ポーカー賭博だけじゃない別の疑惑も出てきた。ユーチューブ上の人気チャンネル「令和の虎」に出演していた大物経営者や人気ユーチューバーらに賭けポーカー疑惑が浮上し、一部が違法行為を認め、大ごとになっている。さらに別の疑惑も取りざたされ、騒動は拡大必至だ。

賭けポーカー騒動の発端はネット上に投稿された収支一覧を示したＬＩＮＥのやりとりの写真だ。

「１０月精算〇〇（実際はニックネーム）＋５５９００〇〇くん−１９８００（済）」などと名前とプラス、マイナスの数字が書き込まれ、「立場がある人間なら海外でポーカーしようよ」と書き込まれた。ほかにも「１１月精算分」や名前が伏せられた２０人以上の賭博参加者リストも流出した。

これを受け、人気カードゲーム通販「晴れる屋」経営者で、人気ユーチューバーのトモハッピーこと齋藤友晴氏が１５日、ユーチューブ上で「違法行為と分かっていながら、遊んでしまった」と謝罪した。すると全国に４００校舎以上を展開する人気学習塾「武田塾」を運営する「Ａ．ｖｅｒ」の林尚弘社長もツイッターで「賭けポーカーは事実です。教育事業を行う者として、受験生の大事な時期にこのような騒ぎを起こし、大変申し訳なく思っている」と塾長と代表取締役社長の辞任を発表した。

ほかにも人気経営コンサルタントの植本涼太郎氏はツイッターで、賭けポーカーに参加していたことを認め、謝罪。また金正恩朝鮮労働党総書記のそっくりさんで知られる人気ティックトッカーのぷりん将軍は「誘われたが、断った」と賭けポーカーに参加していなかったものの、場に同席したことがあると明かし、無期限の活動休止を表明した。

ネットで炎上したのは、違法賭博に参加していたのが「令和の虎」の出演者が多くいたためだ。「令和の虎」は２０００年代前半に放送された人気テレビ番組「マネーの虎」を株式会社モノリスの岩井良明会長がリバイバルさせ、登録者数４０万人を超える人気番組だ。

出資を求める志願者に対し、「虎」と呼ばれるカネを出す経営者らが審査し、徹底的にダメ出しするのがお約束。最近は元２ちゃんねる管理人のひろゆき氏が虎側で出演し、１００万回再生超えで話題となったばかりだった。

違法賭博は昨年秋から今年に入って、都内のマンションで、主に深夜から朝方にかけ、定期的に行われ、数十万円単位のカネが動いていたとみられる。参加者は賭博罪に問われ、単純賭博罪なら５０万円以下の罰金または科料、常習賭博罪なら３年以下の懲役に処される可能性がある。

現行犯逮捕が鉄則ともいわれるが、過去には黒川弘務・元東京高検検事長が賭けマージャンをしていたことが週刊誌報道された時には、市民団体からの告発を受け、検察審査会を経て、単純賭博罪で罰金２０万円の略式命令を受けた。また大相撲の力士２人が昨年９月に裏スロット店に出入りしていた単純賭博容疑で先月に書類送検されている。

事情を知る関係者は「番組に出ていた経営者の１人が虎や番組側とモメたのが発端とみられています。次々と内部情報が暴露され、賭けポーカー以外にも虎メンバーによる買春、不倫疑惑も出てきた。違法行為を認めていない虎もまだいて、虎同士で内紛みたいなことにもなっている」と、関係者は戦々恐々としているという。

一方で、番組に出演していた“青汁王子”こと起業家の三崎優太氏はこの日、自身の関与を完全否定するなど、賭けポーカーに不参加の虎は大迷惑を被っているようだ。

番組を主宰する岩井氏は配信停止を発表した上で「問題を起こした虎の方々には今後、ご出演をお断りする旨を通告しました。最終的にどうなるかは想像もついていない。皆さんを裏切らないような形で精進していきたい」と話したが、“令和の虎”が起こした騒動はまだ序章かもしれない。

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