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退職相次ぐ男性アナウンサー「不遇の時代」到来の背景にある4つの理由

退職相次ぐ男性アナウンサー「不遇の時代」到来の背景にある4つの理由

ここのところ男性アナウンサーの退職が相次いでいる。テレビ朝日の富川悠太アナ、日本テレビの桝太一アナ、フジテレビの福原直英アナなど、各局の看板男性アナが次々と局アナを辞める決断をしている。

「女性アナには年齢という“ガラスの天井”が存在しているから早めにフリーになるケースが多いが、男性アナはじっくり専門分野で実力をつけて局内で出世コースを狙うケースが多い」というのが、かつて業界内でよく言われた構図であった。

しかし、いまや看板男性アナも積極的に退職を選ぶ時代になりつつある。その背景には何があるのか?

簡単に言えば「男性アナ不遇の時代」が到来しており、ベテラン男性アナも退職を選びたくなるような状況になっているということができると思う。その理由を4つに分けて説明していこう。(テレビプロデューサー・鎮目博道)

●激減する「スポーツ実況」

理由(1):番組の変質により「これまで培ってきた実力」が求められなくなった

まず最も大きいと思われるのが、「テレビ番組の変質」という要因だ。

ここのところテレビ番組が大きく変革を求められている中で、男性アナのいわば「生命線」でもある「長年かけて培ってきたアナウンサーとしての実力」があまり求められない状況になってきてしまっているのだ。

この変化は主に男性アナの「主戦場」とされるスポーツ番組とニュース番組で起きている。

まずスポーツ番組。かつては「野球」「プロレス」などの中継番組がテレビの花形とされ、その実況を担当するアナウンサーはまさに「男性アナたちの憧れの的」であった。

ゴールデンタイムの看板番組は巨人戦。その視聴率は文句なく同時間帯のトップを飾るキラーコンテンツという時代が長く続いた。

「スポーツ担当アナ」たちは野球やプロレスなどの実況の腕を磨き、熱心に勉強した。実はスポーツの実況をするには血の滲むような超人的な努力が必要だ。

オリンピックを見ていてお感じになった方も多いと思うが、スポーツアナたちは瞬時に間違えることなく選手たちの「技」などを見抜き、アナウンスしなければならない。

さらに、それぞれの選手の特徴や、これまでの選手としての経歴などを把握して、その情報も実況に入れつつ、解説者に適切なタイミングで的確な質問もしなければならない。

これをきちんとできるようになるには驚くほどの準備・勉強と実務経験の積み重ねが必要だ。

しかし、今や地上波テレビにはスポーツ番組はほとんどなくなってしまった。ゴールデンタイムでの野球中継はほぼ皆無。それ以外のスポーツ中継も、そのほとんどが「DAZN」などのスポーツ専門の有料配信に移行してしまった。

せっかく長年にわたって磨いた「実況の腕」も、肝心の放送枠がなければ発揮する機会はないのだ。

●ニュースの出演機会も減る

そしてニュースの世界でも同じような事態が起きている。

かつて報道担当の男性アナたちは「事件現場からのレポート」や「スタジオでの正確なニュース読みとMC」を担う主役であった。当然のことながらレポートやニュース読み、MCができるようになるにはスポーツ実況と同じような長期間の勉強と実務経験が必要となる「職人の領域」だ。

しかし、ここのところニュース番組でも男性アナたちの活躍できる領域が狭くなるような変革の波がいくつか起きている。

まずは、現場からのレポートが非常に少なくなった。コロナ禍の影響や予算削減が主な要因だ。お金がかかり多人数のスタッフが移動しなければならない「現地からのアナウンサーの取材レポート」から、費用も安く感染機会も減る「スタジオでのボードを使った解説とトーク」中心へとテレビニュースの主流が移行してきている。

こうなれば「現場百回」のベテラン報道アナは必要ない。ボードを使ったスタジオの解説なら、女性アナや若い男性アナがやったほうがテンポ感やスタジオの出演者のバランス上も良いと演出側は考えてしまう。

さらに、何かニュースが発生した時の「現場からの生中継」も、わざわざ東京からアナウンサーを送り込むのではなく、現場にいる担当記者がおこなうケースが増えている。記者たちも近年は中継の教育などをちゃんと受けているから、そのほうが安いし十分なのだ。

さらに、最近ではニュース番組のMCも、ジェンダー平等などの観点から女性が増えてきた。女性タレントや女性アナがメインのニュース番組が非常に多い。

しかもここのところ、アナウンサーではなく記者経験のあるジャーナリストが担うことも増えてきた。欧米でいう「キャスター」とか「アンカーマン」のイメージに近いものが求められるようになってきたということだろう。

自らもニュース取材の経験を持ち、それを元にニュースを分析・解説したり自分の意見を表明できる「記者出身者」のほうがアナウンサーよりも良い、という考え方が次第に定着してきている。

