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スキャンダルで活動休止も経験した小出恵介の今 演じることに悩みNYへ

スキャンダルで活動休止も経験した小出恵介の今 演じることに悩みNYへ

【あの人は今こうしている】

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小出恵介さん(40歳)

ドラマ「ROOKIES」(TBS系)やNHKの連続テレビ小説「梅ちゃん先生」などで活躍した小出恵介さん。7年前、未成年者との飲酒などが発覚し、事件は不起訴となったが、活動休止に追い込まれた。小出さん、今、どうしているのか。

◇◇◇

小出さんに会ったのは、京王線・初台駅から徒歩7分の映画製作会社の会議室。この会社が製作した映画「愛のぬくもり」に主演したのだ。

「2021年に俳優業を再開してから、映画は4本目、主演は3本目です。今回はラブシーンに挑戦しました。十数年前にも経験はあるのですが、本格的なのは初めて。相手役の女優さんがストレスを感じないよう、気を使いましたね」

小出さん、まずはこう言った。「愛のぬくもり」は異性間、同性間、男女が入れ替わった異性間などさまざまな“愛”が描かれたラブストーリー。小出さんは男性の体、女性の心で女性を愛するという、複雑な役を演じた。

■演技をしていない時間のほうが不自然

「今年はほかにも、この5、6月に舞台を3本、掛け持ちに近いスケジュールでやらせていただきました。気力で乗り切り、今は安堵感と達成感と(笑)。40歳になり、役者も20年。演じる役柄も仕事のやり方も、今まで以上に貪欲に挑戦したくて。17年にいろいろあり、演じることができなくなり、そのまま役者をやめる可能性も大いにありました。またやる資格があるのか、すごく悩みもしましたし。でも、その翌年にニューヨークへ留学したら、気付いたら演技の学校へ行き、エージェントを探していて。結局、僕は大学1年のときに芸能界に入って、順調に活動してきたので、演技をすることがずっと日常だったんです。演技をしていない時間のほうが不自然で、何をしたらいいのかわからなくなる。今、演技ができる機会が増え、自分らしさを取り戻してきた感じです」

ニューヨークでは英語も学び、俳優として役を得るためにオーディションに挑戦していた。

「でも、小さい作品の小さい役でも、チャンスを得るのは簡単ではないですね。競争率は日本の比ではないですし。でも、それも成長するうえで必要な経験と時間でした。日本でいかに恵まれていたかを痛感し、より高いモチベーションを持てたので、無駄ではなかったと思っています」

日米を往復しながら日本で活動を再開させ、今年から日本に拠点を戻したという。

「米国での挑戦も続けますが、日本でチャンスをいただくことが増えてきたので、日本でオファーをいただく、せっかくのチャンスを逃したくない、という気持ちが強く、それには日本を拠点にしたほうがいいと思いました」

ニューヨークの物価の高さなども理由だ。

「正直、生活を維持するだけで大変ですから(笑)。ニューヨークはエネルギッシュで刺激的で魅力のある街ですが、半面、街のエネルギーが強すぎてのみ込まれそうになり、生きているだけで体力を使う。その点、日本は良すぎますよ!安全で、人は自然と譲り合って暮らしていて。食べ物も安くておいしい。ニューヨークでは毎日、日本食のスーパーに寄って、味噌汁とか日本食を作って食べていました。日本食がないと生きていけない(笑)」

昨年1月には一般女性と結婚。現在は日米で離ればなれに暮らしている。

「コロナ直前に知り合って、結婚しました。彼女は米国暮らしが長いので、僕よりずっとたくましく、頼りになる(笑)。非常に尊敬しています」

時間ができると、ニューヨークの夫人の元へ。

「あっちでは、生活の足しにペットボーディング(一時預かり)のアルバイトもしています。コーギーやオーストラリアンシェパードなど主に犬を預かって、散歩など世話をしていると癒やされます。バイト代?日本の3倍ぐらいじゃないかな」

3倍?そりゃ、羨ましい……。

■慶大1年のときに芸能界入り

さて、東京生まれ、神奈川育ちの小出さんは、慶応義塾大学1年のとき、オーディション情報誌に応募したのを機にスカウトされ芸能界入り。05年、映画「パッチギ!」で正式デビューするやすぐに注目され、ドラマ「ROOKIES」「JIN-仁-」(TBS系)、「梅ちゃん先生」など人気作で活躍した。

「『ROOKIES』の共演者への思いは強くて、他人と思えない。ずっと活躍している人が多いので刺激を受け、また一緒にできるようがんばろう、と思っています。主人公・梅子の兄を演じた『梅ちゃん先生』の世界観もすてきですよね。撮影が9カ月と長かったので、梅子一家を演じた方々とは、いまだに家族のような気持ちが残っています」

17年、突然のスキャンダルで活動休止に。都心を離れ、とある施設で掃除や畑仕事をして謹慎生活を送った。

「振り返ると、当時の自分のおごりが招いた結果だったんだな、と感じています」

(取材・文=中野裕子)

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