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キンコン西野、4月予定のプペル美術館が建築中止に 支援者に返金も

キンコン西野、4月予定のプペル美術館が建築中止に 支援者に返金も

直撃取材に応じる西野。淀みない話しぶりに、計画失敗の焦りは一切感じられなかった

大阪府との県境に位置する兵庫県川西市。古くから大阪のベッドタウンとして人気があり、豊かな自然も残されたこの町の一角を歩くと、突如として妙に広い取り残されたかのような空き地が現われる。

「この土地は、キングコングの西野亮廣さん(41)が、『えんとつ町のプペル美術館』を造るといって買い上げたものです。でも、工事が始まる気配はいっこうにありませんねえ……」(近隣住民)

西野といえば、オンラインサロンや自身がプロデュースする絵本『えんとつ町のプペル』に関連するビジネスで大きく稼いだ、芸人YouTuberの成功例とされている。

「西野さんはキングコングの活動が軌道に乗り始めた2005年ごろから、すでにお笑い以外にも活動の幅を広げていました。なかでも力を入れていたのが絵本の制作です。

そして、絵本の売り上げを増やすための方法論や、広告収入の稼ぎ方など、独自のビジネス理論を発信してファンを獲得していきました。

彼が運営するオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』は、最盛期で約7万人の会員を集め、会費は月額980円。

これだけでも相当な収入ですが、それに加えて絵本『えんとつ町のプペル』は69万部のベストセラーに。さらに、同作が映画化されると、観客動員170万人を記録するなど、その成功ぶりは生半可なものではありません」(芸能記者)

西野が冒頭の川西市の土地を『プペル美術館』建設のために買い上げたのは、2018年から2019年にかけて。土地の総面積は355坪にも及ぶ。

「西野さんは『プペル美術館』の建設費用の一部として、6000万円をクラウドファンディングで集めました。この“ファンからお金を集める”という手法は、西野さんがよく使うものですが、しばしば『信者ビジネス』などと批判されています。

たとえば、今回の出資者に対しては、リターン(見返り)として『子供100人を無料招待する権利』や『西野が目を見てお礼を言う権利』などという、普通では配当とは思えない項目が並び、ファンの熱心さがわかります」(同前)

賛否はあれど、斬新な手法で次々と成功を収め、『プペル』というコンテンツを成長させた西野が、次のビジネスにと考えているのが、この『プペル美術館』の設立というわけだ。ちなみに、川西市は西野が生まれ育った場所でもある。

クラウドファンディングで掲げられていた美術館のオープン予定日は2022年4月。無料招待のリターンについては“オープン後のいずれかの日程”と注釈があるものの、告知されていた予定日が迫っても、実際は件の土地はいまだ更地のままなのだ。

西野のオンラインサロンで熱心に活動している参加者の一人が、事情を明かしてくれた。

「じつは、あの土地に美術館を建てる計画は、中止になったんです。もともと住宅街の中にある土地なので、私たちも心配していたんですけどね…。

西野さんは川西市内の別の場所に美術館を建てようと思っているみたいです。新しい場所というのがどこなのか、いまある土地はどうするのかといったことは、私たちには全然わかりません」

そうなると、クラウドファンディングで集まった6000万円の行方が気にかかる。美術館は“別の場所”に本当に造られるのかーー。

3月中旬、自宅に帰ってきた西野本人を直撃した。

ーー美術館の計画は白紙になったのでしょうか?

「いや、いや、造る順番を変えたんです。延期とかではないんですけど、あの場所には先に『えんとつ町のアパート』を造るんです。あの場所は道が狭いので、美術館は市内の少し離れた別の場所に建てます」

ーークラウドファンディングで集めた6000万円はどうなったのでしょうか?

「あの土地を購入するのに使いましたよ。サロンのメンバーに、建設が遅れていることは伝えてありますが、クレームとかは来てないですね」

西野の運営する事業会社にも問い合わせたが、「リターンの遅延につきましては、支援者の方に対して状況をご説明・謝罪し、希望者の方への返金対応も実施済みです」との回答だった。

『えんとつ町』で大きな夢を見るのもいいが、少しは足元の計画も顧みたほうがよさそうだ。

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