ＮＨＫＢＳプレミアムで３日、連続テレビ小説「あまちゃん」の再放送が始まった。熱烈なファンの多いドラマらしく、早朝からリアルタイムで見ながらツイッターに投稿する視聴者が続出して「あまちゃん」がトレンド入り。なかでも方言に字幕がつく演出が注目を集めた。

現代の時代設定で、岩手県・三陸海岸沿いの架空の町、北三陸市と東京を舞台に、のん（能年玲奈）が演じるヒロイン、天野アキが、海女やアイドルとしての活動などを通して成長していく姿を描いた青春コメディー。宮城県出身の脚本家、宮藤官九郎氏によるオリジナルストーリーで、２０１３年に放送された。アキの母、春子役を小泉今日子が演じ、祖母の夏役を宮本信子が務めた。有村架純が回想シーンの春子役を好演し、その後のブレイクのキッカケとなった作品としても知られ、大河ドラマ「鎌倉殿の１３人」（２２年）の吉田照幸ディレクターが、演出陣の一員としてかかわっているのも見どころのひとつだ。

北三陸にやってきたアキが夏ばっぱと対面

第１話は、１９８４年７月の北三陸市、１８歳の春子（有村）が、地域住民の悲願だった北三陸鉄道リアス線の開通に沸く北三陸駅を発つ一番列車に乗って故郷を離れる回想場面でスタート。次の場面で時代が０７年夏に移り、同じ駅に４２歳になった春子（小泉）と、高校生の娘、アキ（のん）が降り立った。

春子を呼び戻したのは、幼なじみの北三陸駅長、大向大吉（杉本哲太）。夏が急病で危篤になったと知らせるメールを立て続けに送信していた。春子は病院に入院しているという夏を見舞いに行こうとするが、駅で春子とアキを出迎えた大吉は、観光協会や漁協へと２人を連れまわし、なかなか病院に案内しようとしなかった。そのまま春子の実家に行くと、食卓には鯵の干物が用意されており、台所では鍋が火にかけたまま放置されていた。春子は大吉の知らせが嘘だと見抜き、夏がみそ汁をつくっている途中でわかめを切らしていることを思い出して近くの海まで獲りに出かけたと推察。アキに海に様子を見に行くように指示した。

浜に出たアキは、ウェットスーツに水中眼鏡の海女が、わかめを首に巻いて海中から上がってくるのを目撃。驚くアキに獲ったばかりのウニを投げてよこしたその海女こそ、彼女の祖母、夏だった。

「方言すごすぎて字幕入った」

再放送が始まると同時にＳＮＳも沸き、「再放送うれしすぎて早起きした。わたしの青春」「今日からしばらくあまちゃんのある生活。うれしい！」「いきなり爆笑。あー、懐かしいなぁ」「こんな始まり方だっけか！」「のんちゃんかわいくてかわいくてたまらんな！」「聖子ちゃんカットの架純ちゃん〜若いしかわいい！」「鉄拳さんのパラパラ漫画懐かしい」「もう１話から面白い」といったコメントが相次いで書き込まれた。

なかでも反響が大きかったのは、北三陸の方言につけられた字幕。春子とアキが大吉に連れてこられた漁協には、長内かつ枝（木野花）、今野弥生（渡辺えり）、熊谷美寿々（美保純）、安部小百合（片桐はいり）たちベテラン海女たちが集まり、地元の方言でマシンガントークを繰り広げた。そのままでは聞き取れない視聴者が多いことを配慮してか、放送には標準語の字幕がつけられ、この演出が「何言ってるか…わからない」「方言すごすぎて字幕入った」「字幕ついてるのうける」「これは分かりやすいっ！！」など大好評だった。

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