こうして、報道畑の長いベテラン男性アナウンサーたちは、次第にその活躍の場が少なくなってきているのだ。

●バラエティ需要はさらに減少

理由(2):そもそも「女子アナ優位」だったバラエティの予算削減で…

先ほど私は「男性アナの『主戦場』はスポーツ番組とニュース番組だ」と書いた。それはもともとバラエティ番組では、女性アナウンサー、いわゆる「女子アナ」が優位だからだ。

日本のバラエティ番組では男性タレントがメインとなるものが多く、おのずとバランス的な考え方から、アシスタント的な役割をするアナウンサーは「若い女性」のほうが良いと考えられてきた。結果、女性アナは男性アナよりも、入社すぐから活躍することが多い。

ということで、日本のバラエティ番組の典型的な座組みはこれまで次のような形の番組が多かった。

・メインの男性タレント
・アシスタントの「女子アナ」
・ゲストの男女のタレント複数名(いわゆる雛壇)
・コーナーなどの進行をつとめる男性アナ

人気や知名度がある男性タレントなどの「冠番組」では引き立て役の「女子アナ」がアシスタントをつとめ、ゲストに可愛かったりイケメンだったりする若手のタレントや芸人たちを呼んで「視聴率」を積み上げていく。

そしてそのゲストたちの参加するコーナーをうまく「取り仕切る」形で男性アナがサブ進行として部分参加する、というあたりが定番の座組みだった。

しかしここのところのテレビ業界の不況と予算削減で、バラエティ番組は少し出演者のギャラを削減する必要に迫られるようになってきた。するとどういうことが起きたか?できるだけ雛壇のタレントを削減しなければならなくなったのだ。

そこで制作側は何を考えたかというと、可愛い女性タレントの“枠”を、出演料のかからない自局の「女子アナ」で埋める、ことを考え始めたのだ。

そうなれば、コーナー進行はその「女子アナ」にやらせればいいということになる。結果、もともと「女子アナ」が多かったバラエティ番組から、いっそう男性アナの「出演枠」が減ることになってしまったのである。

●ベテランアナは視聴者からも求められない?

理由(3):テレビ業界で進む「若返り」を求める強い圧力

ここまで「スポーツ番組・ニュース番組・バラエティ番組」それぞれで男性アナが「必要とされなくなってきた」理由を説明してきたが、それをさらに後押ししているのがここ数年で始まった「個人視聴率への評価基準の移行」とコアターゲットである若者層に向けての「テレビの若返り」を求める声である。

いまベテランタレントの出演する番組が次々と終了したり、終了はしないまでもベテランタレントの「卒業」が相次いでいる。

これは、テレビの評価基準が「世帯視聴率重視」から「個人視聴率重視」に移行したことに伴い、「お年寄りにいくらテレビを見てもらっても仕方がない」「若い視聴層に向けた番組作りをしてほしい」という広告主側からの強い要望があるからだ。

これとまさに同じことがアナウンサーの起用に関しても起きている。同じように出演させるならできるだけ若者に受けが良い若いアナウンサーにしたい、と番組制作サイドも広告主も考えがちだ。となればいくら技術的に高くてもベテランアナには次第に「活躍の場」は与えられなくなってくる。

フジテレビが最近「早期退職」を大々的に募集して話題になった。そしてそれに多くのベテランが応募してさらに話題になった。これはまさにこうした流れを象徴的にあらわしている出来事だと捉えるべきだろう。

かつて女性アナだけに言われることが多かった「若いうちが華」とか「年齢というガラスの天井」が、男性アナにも当てはまるようになってきたのである。

いくらアナウンサーとして経験と実力を高めても、出演機会がどんどん減り、しかも「若いほうが価値が高い」とされてしまっては、アナウンサーを辞めようと考える男性アナが増えても仕方ないのではないか。そしてさらにそれを追い打ちする事態が発生してきている。

●「管理職」になるメリットも薄く

理由(4):「テレビ局で出世すること」の魅力低下

アナウンサーは男女を問わず一般的に「仕事ができる人」が多いと私は思う。卓越したコミュニケーションスキルや対人関係の上手さと、瞬発力や対応力、学習能力。どれを取ってもビジネスマンとして優秀であることが保証されていると言って良い。

だからかつて男性アナたちは、よしんばアナウンサーという職を辞めても、放送局内に留まり、別の部署で優秀なテレビマンとして頭角をあらわし出世する人が多かった。

しかし今やどうだろうか、放送局で相次ぐ不祥事と、マスコミ不信や世間からの冷たい視線。テレビ局で出世したところで大変なだけで、あまり魅力的な仕事ではないのだ。給料もいまだに高いとはいえ、かつてよりはずいぶん下がっているし、今後もまず上がる見込みはないだろう。もはやテレビは「斜陽産業」であることは隠しようのない事実だ。

であれば、優秀な男性アナたちはわざわざ局内に残る必要はない。その優秀なスキルを利用して、自分がやりたいことをやれば良いのだ。

ということで、ここのところ各局で看板男性アナたちの退職が相次いだ背景、おわかりいただけただろうか?

退職を発表したいずれの男性アナも、非常に高い能力を持つ人物たちなのは間違いない。ぜひ、今後さまざまなフィールドで存分に活躍されることを期待したい。

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