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「人と暮らせない」「食事も料理も嫌い」 女優・吉行和子が明かす「おひとりさま生活」の楽しみ方

「人と暮らせない」「食事も料理も嫌い」 女優・吉行和子が明かす「おひとりさま生活」の楽しみ方

超高齢社会である日本で、もはや当たり前となっている「おひとりさま」という生き方。人と暮らすのが苦手で、30代で離婚して以降ひとり暮らしを続ける女優の吉行和子が語った日々の楽しみ、そして「老い」との折り合いのつけ方とは――。

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【レア写真】24歳の頃の吉行和子

確かに私はひとりで生きていますけど、私の「ひとり」ってそんな大げさなものではないんですよ。ここまで“偶然”や“仕方なく”が重なって、87歳になった今でもひとりで暮らしているだけで。でも、思い返してみれば、それが必然だった気もするわね。

私の「ひとり」が決定的となったのは28歳のとき。人並みに結婚くらいしておかなくちゃと思っていたところ、所属していた劇団に、たまたま私に結婚を申し込んでくださった人がいて。そのまま入籍して共同生活を始めたんです。でも……。

「人と暮らせない」「食事も料理も嫌い」 女優・吉行和子が明かす「おひとりさま生活」の楽しみ方 吉行和子

ダメだった。家の中に人がいることに耐えられなくて、毎晩、家に帰る前に喫茶店に立ち寄って珈琲を1杯。よし、帰るぞって気合を入れ直さないと帰れなくなってしまったの。相手には何の非もなくて、完全に私の性格が原因。結局、結婚生活は4年で終わり、以降ずっとひとり暮らしで、家に友人を招くことすらありません。

「家族がいて楽しいって感覚がない」

よく、ひとりだと食事をするときに寂しくないですか?って聞かれるんですけれど、こんな性格だし、私の場合、もともと周りに人がいなかったのも大きく影響しているんでしょう。

父は私が4歳の頃に亡くなっていますし、美容師だった母は早朝から仕事にかかり切りで、子どもに構っている暇なんてなかった。そんなふうだから、家族で食事を取ったことなんて数えるくらいで、私には家族がいて楽しいって感覚がないんです。家庭を持っている人は子どもが自立していったり、配偶者に先立たれてしまったりと、楽しかったことがだんだんなくなっていくと寂しさを感じるんでしょうが、それがないからひとりであることのダメージも全くない。

食事は「最低限の栄養素補給」

だいたい私は食べること自体も好きじゃありません。仕方なく「最低限の栄養素を」と考え、ヨーグルトとかお肉や魚、野菜を食べているけれど、すべて薬だと思いイヤイヤ飲み込んでいる。コロナ禍になって苦手な料理も自分でするようになりましたが、本当に苦痛。うちには油のほかには塩、コショウ、醤油くらいしか調味料がないから、そもそもおいしくなりようがないの。毎度“なんて下手なんでしょう!”“あぁまずい!”なんて悪態をつきながら口に食べ物を放り込んでいるんですから、寂しいとかいう以前の問題です。

もう究極に面倒くさいときはバターの塊を齧るだけで済ませたり、なんてことも。バターは、小さい頃に母がよく、朝食として私と妹の枕元に塊をボトンッと置いていっていた、ある意味、おふくろの味。「三つ子の魂百まで」と言うけれど、未だにそんなものを齧っているんだから、嫌んなっちゃうわよね。

もちろん、私だって気の置けない友人たちとおいしいものを食べたりするのは好きなんですよ。ただ、ひとりでの食事や、あまり気の進まない仕事の打ち上げなんかは、栄養を取りためておく場だと割り切っているんです。

仕事が一番のごちそう

こんなふうに話すと、楽しみのない人生ねって思われるかもしれませんが、私はとにかく仕事があればそれでいい。仕事が一番のごちそうだし、現場で働いていれば機嫌がいいんです。女優は定年もありませんし、年相応の役もある。だから、いい職業に就いたと思っていますよ。嫌いな食事を取るのも、運動をするのも、すべて女優を続けたいがため。いつまでオファーがあるかは分かりませんけれど、求められる限りはね。

そういう意味では、母に似ているのかもしれません。うちの母も97歳まで現役の美容師として働いていましたから。でも、母の場合は、107歳で亡くなるまで10年近く寝たきりの生活だった。最期まで頭はしっかりしていたんですが、かえってそれがかわいそうで。

