「ポーラテレビ小説」（TBS系）、「ライオン奥様劇場」（フジテレビ系）といえば、昭和から平成にかけて平日の昼時に主婦層をターゲットとして放送されていた「昼メロ」。1988年に放送された高木美保（59）主演の「華の嵐」（フジ系）は平均視聴率が16％を超え、高木が演じるヒロインが口にする「ごきげんよう」は流行語にもなった。

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その「昼メロ」が密かに復活した。4月から始まった情報番組「ポップUP！」（フジ系）で放送中の「昼上がりのオンナたち」。5月20、27日、6月3、10日の全4話（午後1時半ごろスタート、いずれも金曜日）と限定的なものだが、実に濃厚なメロドラマに仕上がっている。

■テーマはリアルな体験談に基づいた主婦の不倫

副題に「禁断の愛を描く大人のドラマ」とあるように、テーマは“主婦の不倫”。第1話の冒頭では、4人の30代の主婦がカフェに集まり、マッチングアプリを利用した不倫について語り合う。「今さら知らない男の人と……あり得ない」と否定的な1人に向かって、もう1人が、「じゃあ（私たちは）このまま一生誰にも抱かれなくてもいいってこと？」と、投げかける。すると「あり得ない」と、語っていた主婦は帰宅すると、だらしない体つきの夫や会話をしようとしない娘のために日々主婦業に追われる自分の現実を改めて突きつけられ、衝動的にマッチングアプリに登録。不倫に走るというストーリーが展開される。

「ありきたりな話ではありますが、このドラマは最後に『このドラマはリアルな体験談に基づいたフィクションです』とキャプションが入ります。つまり、『主婦の不倫なんて実にありきたりでリアルな現実だ』と語っているのです。20分弱の放送時間ですが、単なる再現フィルムではなく、映像もストーリー展開も上質なドラマに仕上がっているので、一気に引き込まれます」（フジ関係者）

それぞれのドラマで、徳永えり（34）、臼田あさ美（37）、瀬戸さおり（32）、市川由衣（36）の4人が主演している。これまで主演というより、準主役やドラマの脇で鍵となる人物を演じてきた演技派ばかりで、これもまた昼メロの主役あるあると言える。

「4人のヒロインたちが手抜きなしのディープキスや濡れ場を演じているので、子供と一緒には絶対に見られない。その昼メロらしい後ろめたさがまた懐かしくもあります」（芸能ライター・弘世一紀氏）

第1話のマッチングアプリで不倫に走ってしまう主婦を徳永が演じ、第2話では臼田が高校時代の元カレに再会。第3話で瀬戸が娘のピアノ講師である若い男性に恋をし、第4話では、市川が「リベンジ」するのだが、一体何に……？

ありきたりだからこそ描ける昼メロの懐かしさや、不倫のリアルさ、いかにも今っぽい主婦の思考が垣間見られて、結果いろいろと考えさせられるドラマになっている。際どい内容ながら、東京メトロの車内モニターで宣伝もされている。FODで見逃し視聴もできる。もしかしたらこれからブームになるかもしれない。

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