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再ブーム? 苦肉の策? 民放各局が「カラオケ番組」を量産する唯一無二の理由 増殖する裏で漂う「閉塞感」の意味

再ブーム? 苦肉の策? 民放各局が「カラオケ番組」を量産する唯一無二の理由 増殖する裏で漂う「閉塞感」の意味

各局がレギュラーと特番で放送中

9日、2時間特番の『熱唱!ミリオンシンガー』(日本テレビ系)が放送された。その内容は、「7つのジャンルですべて高得点を出せたら100万円」「名曲を歌って本人を超えられたら100万円」という2つのカラオケ企画。プロアマ問わず多くの挑戦者が挑み、王林が100万円を獲得した。

しかし、カラオケ番組はこれだけではなく、民放各局で増殖している。今春に日曜夜のレギュラー放送がスタートした『千鳥の鬼レンチャン』(フジテレビ系)のメイン企画は「サビだけカラオケ」。これは「芸能人が名曲のサビだけを一音も外さずに10曲連続で歌い切れたら賞金獲得」という企画であり、常にカラオケ機器の音程バーが映されている。

次に『THEカラオケ☆バトル』(テレビ東京系)も同じ日曜夜にレギュラー放送中。こちらはプロアマの参加者がカラオケ機器の採点で競い、優勝者を決めていく。

カラオケ番組はその他にも、特番では『生放送で満点出せるか100点カラオケ音楽祭』(TBS系)が年2回ペース、『全日本歌唱力選手権歌唱王』(日本テレビ系)が年末1回ペースで放送中。また、外国人が日本の楽曲を歌う『のどじまんTHEワールド』も年2回ペースで放送していたが、コロナ禍を加味してか2019年で中断している。

その他のレギュラー番組でも、このところ『バナナサンド』(TBS系)がメイン企画に「ハモリ我慢ゲーム」を採用しているほか、『くりぃむナンタラ』(テレビ朝日系)も新企画「この曲のサビ歌える?クイズ!サビカラ!」を放送予定。驚くことにここであげたすべての番組が視聴者数の多いゴールデン・プライム帯で放送されている。

なぜ局をまたいでカラオケの番組が増えているのか。

ファミリー視聴を狙える番組構成

なぜカラオケ番組はこれほど増えているのか。その理由は、「ファミリー層の視聴者狙い」という一点に集約される。

2020年春の視聴率調査リニューアル以降、民放各局はスポンサーを獲得しやすい10〜40代がメインターゲットの番組制作を急速に進めてきた。そのためにまず増やしたのが、お笑いのネタ番組だったが、今やそれらはYouTubeや有料動画でも見られるものだけに、狙っていたほどの成果はあげられていない。

一方でカラオケ番組は、ファミリー視聴が見込める数少ないコンテンツとして業界内で再評価する声が飛び交いはじめていた。それを裏付けているのが、カラオケ番組で出演者たちが歌う楽曲。大半を1990年代から2000年代の楽曲が占め、その次に2010年代が選ばれている。

これらは当時がヒット曲の多かった時代である上に、親世代にあたる30〜40代にとってはド真ん中の楽曲ばかり。子ども世代にとってもキャッチーな楽曲が多く、身近なアイドルやTikTokerらがカバーした曲もあって学生層も押さえられる。

ちなみに12日のゴールデンタイムに『この歌詞が刺さった!グッとフレーズ』(TBS系)という特番も放送されるが、この編成理由も上記とほぼ同じ。この特番に限らず民放各局がファミリー層を狙うために、昭和・平成の名曲を横断的に扱う音楽特番を放送している。

千鳥やチョコプラが「もったいない」

もちろん制作サイドは「ただカラオケ番組を放送すればいい」というわけではなく、ファミリー層に見てもらうための工夫が必要。たとえば『千鳥の鬼レンチャン』の「サビだけの短い歌唱で10レンチャンを目指す」というハイテンポな構成は、いかにもせっかちになった10〜40代の視聴者に合わせたものだ。

また、出演者も知名度の高い芸人から、男女アイドル、1990・2000年代シンガー、アニソン歌手まで幅広いジャンルから歌のうまいタレントをそろえてファミリー層に対応。生存競争の激しい芸人やアイドルも、再ブレイクを狙うタレントも、「絶対に成功させたい」と本気で挑むため、緊張感を生み出すことができる。

さらに一般人からも歌のうまい子どもや外国人、プロ志望の若者などを応募だけに頼らず、スタッフが地道なスカウティング活動で発掘しているという。これは夢を追う人々をフィーチャーして、「親子そろって応援したくなる番組発のニュースターを生み出そう」という狙いもある。

ファミリー層狙いのスタンスは、MCの人選からもうかがえる。『千鳥の鬼レンチャン』に千鳥、『熱唱!ミリオンシンガー』にチョコレートプラネットが起用されているほか、前者は事実上のダブルMCとして、かまいたちも出演。この6人は親子両方に知名度の高いアラフォー世代(38〜42歳)であり、子どもたちの人気も高い。