私はそれだけは嫌。仕事ができなくなったらさっさと逝ってしまいたい。

残酷すぎる現実

自宅介護だった母は冗談半分で「私にはあなたがいたからよかったけれど、あなたはどうするんでしょうね?」なんて憎まれ口を叩いていましたが、認めざるを得ない残酷すぎる現実です。

もともと私は物に執着する性格ではありませんから、アクセサリーも洋服も、舞台や映画の台本だって、ほとんど処分してしまっている。だから、もし私が死んでも遺品整理なんかでご迷惑をかけることは、たぶんない。だけど、死んだ後に誰にも見つけてもらえなかったらどうしようって、今はそれだけが心配。自分の体は事前に処分するわけにもいきませんからね。

「老い」のバロメーター

でも、すでに対策は講じてあるんです。親しくしているお友達に、毎朝1回ラインで連絡をちょうだいってお願いをしていて。昼間になってもそれに返信がなければ、しかるべきところに連絡を入れてもらうことになっている。

それから、私くらいの年齢になると、毎日、何かしらできないことが出てきますから、自分の能力を過信しないことも大事ね。いつまでも若い感覚のままでいると、思わぬケガにつながります。

私も数年前、雨で濡れた路面をヒールで歩いているときに転んでしまい、大腿骨を骨折する大ケガをしたことがありました。シャクだから、そのときに持っていたヒールの靴は全て捨ててしまいましたが、できなくなったことを受け入れることも必要です。

あと、うちでは飲料用にウオーターサーバーを使っていましたが、水の入ったボトルをひとりで持ち上げることができなくなり、蛇口に取り付けるタイプの浄水器に変えてしまいました。うんと昔に購入したパソコンも、これで原稿を書けるようになりたいって努力を続けたんだけれど、このあいだ処分。いくら練習しても、頭で考えたことをそのままタイピングするのがどうしてもできないの。紙に書き出してから打ち込むんじゃ二度手間じゃない、と思って捨ててしまいました。

そうやって「老い」と折り合いをつけている最中の現在、一つのバロメーターにしているのは、ごみ捨てです。今は週に何度か、自分でごみ袋を抱えてマンションのごみ置き場まで持って行っていますが、これができなくなったら、今の生活を少し見直さないといけません。

ひとりで生活することが困難になったときのために、介護施設選びもしているんですよ。学生時代の友人たちがわざわざ私の代わりに見学に行ってくれて「ここ最高よ!」なんて薦めてくれたこともありました。映画館や百貨店が近くにある施設の資料を取り寄せて「ここなら退屈しなそう!」とか、自分でものんきなものだと思いますが、備えておくに越したことはありません。

でも、目標はあくまでも「生涯現役」。足腰が衰えないよう、今でも1日5千歩くらいは外を歩くようにしています。

昔は海外旅行が好きで、毎年のように外国に出かけていたこともありましたが、コロナ禍でそれも難しくなった。今ではデパートに行くことがもっぱらの楽しみで、「世の中にはこんなものがあるのか」と驚きながら、運動もかねて歩き回っています。そうそう、このあいだは半世紀以上ぶりにひとりでプラネタリウムにも行ってきました。

ひとりでいると、できなくなっていくことの多さに絶望することも多い。でも、それは仕方のないこと。どうなっちゃうのだろうと、むしろ興味を持っている方がいいと思っています。

吉行和子(よしゆきかずこ)
女優・エッセイスト。1957年、舞台「アンネの日記」でデビュー。「折り梅」で毎日映画コンクール田中絹代賞を、「東京家族」で日本アカデミー賞優秀主演女優賞をそれぞれ受賞。代表作に「愛の亡霊」「佐賀のがばいばあちゃん」「おくりびと」「人生、いろどり」「燦燦」「家族はつらいよ」など。

「週刊新潮」2023年1月5・12日号掲載

「人と暮らせない」「食事も料理も嫌い」 女優・吉行和子が明かす「おひとりさま生活」の楽しみ方 外部サイト 池畑慎之介(ピーター)が語る「一人で生きる」ための秘術「知り合い」の断捨離とご近所付き合い 「天地真理」が激白「週6000円でやりくり…」【誰でも危ない老後破産】 毎年骨折、「鍋焦がし」トラブル…女優・冨士眞奈美がそれでも「独居最高!」と語る理由 「高齢化社会」をもっと詳しく

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