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麒麟・川島明の『ラヴィット!』が純粋に「朝からおもしろい」TBS“朝バラエティー”の開拓

麒麟・川島明の『ラヴィット!』が純粋に「朝からおもしろい」TBS“朝バラエティー”の開拓

TBSの朝の情報バラエティー『ラヴィット!』が好調だ。

【写真】全身黒!スマートでかっこいい、麒麟・川島明のプライベートショット(2010年)

麒麟・川島明と田村真子アナがMCをつとめる〈今の暮らしが10倍楽しくなるライフアイデア発見バラエティ!〉〈ニュースなし!ワイドショーなし!〉(公式サイトより)で、生活情報などを中心としたバラエティー番組だ。

“ワイドショーだったらやらない”

「制作には川島が所属する吉本興業もかかわっていて、レギュラー陣には吉本所属の、しかも今引っ張りだこのタレントが大量に出演していることも特徴です」

と、あるテレビ誌記者が言うとおり、曜日ごとのレギュラー陣には、ぼる塾、ミキ、アインシュタイン、見取り図、ニューヨーク、EXITといった、吉本所属の芸人が名を連ねる。

そこに本並健治・丸山桂里奈夫妻や若槻千夏、ギャル曽根なども加わり、日々豪華な顔ぶれでグルメやファッションなどの情報を大喜利スタイルを交えたり、ときには同局の他番組とのコラボドッキリ企画を盛り込んだりしながら、笑いと情報を楽しくお茶の間に届けてくれる。

「番組がスタートしたのは昨年の春ですが、当初は『朝からバラエティーって誰がみるのか』という否定的な意見もありました。実際、開始当初は視聴率も苦戦ぎみでした」

と、前出のテレビ誌記者。

しかし、川島の軽快な進行と適格なツッコミを中心に、出演者たちとかもし出す空気感がが〈日本でいちばん明るい朝番組〉と自称するとおり次第に浸透し、今では同時間帯の人気上位の番組に成長した。

「川島さんは番組のオファーがきたときに、“ワイドショーだったらやらない”と言ったそうです。その意向がバッチリハマり、朝でもバラエティーは見てもらえることが証明されたと言っていいと思います」(同)

『ラヴィット!』の好調ぶりについて、バラエティーや情報番組で活躍するある放送作家は、

「どの番組も、すべての人に見てもらう必要はなくて、ある程度の人が見てくれたら十分なわけです。他局のワイドショーや報道番組を見たくないなという層、朝の時間帯でもバラエティーをだらだら見ていたいという層にアピールできたことで、独壇場といっていい状況になったのではないでしょうか」

とみる。

『ラヴィット!』は純粋に「朝からおもしろい」

TBSのこの枠は、2014年まで時事問題を扱わない生活情報番組『はなまるマーケット』を放送し、高い人気をほこっていた。他局と別路線をいくのは慣れていたものの、後継番組である国分太一の『いっぷく!』に『ビビット』、立川志らくの『グッとラック!』の不振が続いていた。

「苦戦が続く中で全く違うことをやらないと、なかなか勝ち目はない。もちろんキャスティングだけでどうにかなる問題でもなく、そんななかでの原点回帰というか、思い切ったことをやるという部分はあったと思います」(同)

前出のテレビ誌記者は、

「長く続くコロナ禍の話題、ロシアのウクライナへの侵攻問題、最近の値上げ問題など、見るとつらくなる話題を取り上げる番組が多い中、笑ってそういったことを忘れられる番組は求められていたのかもしれません。リモートワークによる在宅率も高くなりました。ただただバラエティーを流せばいいというわけでなく、もちろん朝だから手抜きでもいいというわけでもない。ゴールデンでも活躍する人気も実力もあるタレントがズラリと並び、それを川島さんがさばいていく『ラヴィット!』は強いですよね」

と、番組の強みを語る。

川島の魅力について前出の放送作家は、「対応力とコメント力の高さ」をあげ「タレントのキャラクター性を重視する時代が続いてきたが、面白いものは面白いと評価される時代になった」と考察する。

なんで朝の番組に!?という攻めたキャスティングですらも、うまく拾い、うまくイジる川島。『ラヴィット!』は純粋に「朝からおもしろい」番組に成長している。

〈取材・文/渋谷恭太郎〉

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