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説得力に欠ける?好調「教場0」に感じる本格ミステリー映像化の難しさ

説得力に欠ける?好調「教場0」に感じる本格ミステリー映像化の難しさ

キムタクの圧倒的な存在感にも納得だし、初回、2回目の視聴率も成功の部類だろう。それでも感じてしまう一つの違和感があった。

俳優の木村拓哉主演のフジテレビ月9ドラマ「風間公親―教場0―」(月曜・午後9時)が好発進を見せている。10日放送の初回が平均世帯視聴率12・1%と今年スタートの民放連続ドラマの初回としては最高の数字。個人視聴率も7・2%の好数字だった。

17日放送の第2話も世帯10・7%、個人6・6%(数字は全てビデオリサーチ調べ、関東地区)と好調を維持している。

2020、21年と2度に渡ってスペシャルドラマとして放送されヒットした「教場」シリーズを連ドラ化。スペシャルドラマでは警察学校を舞台に木村演じる冷徹な教官・風間公親(かざま・きみちか)が生徒たちの秘密やトラブルを暴きながら指導する姿を描いたが、今回は風間が鬼教官になるまでの物語だ。

フジテレビ開局65周年特別企画となる今作は刑事指導官・風間がキャリアの浅い若手刑事とバディーを組み、殺人事件の捜査を通じて刑事としてのスキルを学ばせる育成システム、通称「風間道場」で起こる出来事を描くストーリー。脚本は君塚良一氏、演出を中江功氏の豪華布陣で、木村にとって「HERO」第2シリーズ以来、9年ぶりの月9主演となった。

連ドラ主演級がずらりと並ぶ若手刑事役が豪華そのもの。第1、2話で登場した瓜原潤史役の赤楚衛二を筆頭に2話の最後で登場し、話題を呼んだ新垣結衣、北村匠海、白石麻衣、染谷将太がリレー式に登場。それだけでもワクワクさせる作品となっている。

形式は長岡弘樹さんの原作小説を踏襲し、名作「刑事コロンボ」(68年〜)やフジテレビ系「古畑任三郎」(94年〜)、日本テレビ系「霊媒探偵・城塚翡翠」(22年)同様の各回の最初に犯人と犯行の手口が視聴者に明かされる倒叙ミステリー。その後、神奈川県警捜査1課の刑事指導官・風間と新米バディーが犯人を割り出し、犯行を立証する形式だ。

長岡さんによる原作シリーズを全て読んできた私も「教場0」をどう映像化するのか、胸を躍らせながらリアルタイム視聴した。

1、2話とも赤楚の爽やかでナイーブな魅力が全開となった瓜原像と、それとは対照的な木村の冷徹ながらも理詰めな言動に終始する風間の抜群の存在感を堪能したが、一方で「本格ミステリー」を映像化することの難しさも感じた。

(以後、ネタバレがあります。未視聴の方はご注意下さい)

それは、こんな場面―。第1話では久保田悠来演じるホストクラブ経営者・芦沢健太郎が恐喝していた内田理央演じるデパート販売員・日中弓にタクシー車内で刺殺される。最初から弓の殺意に気づいていた芦沢は「おまえが何をやろうしているか分かっている」とつぶやいた上で目的地までの最短距離を選ばず、運転手に左折と右折を繰り返させる。なぜ、不自然極まりない走行コースを選んだのか?その謎が風間と瓜原コンビに突きつけられる。

否認を続ける弓に風間は一言「あなたのお名前、特徴があるのご存じですか?」と聞く。弓の殺意を察知していた芹沢は一筆書きができる「日中弓」という名前を後で再現できるGPSの走行コースに残していた。それを追求された弓は一転、追い詰められ自供した。

そして、第2話では小学校の校庭で山田キヌヲ演じる3年1組の担任教師・諸田伸枝が遺体となって発見された。遺体の後頭部には打撲による出血があり、校庭に設置されている少女が本を持つブロンズ像にも血液が付着していた。

風間から「目を閉じて現場の様子を私に伝えてみろ」と命じられた瓜原は自分が目にした状況を伝えた上で何者かが被害者を突き飛ばし、ブロンズ像が手にしている本の角に後頭部をぶつけて殺害したのではないか、と推理する。

翌日、瓜原と風間は諸田のクラスの保護者を訪ね、話を聞いて回る。そのひとり、宮澤エマ演じる佐柄美幸が働いている建設会社を訪れる瓜原たち。美幸の息子・川原瑛都演じる研人はいじめが原因で不登校になっており、その原因はいじめを放置した上で助長した疑いのある伸枝にあった。事件当日も美幸は学校に乗り込み、伸枝と会っていた。しかし、美幸には諸田の死亡推定時刻にゴルフ練習場にいたというアリバイがあった。

