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ネタ以外で売り込む現在の芸人 志村けんさんが貫いた「喜劇人」

3月29日、コメディアン・テレビタレントの志村けんが、新型コロナウイルスによる肺炎のため死去した。70歳だった。

【画像】2014年、「変なおじさん」姿でJリーグの試合に登場した志村けん

25日にコロナウイルス罹患・入院の報道があってからのあまりにも早い逝去に動揺する声が、メディアやインターネット上に広がっている。この動揺は、現時点でまだ未知の部分が非常に大きいコロナウイルスの危険性だけでなく、志村けんというキャラクターの突然の消失を、人々がうまく受け止められていないことに起因している部分が大きいのではないだろうか。 

ネタ以外で売り込む現在の芸人 志村けんさんが貫いた「喜劇人」
2009年、ゴルフの試合に登場し「アイーン」を披露した志村けん©getty

志村は高校卒業間際の1968年より、ザ・ドリフターズの付き人=ボーヤとして、芸能界の世界に足を踏み入れる。その後紆余曲折を経て74年にドリフに新メンバーとして加入。76年に『8時だョ!全員集合』内で歌った「東村山音頭」がウケて以降は、ドリフの既存メンバーをしのぐ人気を獲得していく。

『全員集合』終了後も『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』『志村けんのだいじょうぶだぁ』『志村けんのバカ殿様』など冠番組を次々とヒットさせ、70年代後半から80年代にかけての志村は間違いなく、日本で最も人気・知名度の高いコメディアンの一人だった。 

同世代のたけしと異なる「キャラクター性に対する姿勢」

志村がスターになってから数年後、漫才ブームのなかで大きな人気を集め、80年代以降にビッグになったコメディアンとして、ビートたけしがいる。後年志村とたけしはテレビ番組で共演しているが、彼ら二人の個性の差異として、キャラクター性に対する姿勢の違いを挙げることができるだろう。 

人々が志村を連想したときに必ず思い浮かべるのは、「バカ殿様」「変なおじさん」「ひとみ婆さん」など、コント・キャラたちだと思うのだが、ビートたけしは80年代には「鬼瓦権蔵」「タケちゃんマン」等いくつかのキャラを生み出したものの、90年代以降「鬼瓦権造」以外のキャラを継続的に身にまとうことは殆ど無くなり、散発的にコミカルな仮装をするだけになっていく。 

また、たけしは「昭和四十六年大久保清の犯罪」(83年、TBS)でそれまでの道化的イメージを裏切るシリアスな犯罪者役を演じ、多数のエッセイ著作で自らの世界観を開陳し、90年代以降には映画監督業を成功させ、当初は漫才師として認知された自身のイメージをどんどん多重化させていった。

対して志村は、コメディ以外の仕事の数が基本的に非常に少ない。人々が思い浮かべる「志村けん」のイメージには重層性が無く、バカ殿や変なおじさんの顔がフワフワとそこに漂っている。 

90年代以降、たけしの戦い方が主流になった

端的に言ってしまうと、たけしが展開したイメージの多層化、つまりテレビ的な平板な記号としてではなく、生身の人間としてのリアリティ・奥行を感じさせる重層的なキャラクターの構築こそが、90年代以降の日本のテレビ・コメディアンたちの手本となっていった。

いま現在メディア上で活躍する芸人の殆どが、漫才やコントなど「ネタ」以外での自分の内面や趣味、嗜好を商品として売り込んでいる。80年代以降、テレビがお茶の間から更に深く、家族それぞれの個室にまで入り込んでいったプロセスのなかで、たけしが体現した戦い方こそが最適解だったのだと思う。 

志村はもちろん90年代以降もテレビで活躍したが、基本的に彼は「たけし以前」のテレビ・コメディアンだったのではないか。

志村が50〜60年代のジェリー・ルイスや20〜30年代のサイレント・コメディやマルクス兄弟のファンであったことはよく知られており、彼はしばしば自らのテレビ・コントにそれらのコメディ映画でのギャグをアレンジして落とし込んでいた。志村がやりたかったこと・やれたことの本質は恐らくそういう古典喜劇映画のテレビ的な翻案作業にあり、それは例えばスパイク・ジョーンズの日本的解釈であったクレージー・キャッツらが編んでいたコメディ系譜の最後尾に位置するようなものだったと言えるのではないだろうか。

彼は80年代以降のたけしのような「メディア・スター」ではなく、70年代までの「喜劇人」の最後の世代の人だった。メディア上で自らの人間性の奥行を商品にすることを、志村はしなかった/できなかった。 

お茶の間でドタバタ劇を見せてくれた、キャラクターの消失

インターネット以降の世界では、芸人もミュージシャンも作家もみな生身の人間であることをわたしたちは実感として知っている。だが、70〜80年代にテレビで活躍しその存在を確固たるものにした志村けんというキャラクターは、その生身の奥行を想像しにくい存在としてのコメディアンの、最後の一人だったのではないだろうか。

だから私たちは、そういう平板な(これは揶揄ではない)キャラクターが消失してしまったことを上手くイメージできない。ミッキーマウスが生々しく死ぬ場面を想像できないのと同じことだ。 

70年代までの日本には、お茶の間のブラウン管を通し平板なキャラクターたちのドタバタ劇に笑っていられる状況が、良くも悪くもあった。その残滓の消失を、恐らく私たちはいま実感しているのである。 

志村けんさんのご冥福をお祈りいたします。 

(コメカ)

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