『熱唱!ミリオンシンガー』のMCを務めるチョコレートプラネット[Photobygettyimages]

本来この6人は、トーク、ネタ、ロケに強い芸人だけに、カラオケ番組への起用は「業界的にもったいない」という声をよく聞く。それでも、バラエティのMC全体を見渡してみても、彼らは最も若い世代であり、ファミリー層をつかむために選ばれているのだ。

テレビ朝日がカラオケ番組をリード

あまり知られていないが、カラオケ番組の盛り上がりは、テレビ朝日を中心に作られてきた。

まず関心を集めたのは、90年代後半に放送された『ウッチャンナンチャンの炎のチャレンジャーこれができたら100万円!!』の「カラオケ歌詞を見ず一曲完璧に歌い切ったら100万円」。それが『史上最強のメガヒットカラオケBEST100完璧に歌って1000万円』という番組に派生して2010年まで放送された。

2010年代に入ってからは、『関ジャニの仕分け∞』の「最強歌ウマ軍団にカラオケの得点で勝てるか仕分け」で、May.Jがブレイク。さらにこのコーナーが『関ジャニ∞のTheモーツァルト音楽王No.1決定戦』という特番になって2015年〜2020年まで放送され、新妻聖子の名が世間に知れ渡った。

また、次世代スターを発掘する『今夜、誕生!音楽チャンプ』の歌唱部門でもカラオケを使った審査が行われ、2018年2月には当時、高校2年生のYOASOBI・幾田りらも出演。その他にもテレビ朝日は、2019年5月に『世界一難しいカラオケ』、2021年2月と4月に『連続チャンピオン』も放送している。

つまり、カラオケ番組は「20年以上にわたって放送され続けているジャンル」であり、少しずつルールや採点方法を変えながら制作されてきたということ。ただこれは裏を返せば、「1990年代から『出演者がカラオケ採点で競い合う』という大枠のフォーマットは変わっていない」ということでもある。長年変わっていない上に、テレビ朝日だけでなく他局がここまで増やしたことで、当然ながら飽きられるリスクは上がってしまう。

いずれもファミリー層狙いであることから、選曲や出演者の“かぶり”が生じはじめているのも苦しいところだ。事実、昨年12月22日放送の『ミリオンシンガー』に出演し、100万円を獲得したhitomiが今年7月31日の『千鳥の鬼レンチャン』にも出演していた。

もともとカラオケ番組は「誰が歌うか?」が視聴者の興味に直結するほど重要だが、制作サイドには「出てもらえる芸能人は限られていて、特に人気アーティストは難しい」という現実がある。

カラオケ番組は受け身視聴者向け

そもそもカラオケ番組はテレビコンテンツの中でも、「受け身体質の視聴者が見る」といわれるジャンル。「自分が歌うより、誰かの歌を聴くほうを選ぶ」という行動基準は、オンデマンドが発達して「やりたいことを自ら選ぶ」という時代にフィットしたものとは言いづらい難しさがある。

たとえば、音楽ひとつ取っても「自分で歌う」「自分で作る」「自分でSNSにアップする」し、聴くことに絞っても「自分でプレイリストを作って楽しむ」という人が増えた。民放各局がファミリー層を狙っても、スタッフが作ったプレイリストでは「納得できない」「聴いていられない」という人が少なくないのだ。

純粋な音楽番組ではなくカラオケ番組が選ばれているのは、「採点のハラハラドキドキ」というエンタメ要素を加えられるからだが、もはやそれでは視聴者を引きつけられなくなりつつある。

民放各局にとって何より深刻な問題は、カラオケ番組が配信視聴を狙いづらいタイプのコンテンツであること。「視聴率ベースの放送収入が減った分、配信収入を増やさなければいけない」のは各局共通の課題だが、見逃し配信や有料動画サービスでカラオケ番組を見る人は極めて少ない。

もともと配信視聴ランキングはドラマが上位を独占し続けていて、バラエティ全体が厳しい状態なのだが、20年以上前からフォーマットが変わっていないカラオケ番組はその最たるところ。そんなコンテンツに頼らざるを得ないところにテレビ業界の難しさが表れているし、どうしたらいいのか分からず思考停止しているようにも見えてしまう。

だから制作サイドは千鳥、かまいたち、チョコレートプラネットらを起用して「トークで笑わせよう」としているのだが、その構成・演出も「カラオケとトークのどっちつかずになる」「カラオケ番組のファンに不評」などの声もあり、成功しているとは言い難い。10〜40代の視聴者層を狙える上に、さまざまな形で笑いを取れる彼らをカラオケ番組から解放すること。それができなければバラエティ全般の手詰まり感は解消されないのではないか。

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