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海の中に湧く

現代ビジネス読者の皆様、初めまして！

Web広告などで「あ、見たことある！」でお馴染みの、「フリー素材モデル」茜さやです。

どこかで見たことありますよね？

現代ビジネスで、大好きな温泉を紹介できる日が来るとは……。

第一印象はとても大事だと思うので、温泉に対しての真っすぐな気持ちを、気合いを入れてお伝えしますね！！

温泉がとっても大好きです

今回ご紹介するのは、鹿児島県鹿児島市有村町の身代湾（しんたいわん）にある海中温泉！！

なんとその名の通り、海の中にある温泉らしいのです！

もうこの情報だけで目的地に車で向かいながら、

「どんな景色なのかな♪」「効能は何かな」「近くに美味しいごはんもあったりして♪」と胸は高鳴ります！！

案内板の先に……

さあ到着！！

「身代湾」バス停

早速入ろーーーーぉ？？？……あれ……ない。

なるほど！ちょっと奥まった秘湯ってパターンね！うんうん、さすが！！（何が？）

案内板を見ながら、期待を胸に険しい道を進みます。

この下に温泉が

険しい岩場を下って……

大好きな温泉のため。そう、私は温泉のためなら、こんな道もへっちゃらの生粋の温泉好き！

おわかりいただけるだろうか……この時点で悲劇は既に始まっていたのです。

いざ、海中へ

アップダウンが激しい崖のような道を進み、足元に落ちている松の葉に足を滑らし恐怖を覚えながら、時にはロープを摑んで踏んばりながら、進みます。

そして、ヘトヘトになりながら目的地に到着！！

うわ！絶景！！最高！！！

素晴らしいパノラマ！

浜辺からの大パノラマがとても素敵な景色に「苦労した甲斐があった……泣」と、心の中で呟きながら、辺りを見回しても温泉らしき建物はありません。

それもそのはず、海中温泉は海の底から温泉が湧き出ているので、その湧いている場所までは海に入って進まなくてはならないのです。

聞くところによると、かつて有村町には、島津家の殿様や西郷隆盛、小松帯刀も訪れていた、桜島最大の温泉地がありましたが、1914年の「桜島の大正大噴火」により、村ごと埋没したそうです。

現在、有村海岸から身代湾付近の海岸を掘ると、ナトリウム-塩化物泉の温泉が湧き出してきます。今回の写真は干潮時のものですが、これよりさらに1mほど干潮すると、4〜5カ所から湧出しているのが実感できるそうです。

湧出ポイントまでたどり着いて撮影が始まると、「ぷくぷく、こんこん」と温泉が湧き出ているのがわかります。感動。

さらに海底に沈んでいる牡蠣の貝殻がキラキラ輝いていて、まさに大自然を独り占めしている気分に浸れます。

さぁ、冒険の疲れを癒やすぞーーーーーーーぉ……冷たい……寒い。

……温泉とは言えど「海中」……そう、潮の流れで容赦なく冷たい海水が押し寄せます。

寒い、あったか〜い♪冷たい…、温かい！冷た……の繰り返し。

全然快適じゃない……温泉なのに癒やされない……。

しかも、絶妙な水深により、海中温泉の撮影時には長時間の膝立ちを余儀なくされ、キラキラ輝いて美しかった牡蠣の貝殻たちも、とうとう「牙」をむき始めます。

底に沈んだ牡蠣の貝殻が、膝に刺さってきたのです。

撮影が終わる頃には、なんと膝が血だらけになる流血事件……塩水が傷口にしみて痛みが増し、涙がこみ上げます。

なんとか撮影を終えた帰り道、

「これが温泉業界の闇なのかな……」

「温泉も牡蠣も……私は大好きなのに、片思いだったのかな……」

と、今思うと意味不明なことを頭の中で繰り返し、膝に巻いたタオルに血を滲ませながら、また過酷な道を戻ります……。

温泉て、癒やされるだけじゃなくて心身ともに疲れることもあるんですね。

大自然は手厳しい♪

そんな事を学ばせてくれた温泉でした（笑）。

正直に、真っすぐ言います！ここはもう行かない！！

Ｐ.Ｓ
１回のディナーで牡蠣を20個くらい食べることもある無類の牡蠣好きですが、よくよく考えてみれば牡蠣にとったら私は敵なのです。

そりゃあ、「牙」もむきますよね……。

海中温泉８

海中温泉９

海中温泉10

（撮影／大黒敬太）

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