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KinKi Kidsの年末年始ドームコンサートが休止「相方のせいかも」

KinKi Kidsの年末年始ドームコンサートが休止「相方のせいかも」 (全3枚)

山口達也の不祥事によるTOKIO脱退、関ジャニ∞渋谷すばるの退所、タッキー&翼の解散など、激動の中にあるジャニーズ事務所。今度は、KinKiKidsがデビュー以来続けてきた年末年始ドームコンサートの休止が発表された。その裏事情とファンの動揺を、ジャニヲタ歴25年のライター喜久坂京がレポートする。

2016年1月、ジャニーズ事務所恒例の初詣での私服姿

キンキファンが揺れている。


毎年この時期にファンクラブ会員宛に応募通知が届く、KinKiKidsの年末年始の東西ドームコンサート。1月1日が堂本光一の誕生日ということもあり、誕生祝いも兼ねて、1997年のデビューから21年も続いていた、もはや“伝統”と言ってもいいほど定番のライヴが、今年は開催されないことが決定した。


ジャニーズWebのファンクラブ会員向けのページには以下のような文面がアップされている。


「昨年、皆様にご心配をおかけした堂本剛の症状は、少しずつ回復に向かっているものの、ドームクラスの公演の音圧に耐えうるまでには、残念ながらまだ回復しておりません。(中略)KinKiKidsとしてのパフォーマンスに制限がかかり、万全な形をお見せすることが出来ないことを考えますと、一旦、今年のドームコンサートはお休みさせていただこう、という結論に至りました」


昨年、KinKiKidsはデビュー20周年を迎えた。アニバーサリーな展開の続く中、6月に堂本剛が突発性難聴を患い、様々な場面で演出などの変更が余儀なくされた。恒例のドーム公演は、「オーケストラやアコースティックな編成なら、耳に負担をかけずにコンサートができるかも」ということで、全編フルオーケストラ形式に。ジャニーズライヴにつきもののうちわとペンライトを排除したこともあり、彼らの歌からは、“言葉”と“音”が結晶化してクリスタルの輝きをまとったような、張りつめた美しさが感じられた。あの広い空間で、オーケストラや演者だけでなく、観客も含め、そこにいる誰もが音に集中した。神聖な体験だった。


KinKiKidsは、ジャニー喜多川という天才プロデューサーが生んだ、紛れもない“最高傑作”である。「硝子の少年」「愛されるより愛したい」「フラワー」など、誰もが知るヒットソングを抱え、がデビューから22年、39枚連続シングルオリコン1位という記録を更新。東京ドーム公演も、昨年の12月17日の公演が通算56公演目、20年連続という記録を“更新中”だった。その音楽性は、アイドルの範疇を超えており、彼らが打ち立てたいくつもの記録は、記録好きのジャニー社長を大層喜ばせてきたはずだ。シングルの連続1位記録はこれからも続くだろうが、東京ドーム連続公演記録の更新は、今年末で途切れることになる。

今回、恒例のドームコンサートが中止になったことで、ファンは大いに嘆いている。でもそれは、単に「楽しみにしていたコンサートをやらない」ことに対する落胆や動揺ではない。「KinKiKidsとしてのパフォーマンスに制限がかかり、万全な形をお見せすることが出来ない」という文面を、剛のファンは、「光一が剛に完璧なものを求めすぎたのでは?」と、光一のファンは、「剛がまた“できない”とワガママを言ったのでは?」と、それぞれに“相方”のせいじゃないかと、邪推してしまっているのである。

2008年、ドラマの打ち上げに向かう堂本剛


KinKiKidsのファンというのはとても特殊だ。「2人」のファンはもちろん多いが、その一方で、“グループじゃなくてソロが好き”という“オンリー担”も存在する。とくに、光一のオンリー担は、“光一教”ともいうべき熱心な光一信者で、光一が苦しんだり悩んだりすることが心配でたまらない。なので、KinKiKidsの活動に問題が生じたときは、必ず剛のせいにする。なぜなら、光一教信者にとって、光一は“完璧な王子”だからだ。

2016年11月、『THEALFEE』の高見沢俊彦とともに、銀座の超高級クラブから出てきた堂本光一

また、2人での活動も応援するけれど、剛のソロ活動も大好きという剛担も数多く存在していて、彼女たちはとにかく、剛の“才能”に心酔しているところが特徴的だ。光一のオンリー担を過激派とすれば、剛担は“オンリー担”と呼ぶほどソロ志向でもないし、言ってみれば穏健派なのだが、剛が突発性難聴を発症して以来、光一の発言や態度に過敏になっているところがある。


