ジャニーズドラマが目白押し

今年の１月放送開始のドラマも出揃い、今クールもジャニーズの出演数の多さが目立っている。爆発的なヒットとはならずとも、ある程度のファンの視聴が見込めるジャニーズのタレントの起用は今に始まったことではないが、昨今の出演作の数には目を見張るものがある。

ファンは自担（推し）が出ていればリアタイ（リアルタイム視聴）にこだわり、なおかつTVerでの再生数が人気の指標であることを知っているため、何度も動画を回す人も少なくない。

今期、その恩恵にあずかるのがKing&Princeの岸優太が連ドラ単独初主演を務める『すきすきワンワン！』。北川悦吏子が脚本を手がけ、広瀬すず、King&Princeの永瀬廉が共演する『夕暮れに、手をつなぐ』。Hey!Say!JUMPの中島裕翔が冨永愛演じる吉宗の相手役に扮した『大奥』。SixTONESの森本慎太郎が新聞記者を演じ、江戸川乱歩の誕生秘話が描かれる『探偵ロマンス』。櫻井翔主演の『大病院占拠』。Kis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔がラブコメに挑戦する『ハマる男に蹴りたい女』。松本潤が徳川家康、岡田准一が織田信長を演じるNHK大河ドラマ『どうする家康』。秋元康が企画・原作・脚本を担当する、Hey!Say!JUMPの伊野尾慧出演のデスゲーム『ダ・カーポしませんか？』、朝ドラ『舞いあがれ！』にはSnowManの目黒蓮も登場し、関ジャニ∞の横山裕も出演中だ。WOWOWでは中谷美紀主演のサスペンス『ギバーテイカー』にSexyZoneの菊池風磨が起用され、殺人鬼を演じている。

バーターの魅力

本業である歌、ダンスはもちろん、ドラマや映画、バラエティ、キャスターまでマルチに活躍するのがジャニーズらしさであることは言うまでもなく、俳優として主演を張れるメンバーがいることもグループにとって大きな武器になる。

この事務所に所属していることの強みのひとつは、先輩のバーターとしてキャスティングされ、脇で経験を積めることだろう。

今クールでは『ハマる男に蹴りたい女』にSixTONESの京本大我、『すきすきワン
ワン！』にジャニーズJr.、美少年の浮所飛貴が出演しており、先輩と共演中だ。浮所は映画『胸が鳴るのは君のせい』、京本は主戦場であるミュジーカル『ニュージーズ』などのほか、ドラマ『束の間の一花』ですでに主演を務めており、強力な援軍となっていることは間違いない。『すきすきワンワン！』の放送は、ジャニーズのタレントが主役を務めるシンドラ枠。

バーターとして後輩がキャスティングされることがほとんどで、インタビューなどで語られる撮影時の交流エピソードを心待ちにしているファンも多い。

ちなみに前回のシンドラ『束の間の一花』ではジャニーズJr.の７MEN侍の佐々木大光がヒロイン、藤原さくらの弟に起用され、フレッシュな演技で印象を残した。

そして今期、バーターと呼んでいいのかどうか、主題歌をめぐって話題を呼んでいるのが『大病院占拠』だ。ストーリーは、日本が誇る大病院が鬼のお面を被った武装集団によって占拠され、櫻井翔演じる休職中の刑事が人質を救うために奮闘するというもの。

通常、ジャニーズドラマの主題歌は出演者が所属するグループのシングルである場合が多く、例えば『すきすきワンワン！』の主題歌がKing&Princeの『Weareyoung』、『夕暮れに、手をつなぐ』のエンディング曲がKing&Princeの『Lifegoeson』。『ハマる男に蹴りたい女』の主題歌はKis-My-Ft2の『LemonPie』といった具合だ。

しかし『大病院占拠』の主題歌を担当しているのは、メンバーがキャストには入っていないSnowMan。メンバーの深澤辰哉と阿部亮平が、櫻井翔がMCを務める『１億3000万人のSHOWチャンネル』にゲスト出演した際に、ドラマのために書き下ろしたSnowManの新曲『W』が主題歌であることがサプライズ発表され、ツイッターのトレンドにも入った。

いまいちばん数字を持っている

お面をつけた鬼のひとりがSexyZoneの菊池風磨ではないかと考察が盛り上がっており、ネタバレを避けるためにSexyZoneが主題歌から外されたという説も浮上。今後、SnowManのメンバーの誰かが鬼を演じる可能性はゼロではないが、主題歌が発表されてからの出演は意外性がないため、確率は低いのではないだろうか。

もちろん活動休止中の嵐が主題歌を担当することはできず、これまでも関ジャニ∞の大倉忠義が主演を務めたドラマ『ROMES／空港制御システム』の主題歌がTOKIOの『また朝が来る』だった例や、いわゆるジャニーズの“俳優班”である生田斗真主演のドラマ『ウロボロス〜この愛こそ、正義。』の主題歌が嵐の『Sakura』だったり、『土竜の唄』シリーズの主題歌を関ジャニ∞が担当した例もある。

しかしやはり今回、先輩である櫻井翔主演のドラマにSnowManの主題歌が起用されたことは異例と言っていい。

SnowManといえば今、CDの売り上げ記録を次々に更新しているグループ。昨年リリースされた２ndアルバム『SnowLabo.S2』のセールスがミリオンを達成。アルバムでのミリオン達成は１stアルバム『SnowManiaS1』以来となり、令和でのアルバム２作品のミリオン達成は初。しかも全国アリーナツアー『SnowManLIVETOUR2022Labo』のオーラス公演日にこのニュースが届くという最高のタイミングで、“持っているグループ”であることを印象付けた。

話題作りや視聴率のために、ドラマ『大病院占拠』が彼らの力を借りたという図式にも見えてくる。

SnowManはCDも雑誌も売れない時代に“とにかく数字を持っている”と評されるグループだ。どこもかしこも“SnowMan頼み”になるのは当然のことだろう。

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