瓜原は美幸の熟練した溶接技術に着目。美幸がブロンズの少女像の本の部分だけを電動カッターで離断。切り離した部分を使って別の場所で伸枝を撲殺した上で校庭に遺体を運び、その場で争いがあったように2種類の乱れた足跡をつけ、犯行時間と場所を偽装したのだった。今回も風間と瓜原は被害者の頭部に残った謎の打撲痕=車のトランク内で一旦、息を吹き返した被害者がトランクのふたに頭部を強打した=を突破口に美幸のウソを暴き、自供にこぎ着けた。

1、2話とも不登校からフリースクールに通い社会復帰した瓜原の過去にも触れた上で実は風間の配慮の置き届いた教育法にも気づかされる抜群の人間ドラマになっていた。好視聴率にも納得の内容だったが、一方でミステリーファンからは、こんな声も出た。

「GPSの走行コースに名前を残すダイイングメッセージって?殺されるかも?って気づいていた被害者の行動が謎過ぎる」―

「深夜の校庭で火花散らして溶接作業って?絶対、目撃者いるだろ」―。

「宮澤エマ、2人分の足跡つけるために被害者の靴も履いて足踏みしていたけど、まるでタップダンスにしか見えない…」―。

ネット上に多数上がった、これらの声はミステリードラマファンなら必ず思うことで、大のミステリー小説好きの私にもうなづけるものがあった。

特に「GPSによるダイイングメッセージ」については長岡さんの原作では被害者の悪ふざけとして、もっと丁寧に描かれ、説得力もある形だったが、放送時間の制約があるドラマ化にあたり短く脚色された形。原作に忠実に描かれていればという恨みこそあるが、前提としてあるのが、あくまで文字で想像させる小説と映像付きで描くドラマといメディアの違いだ。

長岡さん描く本格ミステリーとしての原作は、あくまで読者が「GPSによるダイイングメッセージ」と「溶接技術で一旦、取り外した凶器による犯行」という「絵」を自身の頭の中で想像し、それに驚かされ、納得した時点で成立する。

本格ミステリー小説とは文字上で、読者の脳内で、どこか合理的な説明さえつけば成り立つジャンルでもあり、それを承知の上で楽しむもの。一方で今回のように鮮明に映像化されてしまった結果、そこに現実離れした一抹の荒唐無稽感が出てしまうのも、またあり得ることなのだ。

本格ミステリーを映像化するのは本当に難しい。「教場」シリーズ同様に最後のドンデン返しやフィニッシングストローク(最後の一撃)で読者を仰天させる叙述型のミステリー小説に歌野晶午さんの「葉桜の季節に君を想うということ」、殊能将之さんの「ハサミ男」、我孫子武丸さんの「殺戮にいたる病」、乾くるみさんの「イニシエーション・ラブ」などがあるが、いずれも原作に忠実な形の映像化は不可能な作品だろう。

「ハサミ男」と「イニシエーション・ラブ」が脚色を加えて映像化された例はあるが、私から見ると、はっきりと失敗作だった。

だからこそ、木村や赤楚、そして第1話のもう1人の犯人役だった市原隼人の演技力と抜群の存在感を武器にした人間ドラマのみに重きを置くのではなく、ミステリードラマとしても視聴者にきちんとヒントを与えた上で解決のカタルシスに導く努力をぎりぎりまでした制作スタッフの苦労も想像できるし、その流した汗の量に敬意まで覚える。

1、2話に関しては確かに「絵にすると、説得力に欠ける」シーンが頻出してしまったかも知れない。それでも、こうも思う。

そこに実質45分間で解決に導かなければならない時間的制約や本格ミステリーを映像化する際の困難さがどっしりと横たわっていても、木村を筆頭とした「教場0」チームなら、なんとかしてくれる―。そんな期待感を覚えた新しい推理ドラマのスタートだった。(記者コラム・中村健吾)

説得力に欠ける?好調「教場0」に感じる本格ミステリー映像化の難しさ 外部サイト 【教場0】衝撃ラスト15秒!風間公親の右目刺した男か…ネット騒然「教場2の犯人出て来た?」「怖っ」 【教場0】意外な犯人役にネット驚き「めっちゃムキムキ」「言い方めっちゃ八田殿だった」 【写真】父・木村拓哉が撮影したCocomi&Koki姉妹ショット 「風間公親−教場0−」をもっと詳しく

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