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佳境を迎えている朝ドラ「虎に翼」現場で台本遅れの「緊急事態」か
伊藤沙莉が主演を務めるNHK朝ドラ『虎に翼』の評判が高い。特に女性からの人気が高く、視聴率は18%を超えることも。現在は、ヒロインで裁判官の猪爪寅子が新潟から再び東京の裁判所に戻り、岡田将生が演じる同僚の星航一と再婚に向かう心情と様子が描かれている。まさに佳境を迎えているところだが─。
【写真】総額20万円の“勝負服”で18歳年上カレとのデートを楽しむ伊藤沙莉
「実は、台本が完成するペースが遅れているんです」(NHK関係者、以下同)
最終回は9月27日の予定。台本の執筆は撮影と並行して進めているので、そこまで早く完成させなくても問題ないが、それにしても遅れているのだという。
「以前なら、台本が多少遅れても、夜中遅くまで収録して翌朝からまた撮影といった具合に、現場で取り戻すことができました。でも近頃は“働き方改革”が徹底されて、撮影現場で無理ができなくなっているのです」
予定どおりに台本ができあがらないと、収録スケジュールが押してしまい、想定していた時期にクランクアップできない、なんてことになりかねないのだ。
ノベライズ本の発売も延期に
「出演者の中には、すぐに次の仕事を入れている人もいるでしょうし、局内のスタジオを占有し続けることも許されません。クランクアップに間に合わないなんてことになったら大ごとですよ」
“台本遅れ”の影響は別のところにも出ているという。
「台本を小説化したノベライズ本が出版されているのですが、その下巻の発売が8月下旬から9月9日に延期されたのです。台本が最後まで書き上がらないと小説化のしようがありませんから、延期せざるをえなかったのでしょう。台本が遅れると同じセットでの“まとめ撮り”ができないなど、撮影現場にも当然、影響が出ます。これ以上、遅れないといいのですが……」
遅れている理由を端的にいえば脚本家の執筆が遅いせい。なぜ遅いのか、テレビ誌ライターが教えてくれた。
「今回の朝ドラは、テーマが非常に多岐にわたっています。しかも女性蔑視、同性愛、戦争責任、朝鮮人差別など、難しいものばかり。そういった困難なテーマとエンタメが見事に両立している稀有な作品だといえると思います」
脚本家は「仕事は思うように進まない」
脚本家は吉田恵里香さん。朝ドラの脚本担当としては、若手の36歳だ。実際、猛勉強しながら台本を書いているそうで、《仕事は思うように進まないですね》とインタビューで答えている。
《主張とエンタメの両方を全力でやっていると、ラクになりたいと思うときも正直あります。でもやっぱり諦めたくないんです》(NHK出版『ドラマ・ガイド』より)
期待の脚本家が懸命に頑張っているのだから、多少の遅れは許されているのだろう。ただ、クランクアップに間に合わないのは、やはりまずい。NHKにこの件を問い合わせると「制作過程の詳細についてはお答えしておりません」との回答。
ノベライズ本を出版するNHK出版に発売日の再延期の可能性を聞くと「9月9日を予定しています」とのこと。
2022年の朝ドラ『舞いあがれ!』では脚本家の負担を減らすために、制作途中で脚本家を2人追加するという緊急のテコ入れをしたが、『虎に翼』の放送は残り4分の1を切っている。現在の脚本家が1人で頑張るしかないのだ。主演の伊藤沙莉もきっと、脚本家の孤軍奮闘を見守っていることだろう。
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