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NHK「光る君へ」で人殺しや死ねなど暴言の応酬 視聴者に戦慄走る

NHK「光る君へ」で人殺しや死ねなど暴言の応酬 視聴者に戦慄走る

◇「光る君へ」藤原道兼役・玉置玲央インタビュー(下)

女優の吉高由里子(35)が主演を務めるNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜後8・00)は7日、第14回が放送され、今作序盤最大のヒール役・藤原兼家(段田安則)の最期が描かれた。後継者指名をめぐり、次兄・藤原道兼は激高。初回(1月7日)で主人公の母・ちやは(国仲涼子)を殺める“大役”を担い、父への愛憎を好演してきた道兼役の俳優・玉置玲央(39)に撮影の舞台裏を聞いた。

<※以下、ネタバレ有>

「ふたりっ子」「セカンドバージン」「大恋愛〜僕を忘れる君と」などを生んだ“ラブストーリーの名手”大石静氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ63作目。千年の時を超えるベストセラー「源氏物語」を紡いだ女流作家・紫式部の波乱の生涯を描く。大石氏は2006年「功名が辻」以来2回目の大河脚本。吉高は08年「篤姫」以来2回目の大河出演、初主演となる。

第14回は「星落ちてなお」。老いが迫る藤原兼家(段田安則)は3兄弟を集め、長兄・藤原道隆(井浦新)を後継者に指名。父のために花山天皇(本郷奏多)を裏切るなど“汚れ役”に徹してきた次兄・藤原道兼(玉置玲央)は納得いかず、激高してしまう。やがて兼家は逝去。跡を継いだ道隆が摂政になり、独裁を始める…という展開。

永祚2年(990年)、兼家は息子たちに「出家いたす。望み通り関白になったが、明日それを辞し、髪を下ろす。わしの跡は…道隆、おまえが継げ」と伝えた。道兼は黙っていられない。

道兼「父上の今日あるは、わたくしの働きがあってこそ。何故、兄上に」

兼家「黙れ!」「おまえのような人殺しに、一族の長が務まると思うのか」

道隆「人殺し…」

兼家「大それた望みを抱くなぞ、許し難し。下がれ」

道兼「(立ち上がり)父上こそ、帝の父の円融院に毒を盛り、花山院の女御様とそのお子を呪詛し、その挙げ句、殺め奉った張本人ではないか!」

兼家「道隆は何も知らずともよい。おまえはまっさらな道を行け。道兼はこれからも、我が家の汚れ仕事を担って、兄を支えてまいれ。それが嫌なら、身分を捨て、どこへでも流れて行くがよい」

道兼「この老いぼれが。とっとと死ね!」

第14回の台本を最初に読んだ時の印象について、玉置は「『この老いぼれが。とっとと死ね!』という言葉自体はキツいですし、衝撃的なやり取りですけど、大石先生が描いてきた今回の藤原道兼という人物なら、こう言っちゃうよねと腑に落ちた部分もありました。あれだけ父上に尽くしてきたのに、ハシゴを外されちゃうと。やっぱり父上からの愛情に飢えていて、父上から認められたいという承認欲求が道兼の核で、年齢を重ねても変わらなかった、むしろ歪な膨らみ方をしたんじゃないでしょうか。なので『この老いぼれが。とっとと死ね!』という発言は怒り以上に、歪な愛情の結果なんだと思います。でも、言ってしまった後、絶対後悔しているはず」と述懐。

ただ撮影本番は「語弊があるかもしれませんが、楽しんで演じられた節はあります。道兼にとっては芯の部分の叫びなので、ため込んできた思いをようやく父上に吐ける、と。本来は、道兼が父上に対して一番言わないはずの言葉ですよね。それほど感情が爆発したんだ、と。玉置という俳優が、道兼に対して『よかったね。やっと言えるんだね』と労うような気持ちになったのを覚えています」と明かした。

2人とも初回から登場し、第14回にもなれば役を生きている状態。事前の細かい話し合いはなく「ドライで台詞を合わせて『じゃあ、これで本番に』という形でした。お互い、歯に衣着せずで、楽しくセッションできたと思います」。玉置が織田信長の長男・織田信忠役、段田が織田家重臣・滝川一益役を演じた16年の大河ドラマ「真田丸」、18年の舞台「夢の裂け目」(作・井上ひさし、演出・栗山民也)に続く3度目の共演だったこともあり「ここまでくれば、役や撮影のことはあまり話さなくても大丈夫という安心感が、お互いあったと思います」と振り返った。

現在、段田がタイトルロールを務める舞台「リア王」で4度目の共演を果たし、地方公演中だ。

「撮影期間中よりも、舞台の稽古中の方がよっぽどこのシーンのことなんかを話したりしました。『玲央、あの時はひどいことを言ってくれたよな』とか(笑)。どの現場でご一緒する時も、きちんと芯を持っていらっしゃって、同時に、まるで散歩や泳ぐように、ある種エンジョイして演じていらっしゃる。その背中を追い掛けていこうと思える偉大な先輩です」

SNS上には「限りない暴言」「暴言すぎるw」「あまりにド直球すぎて笑ってしまった」「(道兼の)顔の歪み方、こえぇ!」「恐ろしい応酬」「(まひろの母を殺めた)道兼くんの蛮行がすべての原因とはいえ、この親子ひでぇ」「流石に道兼くんが可哀想と思ったけど、暴言で帳消し」「妻にも娘にも見捨てられた…自業自得だが、切ない」などの声。視聴者に戦慄が走った。

道兼は内裏に出仕しなくなり、酒浸りに。愛想を尽かした妻・藤原繁子(山田キヌヲ)と娘・藤原尊子(愛由)も屋敷を去った。3兄弟の行方は…。次回は第15回「おごれる者たち」(4月14日)が放送される。

=インタビューおわり=

=インタビュー(上)は「衝撃の初回の舞台裏」=

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