紙媒体なので“炎上”しにくいが、キンキファンの間で最も“深読み材料”として注目されているのが、日経エンタテインメントの光一の連載「エンターティナーの条件」だ。その2018年4月号で、光一は年末年始のオーケストラ公演を振り返り、こんなことを語っていた。


「総括してみると、僕と剛くんのエンタテインメントに対する考え方の違いが、こんなにもわかりやすく現れた例もなかったのではと思います(笑)。(中略)あくまで“僕の場合”ですが、例えばケガにせよ身内の不幸にせよ、自分の裏事情はお客さんには何ら関係のないことなのだから、そこは悟らせず、笑って帰ってほしい。そこまで割り切るのは冷たいと言われるかもしれないけど、ステージに立つ仕事ってそれくらいの覚悟がいるんじゃないかな。(中略)でも、彼(剛)の場合はすべてを正直にさらけ出し、傷口も見せ、お客さんと共有することで、彼にしかできない表現を模索していくタイプ。そうやって自分に対して正直だからこそ、彼にしかできない表現が生まれるのも確かです」

KinKiKidsは、“仲良し売り”をしていない。とはいえ、ここまで“真逆”を強調されると、「二人はこの先やっていけるのか?」とファンが心配する気持ちもわかる。今回の「ドーム公演中止」を受けて、光一と剛、それぞれのファンが「相方のせいかも……」と邪推してしまうのは、仕方がないことなのかもしれない。光一も、その連載内で「関係性を深読みされるのも、性格や行動を比較されるのも、2人組の宿命と言ってしまえばそれまで」と語っている。


でも、ここは敢えてキンキファンに言いたい。ドーム公演の代わりをどんな形でやるのかはまだわからないが、記録更新の呪縛から逃れたほうが、タレント自体は伸び伸びできるはず。SMAPが解散し、あの平和なTOKIOから脱退するメンバーが現れ、渋谷すばるが退所を決意し、タッキー&翼が解散するなど、“激動”の中にあるジャニーズ事務所で、「今年のドーム公演はありません」という発表ごときで動揺できるなんて、キンキファンは幸せである。キンキの二人が敬愛していたSMAPにいたっては、解散の理由さえマスコミの邪推によってねじ曲げられているのだ。関ジャニ∞のコンサートツアーにもう渋谷すばるはいなかったし、タッキー&翼の解散の発表の仕方は、あまりにも突然だった。でも、KinKiKidsは、過去もあれば今もあり、未来もある。

先述した「エンターティナーの条件」の最新記事(「日経エンタテインメント!11月号」)で、光一は、タキツバ解散と、ジャニーズ後継者問題について触れている。


「(ジャニーさんの)その人となりを知っていれば、ジャニーズのタレント全員が意思を受け継いでいくものなんだと分かるはず。(中略)滝沢が昔からJr.との接点が多いことは、僕ら先輩もよく分かっています。彼は自分の活動を通してJr.の面倒を見ることにずっと取り組んでいました。それが年月とともにライフワークみたいになっていったんじゃないかな。素敵なことだと思います。我々も彼(滝沢秀明)の覚悟を受け止めて、全力でサポートできたらと思っています」

事務所広報を通した発表以外にも、キンキの二人は、ラジオや連載など、自分の言葉で話せる場を持っている。そして、少なくとも、光一は自分も“ジャニーズを後継していくものの一人”という自覚があるのだから頼もしい。


いろいろな場面で、KinKiKidsの二人は、アイドルといえども決して事務所側の“操り人形”などではないことをわからせてくれる。その一方で、二人の私生活や関係性、距離感はミステリアスなままで、キンキファンの妄想(憶測や邪推も含む)を掻き立てる。“妄想”の時間にこそ、脳内麻薬は分泌されるわけで、ヲタにとってみれば、それこそが至福の時間なのである。

だから、ジャニヲタはやめられない。

喜久坂京(きくさか・きょう)

ジャニヲタ歴25年のライター。有名人のインタビュー記事を中心に執筆活動を行う。ジャニーズのライブが好きすぎて、最高で舞台やソロコンなども含め、年150公演に足を運んだことも。広くジャニーズの素晴らしさを知ってほしいと思い、FRIDAYデジタルにジャニーズのコラムを寄稿することに。

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