ＮＨＫ教育テレビ（現・Ｅテレ）の造形教育番組「できるかな」の「ノッポさん」として知られる俳優で作家の高見のっぽ（たかみ・のっぽ、本名・高見嘉明＝たかみ・よしあき）さんが昨年９月１０日、心不全のため都内の病院で死去していたことが１０日、分かった。８８歳だった。葬儀は近親者のみで行った。「死後半年は（公表を）伏せてほしい」という本人の意向で、のっぽさんの８９回目の誕生日にあたるこの日に公表したという。

できるかなできるかなハテハテフム〜。きのこ形のフェルト帽子にサスペンダーのつりズボン。長い手足で軽やかにステップを踏み、一言もしゃべらずに工作の楽しさを伝える。日本中のちびっ子の友達だったノッポさんが、天国に旅立った。

故人と４０年来の付き合いだった所属事務所の関係者（代表）によると、亡くなる直前まで持病もなく、新たな仕事を受ける意思もあったという。朝起きるとコーヒーを入れ、身の回りのことは自分でやる生活を送っており、若い後輩から育児や仕事などの相談を受けることもあったそうだ。現在の家族構成などについては本人の意向もあり、明かされていない。

最後のテレビ出演となったのは昨年５月のＮＨＫ「ひるまえほっと」。自らが出演していた「できるかな」のエピソードなどを語っていた。死去から少なくとも半年は公表を伏せるように周囲に申し送りしていたといい、本人の「自分に何かあっても大騒ぎすることはない。世間のみなさんのお邪魔をしないように」という意向によるもの。生きていれば８９歳の誕生日となるこの日に公表をする運びとなった。

京都府出身。俳優や奇術師として活躍した父親に付き添ううちに芸能界入り。１８３センチの長身にちなみ「ノッポさん」を名乗り、１９６６年からＮＨＫの「なにしてあそぼう」に出演。後継の「できるかな」（７０年〜）では、着ぐるみの「ゴン太くん」と無言でやり合う姿も人気を博し、９０年３月まで続く人気番組となった。最終話で突然「あ〜あ、しゃべっちゃった」と沈黙を破った姿は、衝撃の回として知られている。

番組終了後はＮＨＫ「みんなのうた」の楽曲「グラスホッパー物語」もブームに。おじいさんバッタに扮（ふん）して歌い踊る姿も話題となり、２００６年に７１歳で歌手デビュー。このころ前芸名の「高見映」から「高見のっぽ」に改めた。作家としても子ども番組の構成や、絵本や童話、紙芝居などを発表。１３年からは宮沢賢治作品の一人芝居を上演していた。

晩年、「俺は風のように逝くからさ」と口癖のように言っていたという。言葉どおりにさりげなく、人生の幕を下ろした。

◆高見のっぽ（たかみ・のっぽ）本名・高見嘉明。１９３４年５月１０日、京都府生まれ。父のカバン持ちをしていた修業時代を経て、創成期のＮＨＫの幼児向け番組に参加。出演以外にもＮＨＫ教育テレビ「おーい！はに丸」の振り付けや、フジテレビ「ひらけ！ポンキッキ」の放送台本などを手がけた。２００９年のミュージカル「ありがとう！グラスホッパー」では原案・脚本・作詞・総合演出・主演を務めた。

外部サイト 山田かな初の写真集タイトルに苦笑「私、変わっているらしくて」 皆藤愛子アナ、セーラー服姿をお披露目で「現役高校生でまだいけるかな？」「可愛いすぎる」の声 【舞いあがれ！】「舞には甘い」兄・悠人の会話にネット「見に帰ろかな、は笑ったｗ」 「テレビの話題」をもっと詳しく

杉村太蔵、議員時代のハニートラップを語る「かかりそうになった」 中継で女優帽をかぶったことも神田愛花のNHKアナ時代の「伝説」 60歳の誕生日を迎えた浜田雅功同い年の芸能人たちが還暦を祝福

• 
•