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このところ芸能界で退社・独立のニュースが相次いでいる。

人気女優の多部未華子は４月１日、自身の公式サイで３月31日をもって約20年間所属した「ヒラタインターナショナル」を退社したことを公表した。

女優・仲間由紀恵の夫で俳優の田中哲司、女優・常盤貴子の夫で俳優の長塚圭史も３月末をもって「鈍牛倶楽部」を退所。

昨年、事件を起こした歌舞伎俳優・市川猿之助が所属していた「ケイファクトリー」からは、佐々木蔵之介、佐藤隆太、藤野涼子が去った。佐々木と藤野は新事務所「アンカー」に移り、佐藤は独立する。

芸能事務所の倒産・休業も大きなニュースとなった。

３月27日にタレントの壇蜜、吉木りさらが所属する芸能事務所「フィット」が破産手続きを開始したことが報じられた。

４月１日には女優の吉岡里帆や臼田あさ美、酒井若菜らが所属する「A-Team（エー・チーム）」が公式サイトで芸能関係の業務を休業することを発表。かつて所蔵していた松本まりかは昨年11月にひと足早く退社し、大手芸能事務所の「研音」に移籍している。

このほか、旧ジャニーズ事務所（SMILE-UP.、STARTOENTERTAINMENT）では、故ジャニー喜多川氏の性加害問題の影響もあり、岡田准一や二宮和也、生田斗真、堂本剛、風間俊介が退所、独立。SKE48の元メンバーで女優の松井珠理奈も昨年大晦日にX（旧ツイッター）を更新し、所属事務所「アービング」を円満退所したことを報告している。

近年にないほど、人流が活発化しているのはナゼなのか？

「やはり第一はおカネです」

と断言するのは、スポーツ紙の芸能担当記者だ。

事務所に所属している以上、タレントはもらったギャラのいくらかを会社側に渡さなければならない。事務所によって取り分はまちまちで、最も多いのが７：３（タレント：事務所）の割合。中にはタレントと事務所で半々というところもあれば、タレント側が９割もらえるところもある。

「仕事によっても違う。テレビの仕事は７：３だけど、CMの仕事は６：４とか。流行りのユーチューブも事務所主導でやった場合は事務所側が３割近く持っていく。逆にタレントが自発的に以前からやっている場合は、タレントが全取りというケースもある」（芸能プロ関係者）

SNSの普及で稼ぎ方の幅が広がる一方で、テレビのギャラは右肩下がりだ。

「10年前と比べて30％以上減った。１本３ケタ（100万円以上）のギャラをもらえる人なんて数えるほど。あるドラマでは１日ががりの地方ロケで、ギャラが１万5000円ということもあった。

うちは７：３なので、タレントに約１万円、事務所に4500円。なんのためにこんな山奥に来ているのか……と自問自答しました」（前出・芸能プロ関係者）

という。

人材不足にも拍車がかかっている。かつてはテレビや芸能界に憧れて、事務所の門を叩く人もいたが、現在は転職サイトに求人を載せない限り、全くと言っていいほど人が集まらない。

「激務ということで敬遠されているのでしょう。マネジャーの数が足りず、一人で10人以上を管理している人もいる。一方で、優秀なマネジャーやスタッフは別事務所にヘッドハンティングされていく。

最近景気がいいのは、やはりＫ-POP系の事務所。大手レコード会社から何人も移っています」（音楽関係者）

タレント側からすれば、収入は右肩下がりでマネジャーも専属ではないのなら

「何のために事務所に入っているのか……」

と考えても不思議ではない。

「直近の成功例だと、’21年に研音を辞めた竹野内豊さん。テレビのプロデューサーや映画監督と電話で直でやりとりできる関係なため、自分だけでハンドリングできてしまう。

事務所にギャラを引かれることもないし、気乗りしない仕事はやらなければいい。“勝ち組”と言われていますよ」（前出・スポーツ紙記者）

芸能プロダクションの存在価値そのものが問われることにもなりそうだ。

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