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元HKT48・兒玉遥が過酷な体験告白 在籍中にうつで体重20kg増加
うつ病を乗りこえて「自分の心を守ろう」と固く決意する兒玉遥さん(撮影:今井康一)
2024年7月で、芸能生活が14年目を迎えた兒玉遥さん(28)。
今秋にはNHK連続テレビ小説『おむすび』で自身初の朝ドラ出演を果たすなど、女優として躍進を続けている。
しかし、今浮かべる笑顔とは裏腹に「うつ病」で苦しんだ過去もある。14〜22歳の約8年を過ごした、福岡県福岡市を拠点とするアイドルグループ・HKT48の在籍当時には、自分を追い詰めてしまった。
2011年7月に加入したグループでは、1期生のエースとして期待されながらも2度の休養を経験。2019年6月のグループ卒業から6年目、周囲が支えてくれたその復活劇をひもとく。
*この記事の前編:朝ドラ女優・兒玉遥さん、うつのどん底で見た景色
初めての休養は「焦り」しかなかった
憧れの先輩たちに追いつこうと、必死だったHKT48時代。約8年のアイドル生活では“理想と現実”のギャップにさいなまれた。
努力を重ねても「憧れの先輩たちと違う……」とのジレンマは、拭いきれない。グループの顔となるシングル表題曲のセンターを託されても、48グループの「選抜総選挙」で念願の“選抜入り”を果たしても、自分を認められなかった。
グループ加入から6年目、2017年2月には医師のすすめで初めての休養を決断。
しかし、本意ではなく「早く仕事に戻りたかった」と打ち明ける。
20歳で訪れた、ドクターストップによる約2カ月の休養期間。自身が抱える心の問題でありながら「自分でも状況がよく理解できていなかった」という。
「いつになったら復帰できるのかと考えてばかりで、焦っていました。そのせいか、夜も寝付けずにうまく休めなかったなって。横になっても『明日が来るのが怖い』と思い、生きているのに『なんだろう、この毎日は……』と、むなしさしかなかったです」
当時は、人生の「ゲームオーバー感」がひとしおだったとも。
1日でも早く復帰しなければ「自分の居場所がなくなってしまう」と焦った兒玉さんは休養からわずか2カ月、2017年4月には活動を再開する。
しかし、心が不安定なままでの復帰で、無理がたたった。
唯一心が解放された食事で体重「20キロ」増
アイドルのステージに復帰しても「社会で生きていく自信」を失ったままだった。眠れぬ夜は続き、満足に頭も体も働かない状態では、自分のパフォーマンスにも納得できない。
毎日「涙が溢れてくるし、苦しいし、仕事には行きたくないし……」と葛藤を抱えたままの活動で、兒玉さんは絶望を噛み締めていた。
当時は「生きているけど、なんだこの毎日は」と思ってばかりだったという(撮影:今井康一)
苦しさを抱えたままの日々で唯一、幸せを感じられたのが食事だった。
しかし、1キロもある大容量のクリームチーズにハチミツを大量にかけていっきに食べるなど、食生活は荒れるばかり。
約半年で、体重が「20キロ」も増えた。
「ビジュアルへのコンプレックスがあったので、痩せたいとは思っていました。でも、歯止めがきかなかったんです。うつ病だったのに、ご飯のおいしさは感じられて。おいしいものを食べているときだけは、心が解放されていました」
21歳となって、もう何もかも限界だった。
そんな兒玉さんに対して、スタッフは「ゆっくり休んで。はるっぴ(兒玉さんの愛称)が戻りたいタイミングで、声をかけてくれればいいから」と提案。その心意気には「優しさ」を感じたという。
田舎町で「縛られた小さな世界」から離れて
2017年12月からの、再びの休養はドクターストップによる初めての休養とは違った。「自信がなく、仕事も続けられないと自分で認めた上での決断だったので、とことん休めました」と兒玉さんは笑う。
2度目の休養では「心理カウンセラー」などの資格も取得した(撮影:今井康一)
ごく普通の「健康的な生活」を送るために、兒玉さんは地元の福岡県から離れて、宮崎県の田舎町にある祖母の自宅へと身を寄せた。
「町で暮らす人たちにはそれぞれの生活があり、みんな、精一杯生きていると知ったら『案外、他人は自分を気にしていない』とわかったんです。人気が数字で評価される世界で必死に生きようとしていたけど、違う価値観にふれたら、気分もラクになって。活力が湧いてきたので、運転免許や資格をとりました」
アイドルの世界は一見、華やかに見える。しかし、物事には光と陰があるのも真理だ。14歳から駆け抜けてきた世界から一時的に離れた兒玉さんは「縛られた価値観の小さな世界で生きていた」と悟った。
昨今、精神面での不調を理由に、アイドルが活動休止するケースも目立つ。アイドルとうつ病、いずれも経験した兒玉さんは「アイドルは特殊な仕事」と達観する。
「14歳でアイドルになった私のように、社会人経験もなく、大人の世界に飛び込むと大きなプレッシャーもかかると思うんです。握手会の売り上げやSNSのフォロワー数に基準はなく、数字を周囲と比較される環境ならではの負荷もあって。本来は『元気にそこへ立っているだけで、人を笑顔にできる仕事』のはずなのに、私は、それすらも気づけなかったです」
うつ病を明かした今「しっかり歩いてこられた」
2019年6月のグループ卒業後、22歳で女優へと転身した。理由は「自己表現が好き」という思いが残っていたからだ。
事務所移籍の話も受けて「道は絶たれていない」として、再スタートを決断。今や、晴れやかな表情で「うつ病を明かせるようになり、しっかり歩いてこられた自信も湧きました」と語る。
うつ病だった自分を「認められるようになったから公表できた」と吐露(撮影:今井康一)
理想が高すぎるあまり、自分を追い詰めてしまった経験も糧に。
今は「目標を達成できるかに縛られず、毎日の過程を楽しむほうが幸せ」とほほえむ。
再び、笑顔を浮かべられるようになった背景には、家族の存在も大きかった。うつ病で苦しんでいた当時、常に明るく振る舞っていた母は「泣いている私を見て、そっとしておいてくれた」とも。
自身の経験をたよりに、最後、兒玉さんはうつ病の当事者や見守る家族へのメッセージを残してくれた。
「うつ病にかかった本人はもちろん、寄り添っている方々もきっと辛いと思うんです。元気だった方がある日、急に無気力で何もできなくなってしまったら、心配になるのも当然ですし。でも、苦しんでいる本人は過度に気をつかわれると『迷惑をかけている』と思って、より自信を失ってしまいますし、いつもと変わらずにそっと、自然に接してもらえたらと思います」
*この記事の前半:朝ドラ女優・兒玉遥さん、うつのどん底で見た景色
(カネコシュウヘイ:編集者・ライター)
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