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高橋一生ロスは「直虎」現場でも 壮絶シーンの後に制作陣が謎の体調不良

高橋一生ロスは「直虎」現場でも 壮絶シーンの後に制作陣が謎の体調不良 (全4枚)

〈息ができないほど泣き叫びました〉

〈泣いた……来週生き返るとかないですよね〉

その日、NHKの大河ドラマ「おんな城主直虎」のツイッターには悲鳴ともつかぬ書き込みが殺到したのである。8月20日に放送された回〈嫌われ政次の一生〉で、高橋一生(36)演じる小野政次が、壮絶な最期を遂げた。あまりの嘆きの声に、残りの放送が心配になってくるほどなのだ。

***

少し長いが、内容を説明しておくと、高橋演じる政次は井伊家城主・井伊直虎(柴咲コウ)の幼馴染にして家老である。

弱小大名・井伊氏は、今川氏に服従していたが、政次はその意を受けて直虎を監視する役目だった。周りから“今川の手先”と嫌われていたが、密かに直虎を慕い、尽くし続ける。

「直虎」を支えた男だったが――(「鶴のうた」ソニー・ミュージックジャパンインターナショナルより発売中)

桶狭間の戦いで今川氏が敗れ、徳川の今川討伐が始まると、直虎は徳川軍と通じ、密かに領内通行させるという手段に出る。ところが、自陣に裏切り者がいて、途中、徳川軍が矢を射掛けられるというトラブルが発生。「やはり今川に通じていたか」と直虎は捕えられるのだが、罪を被ったのが政次だった。無実を知る直虎は必死にかばうが、政次は直虎を守ることしか頭にない。

〈白黒をつけむと君をひとり待つ天つたふ日ぞ楽しからずや〉

直虎と碁を楽しんだ思いを辞世の歌にしたためた政次は、刑場へ向かう。そこへ現れる直虎。磔台(はりつけだい)に縛られ処刑されるその瞬間、自ら槍を取り、深々と政次の胸をえぐった。

高橋一生ロスは「直虎」現場でも 壮絶シーンの後に制作陣が謎の体調不良 「鶴のうた」ソニー・ミュージックジャパンインターナショナルより発売中

「日の本一の卑怯者と未来永劫語り継いでやる!」

そう叫ぶ直虎に、政次は血を噴きながら罵り返す。

「笑止!女子(おなご)だよりの井伊に未来などあるものか」

すべて、徳川方を納得させるための芝居で、ファンからは「究極のラブシーン」との評価も寄せられた。視聴率は過去3カ月で最高タイの12・4%を記録した。

回想シーン

この壮絶なシーンを書いた脚本家の森下佳子氏が振り返る。

「この回の打ち合わせは皆言葉少なでした。何度も台本を読み返すと泣いちゃうから、という空気だったんですかね。最後のシーンを書いたあと、私もプロデューサーも、音楽担当の菅野よう子さんも、全員、謎の体調不良に悩まされました」

制作陣からして、体調を崩すほどだから、視聴者の「ロス」もむべなるかな。何より、一途だがどこか影のあるイメージの高橋だからこそ演じることのできるシーンでもあった。

「草食系のイメージのある高橋は役者歴が長い。9歳で映画デビューし、大人になってからは映画『世界の中心で、愛をさけぶ』などで頭角を現しました。『直虎』に出演するようになってから、今年上半期の〈ブレイク俳優ランキング〉では、全世代の部門で1位になったほどです」(芸能デスク)

その人気は、放送の3日後、ソニー・ミュージックから「鶴のうた」と題して高橋が登場する回の音楽をまとめた追悼CDが発売されると、店頭からたちまち消えてしまったほどである。

心配なのは「直虎」の今後だ。何しろ政次が死んだ翌週の回は視聴率も11・2%に下がり、「高橋ロス」が現実になってしまったのだ。もちろん、NHKもそのことを予測してか、38回からは、井伊直政役として菅田将暉を投入するなどテコ入れ策を取ってはいる。が、手っ取り早いのは政次を再び登場させることか。先の森下氏も言う。

「脚本では残された人たちが政次を思い出す件(くだり)があるので、回想シーンの可能性がないわけではありません」

「直虎」の放送はあと16回、政次を殺すのは、ちと早すぎたか。

「週刊新潮」2017年9月7日号掲載

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