカデミー』のCMでは「かわいくて頭良くてお金があって、完璧かよ」、「かわいいから美人になった」、一人二役に挑んだグリコ『パナップ』CMでも、「愛菜ちゃんというより愛菜さん」、「子役というより女優さん」など注目の高さを感じられるコメントが散見された。

さらに芦田のコメント力の高さにも注目が集まり、同年4月、映画『バーニング・オーシャン』の公開直前イベントでは、池上彰がシェール革命について解説。芦田は産出されるシェールガスが頁岩(けつがん)層に含まれていることを即答し、池上は「『はい』とうなずくだけじゃなく、“もっと知りたい光線”を出してくる。こういう良い生徒がいると、こちらもついノッちゃう」とその優等生ぶりも絶賛した。

■「天才子役」が仇となったか、過去には批判の対象にも…

芦田愛菜は2007年、3歳で芸能界入り。2010年、『Mother』(日本テレビ系)で母親から虐待を受ける少女を熱演し、一躍“天才子役”と称されることに。翌年、『マルモのおきて』(フジテレビ系)で連ドラ初主演を果たし、共演の鈴木福と歌った主題歌「マル・マル・モリ・モリ!」で紅白にも出場。2013年、ハリウッド映画『パシフィック・リム』ではギレルモ・デル・トロ監督も「天才」と太鼓判。CM契約も15社ともてはやされていったが、同時にその完璧すぎる立ち居振る舞いからアンチを生むことにもなった。

「あざとい」、「大人に媚びている」、「仕事ばかりでいつ勉強?親もどうかと思う」――。2012年に放送された『上沼・高田のクギヅケ!』(読売テレビ・中京テレビ)では「テレビから消えて欲しい有名人」、「CMで見たくない有名人」で1位に。同年発売『週刊文春』でも「CMで見たくない有名人ランキング」で1位と“批判”の流れが強固に。

「転機はやはり、名門中学の合格」と話すのはメディア研究家の衣輪晋一氏。「とくに“いつ勉強?”の批判については、学業にも勤しんでいた結果が目に見える形で出せたことは大きい。名門校入学でイメージが良くなった代表例では慶應義塾大学経済学部を卒業した嵐の櫻井翔さん。この学部は幼稚舎から通っていたとしても、高校で相当な成績でないと進むのは困難。芸能活動と並行しての相当の“努力”があったことがうかがい知れ、そして視聴者は“努力”“苦労”しているタレントを好む傾向がある。芦田さんもここにハマった」(衣輪氏)

■子役出身者を苦しめる“パブリックイメージ”芦田愛菜は類まれな“地続き”感でアンチを一蹴

子役を苦しめる壁としてもう一つ、“パブリックイメージ”がある。例えば『家なき子』(日本テレビ系)で“天才子役”の名を手に入れた安達祐実。しばらくは何を演じても『家なき子』の相沢すずがチラついてしまい、安達の役柄に純粋には没頭できなかったドラマファンは少なくないだろう。

子役&当たり役の“パブリックイメージ”を払拭するには時間の流れや、それを凌駕する運命的な役柄に出会うなど、他力本願の面が強い。「子役は大成しない」ジンクスが生まれるほどで、芦田も同様に不安視されていた。だが蓋を開けてみると、芦田は珍しく回避のパターンをたどっている。

この理由を「穢れのなさ」と解説するのは前出の衣輪氏。「視聴者には、子役は早い時期から大人の中で生活しているため、ませて高飛車、子供らしさがないなどのイメージが浸透しています。でも芦田さんはそういった面を公で見せることがなかった。例えば、昨年放送された『嵐にしやがれ』(日本テレビ系)でも嵐からのイジリに、“箸が転んでもおかしい”年代らしく、屈託なく大きな口を開けて笑う自然体な姿を見せた。実際にインタビューをしても、芸能界慣れしたコメントばかりではなく、懸命に等身大で答えようとする“子供特有のマジメさ”を感じられます。芸能界に毒されてない穢れのなさ。これが学業と結びつき、年相応の“子供っぽさ”が加味され、よい印象につながっているのでしょう」(衣輪氏)

安達祐実に代表されるように、子役が自身のイメージから脱するには“断崖絶壁”があり、苦労して乗り越える必要があった。だが芦田に関しては、バッシングはあったにしても、そこは“地続き”なのだ。

■仕事と学業の両立による“ほどよい露出具合”が希少価値に!

芦田は今夏公開の劇場版『ポケットモンスターみんなの物語』ではラルゴの声を担当。ドラマではBSプレミアで放送された『花へんろ特別編「春子の人形」』の春子役を演じ、単発の作品やイベント、CMと活躍しているが、衣輪氏は「学業を優先してか、長期に渡らない撮影ものを選んでいる感がある」と分析する。

そんな芦田が朝ドラで史上最年少となる「語り」を担当することが先日発表された。10月からスタートする安藤サクラ主演の『まんぷく』で“声”の出演をする。この報道を受けて「プロ意識ハンパない」、「膨大な読書量と語彙力の豊富さ!楽しみ」、「そのうち朝ドラの主演になりそう」などの期待の声が多数あがっている。驚異的な“地続き”感で安定した活躍を見せる稀有な女優・芦田愛菜。彼女が今後どのように成長、変化を見せてくれるか楽しみだ。

(文/中野ナガ)

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