１０日行われた第１０３回全国高校野球選手権大会の開会式で、大会歌「栄冠は君に輝く」を独唱した俳優の山崎育三郎。その歌声はネットでも大きな反響を呼び、この日、ツイッターで「甲子園」「山崎育三郎」といったワードがトレンド入り。ＳＮＳに視聴者からのコメントが殺到した。

２０２０年に放送され、ネットでも人気を集めたＮＨＫ連続テレビ小説「エール」。前回東京五輪の「オリンピック・マーチ」など、数々の名曲を残した作曲家、古関裕而さんと、妻で歌手として活躍した金子（きんこ）さんをモデルに、音楽とともに昭和を駆け抜けた夫婦の絆を描いた同作で、山崎は、主人公・古山裕一（窪田正孝）の幼なじみで歌手の佐藤久志役を熱演した。

同年１０月３０日に放送された「栄冠は君に輝く」では、裕一が書き上げたこの曲を野球場のマウンドで久志がアカペラで歌う場面があった。このシーンは多くの視聴者を感動させ、この日、ツイッターでは「栄冠は君に輝く」がトレンド入り。「鳥肌もんやった…」「思わず目頭に熱いものが込み上げてきました」「エールで何度泣いたかな。栄冠は君に輝く、本当に名曲中の名曲」などのコメントが殺到した。朝ドラの後に放送される情報番組「あさイチ」（ＮＨＫ総合）でもこのシーンは話題となり、冒頭で、当時ＭＣを務めていた近江友里恵さんは目に涙をいっぱいため「本番前に…これを見るのは…つらい。涙が…」とコメント。両手で顔に風を送る仕草で、ドラマの感想を述べた。

そのシーンがまさに“現実化”した今回の独唱。山崎は白いシャツにグレーのズボンという格好で、マイクを握り、マスクをつけた球児たちの目の前で「栄冠は君に輝く」をフルコーラスで熱唱した。多くの視聴者がかっての名場面を思い出し、ツイッターには、「一瞬、久志が戻ってきたと思っちゃいました。山崎育三郎さんお見事でした」「いっくん、いや久志が甲子園で栄冠は君に輝く歌ってて胸熱」「久志の歌よかった…エール思い出しちゃった」「やっぱり、プリンス久志の『栄冠は君に輝く』は最高」「久志の声、泣けてきた」「エールだ！エールだ！久志だ！高校球児、頑張れー」「久志、久志！毎回歌ってよ！感動」といった感想が続々と寄せられた。

「エール」では、戦後、久志が行方不明になった。裕一は彼を探して地元の福島県に向かい、彼の実家で久志を見つける。久志は、自身が戦時歌謡を歌ったことで、敗戦後、父親が周囲から悪口を言われ、自分が選んだ道が父親を苦しませたと自身を責めていた。さらに戦後の農地解放で実家の土地や財産を失い、その父親が亡くなってからは、生きる気力をなくし、酒とバクチに明け暮れる荒んだ生活を送っていた。

裕一は、久志に戦時歌謡を歌わせた責任は自分にあると感じ、劇作家の池田二郎（北村有起哉）にこれを相談。池田は闇市にいる久志の様子を見に行き、後日、久志のために詞を書き上げる。裕一がそれに曲をつけ、久志の復帰作「夜更けの街」が完成した。久々のレコーディングで、久志は緊張を見せるが、見事に歌い切り、その歌声で裕一らを感動させた。

数日後、久志を訪ねた裕一らはその姿に愕然とした。立ち直ったかに見えた久志がまたもや泥酔していた。久志は「夜更けの街」を歌ったのは借金を清算する金が必要だったからだと言い放った。久志の歌った「夜更けの街」に心を揺さぶられた裕一は「栄冠は君に輝く」を、あらためて久志に歌ってほしいと強く願うが、大会本部の新聞記者、大倉憲三（片桐仁）は、愛国歌謡の印象が強い久志の起用に難色を示す。しかし、裕一は「他のどの歌手よりも彼が向いている」と頭を下げ、懇願した。

この仕事を断るつもりで古山家を訪れた久志。その理由について「同情されたくない」と音に話すが、音は「裕一さんは久志さんのこと歌手として心底信頼している。同情なんかじゃないよ」と説得した。それでも久志は「今の自分にはこんな希望にあふれた歌は歌えない」と躊躇。裕一はそんな久志を甲子園球場へと誘った。

グラウンドに入った裕一は、作詞をした多田良介（寺内崇幸）は、足をケガして切断し、甲子園をあきらめるという絶望を経験したからこそ、あの詞を書くことができたと説得。そして「君も絶望を知っている。その原因を作ったのは僕だ。戦時歌謡に君を誘った」と謝罪し、「久志、キミなら歌える。キミじゃなきゃだめなんだ！」と訴えた。久志はゆっくりとマウンドに立ち、アカペラでこの曲を独唱。球場に久志の歌声が響き渡るこのシーンは多くの視聴者の涙を誘った。

山崎は７日、サンケイスポーツ（電子版）に「出場する選手の皆さん、コロナ禍で戦う皆さんへのエールを届ける思いで歌いたい」というコメントを寄せていた。 外部サイト 東京五輪開会式後に「エール」総集編を放送！朝ドラファン興奮「タイムリー過ぎて震えてる」 ＴＢＳ「プロミス・シンデレラ」で朝ドラ「エール」渋滞中？二階堂ふみ×松井玲奈、さらに金子ノブアキも…ＳＮＳ「森七菜来い！」の声 朝ドラとは一転“ダーク”な五代様も視聴者には好評「青天を衝け」ディーン・フジオカにファンメロメロ 「山崎育三郎」をもっと詳しく

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