３０日、ＮＨＫ総合で生放送された「あさイチ」で倍速視聴が取り上げられ、ツイッターで「倍速視聴」がトレンドに入り、視聴者から大きな反響が寄せられた。

「倍速視聴」とは、テレビ番組や映画、インターネット動画を、１．５倍速や２倍速といった通常より早い速度で再生・視聴すること。この日のサブタイトルは「時短！でも体にいいの？“倍速視聴”を徹底検証」で、実際に倍速視聴をしているユーザーの声を紹介しながら、倍速視聴が人間の体や作業効率に与える影響などについて検証した。番組前半には、「映画を早送りで観る人たち」の著者、稲田豊史さんがＶＴＲで登場。かつてＤＶＤ業界誌の編集者だった稲田さんは当時を振り返り、仕事の都合で多くの映画を見なければならなかったために、やむを得ず倍速視聴していたが、登場人物の情感がほとんど汲み取れておらず、後ろめたかったと明かした。そして、倍速視聴をするユーザーが増えている要因として、「作品が多すぎる」「ＳＮＳの普及」「タイパ（タイムパフォーマンス）重視」「セリフで説明する作品が増えた」という４つのポイントを挙げた。

このテーマについて、ＳＮＳにはさまざまな意見が寄せられた。実際に倍速視聴をしているユーザーからは、「最初は違和感あったけど慣れたら倍速視聴の方が楽だし、元からある機能を使ってるだけなのに、何で悪みたいに言われなきゃいけないのか意味不明」「作品を好きなように見て何が悪いのかな？」と、批判的に見られることに反発する声があがっていた。また、「倍速視聴してたって面白かったら等速に戻す。そのまま倍速で終わるものは単につまらないと思ったもの」「内容薄いなと思ったら飛ばすか倍速視聴してるだけなので、倍速視聴に目くじら立てるより密度の高いコンテンツ作りをお願いします」など、コンテンツ次第とのコメントも散見された。

一方で、「その作品がどんなものか、理解すること、感じることは不可能」「アニメは倍速にしたら台無しだからやらない」「ハズレを引いて時間を無駄にしたくない気持ちはわかるけど、アタリの作品の初見が倍速だったら、誰より見た本人が一番残念に感じるんじゃない？」との反論も少なくなかった。

賛否だけにとどまらず、「ＹｏｕＴｕｂｅのメイク動画なんかは倍速視聴がちょうどいいけど、さすがに映画は声質も変わるし間の取り方なんかも考えられてるからもったいない気がします」「仕事や勉強にはいいかもしれないけど、映画やドラマ、アニメを倍速視聴するのは制作にかかわったひとに失礼」「（人気作品をフォローすることで）人と話を合わせないといけないという強迫観念をなくしたほうがいい」といった書き込みも見受けられた。

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