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土曜の深夜に現れた、ヌードとサービス満点の「男たちのオアシス」『ギルガメッシュないと』。「志は高く、カメラは低く！」をモットーに、数々のレジェンドと名コーナーを生みだした。出演者たちによる当時を振り返る徹底鼎談。

『ギルガメッシュないと』／'91年10月5日から'98年3月28日までテレビ東京で放送されたバラエティ番組。「男も楽しめる、女の子のためのエッチ番組」がコンセプト。「平成最後のお色気番組」と呼ばれ、絶大な人気を集めた。

イジリー岡田／'64年埼玉県生まれ。お笑い芸人。高速ベロを武器に『ギルガメッシュないと』で活躍した。YouTubeチャンネル「イジリーチャンネル」を更新中。

水谷ケイ／'74年青森県生まれ。「おニャン子クラブ」に憧れて芸能界デビュー。『ギルガメッシュないと』には'94年から放送終了までレギュラー出演した。

ジェフ古川／'51年東京都生まれ。整体師。名物コーナーの「ギルガメ治療院」では院長役を務め、数々の女性出演者のツボを刺激。世の男性の羨望を集めた。

前編記事『「裸エプロンは前貼りもなし⁉」細川ふみえ、飯島愛、憂木瞳…レジェンドたちが「今では不可能なお色気サービス」を連発…伝説の深夜番組『ギルガメッシュないと』の舞台裏』より続く。

なぎら健壱の漢気

古川しかし、「ギルガメ治療院」での、なぎらさんとイジリーさんとのアドリブ合戦は見事でしたよね。

イジリーいえ先生、あれはアドリブじゃないんです。実は本読みの時に、なぎらさんと綿密に打ち合わせをしていて。なぎらさんには「リハーサルと同じことをしたって現場は笑わない。面白いことは本番にとっておくんだ」と言われて。リハでは台本通りにやって、本番でいきなり即興のように見せたんです。

この番組が人気番組になったきっかけは、番組開始から3ヵ月後に、佐藤哲也ディレクターがお色気を前面に出すようテコ入れし、ふ〜みんがアシスタントとして加わったこと。そして、なぎらさんが僕たちを鍛え上げてくれたおかげです。

水谷放送が始まった当初は情報番組の色がもっと強かったのよね。

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イジリーそうだね。佐藤さんが敏腕をふるって、なぎらさんというプロが加わった。

元々、なぎらさんは居酒屋でギルガメを見て、「なんだこのつまらない番組は」と思っていたらしい。「佐藤さんに恩があるから」と番組に出演を決めたけど、「MC席には座りたくない」「レギュラー陣とは絡みたくない」とおっしゃっていたんです。それが変わったのが、ある日の「ボディコンDEスポーツ」の収録でした。

水谷懐かしい！ボディコンを着た女の子が相撲を取ったり、三輪車に乗って競走するコーナーですね。私がジャングルジムに登ったら、カメラはもちろん地面からパンツを覗くようなアングルでした（笑）

イジリーある日のこのコーナーの収録後に、なぎらさんが「面白かったぞ」と褒めてくれた。その次の週から、なぎらさんはMC席に座るようになったんです。後に聞いた話だと、元々出演期間が決まっていたのに、「岡田を一人前にするまでやる」と、降板を半年延ばしてくれたそうです。

出演者の印象に残る名企画

古川「ギルガメ治療院」では、最初、私はなぎらさんに指圧の指導をしてください、とお願いされたんですよ。それが、スタッフさんの前で女の子のツボを押して、ダジャレを言ったりしていたら、「先生、面白いから来週も来てください」と出演が決まっていた。

しかし困りましたね。「ムラムラするツボ」を押してください、と言われても、そんなツボは知らない（笑）だから、膝の内側の「血海」という、生理の悩みなどのときに押す血行を良くするツボを、女の子の足を広げながら押していました。

水谷それにしても、私が「治療院」に出演したときも、スタッフ以外のいろんな人がスタジオを見に来ていて、ちょっと恥ずかしかったな。

イジリーうん。局に出入りしていた広告代理店の営業の人なんかが見に来ていたんだよね。

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水谷ギルガメは人気番組だから、スポンサーもたくさんついたのよね。忘れられないのが「ランジェリーファッションショー」。よく素敵な下着を着せてもらいました。

イジリースポンサーといえば、各地の名物ホテルとのタイアップでロケに行って、よく温泉を紹介しました。これも情報とお色気の両立です。出演者もスタッフもみんな家族みたいに仲が良かったから、ロケは楽しかったなぁ。

水谷特に夏休みの「肝試し」は楽しかったね。怖がっているうちにいつの間にかはだけて、おっぱいが出てるの。

イジリー印象的な回といえば、SMの回ですね。僕は本当は革製品の匂いが苦手で、ムチがダメなんだけど、女王様にはホンモノのMだと勘違いされて。他にも、「家庭にある身近なもので簡単にできるSM」を紹介する回が、番組最高視聴率だったそう。そんなことで、「イジリー＝SM好き」というイメージがついてしまった。本当は違うんだけどな……。

Tバックは自前だった

水谷そういえば、イジリーさんはギルガメの代名詞だと思うけど、私が番組のレギュラーになった当時はお休みしていたよね。

イジリーええ。実は僕は、半年間休んでいるんです。いまだから言ってしまうけど、フジテレビのお笑い番組『ボキャブラ天国』が一大ブームとなっていました。それで、テレ東がテコ入れのために、『ボキャブラ天国』に出演していた芸人を加入させたんです。同時に僕が外れることになった。スタッフの入れ替えもありましたね。

古川そうか。その時期は、「治療院」も毎回別のボキャブラ芸人さんが出ていましたよね。

イジリー降板してしばらくしたある日、飯島愛ちゃんが僕の家に留守電を残してくれた。「イジリーちゃんがいなくなって現場がめちゃくちゃだよ。戻ってきて」って。僕が、女の子と現場のつなぎ役をしてたのを愛ちゃんは知っていた。それで、実際に、愛ちゃんが局にかけあってくれて、番組に復帰できたんです。

水谷愛さんはいろんなところに目の行き届く、素敵な女性でしたね。

イジリーうん。ふ〜みんは努力家で、愛ちゃんは天才というイメージ。愛ちゃんは出演する女の子の悩み相談にもよく乗っていました。

水谷愛さんの代名詞と言えばTバックでしたね。

イジリーある日、「イジリーさん、今日のTバックどれがいいか相談に乗ってよ」と言われて楽屋に行くと、アタッシュケースに100枚以上のTバックが入っていた。「予算がないから、自分で買うしかないんだよ」なんて言っていたけれど、愛ちゃんのプロ意識が垣間見えた瞬間だった。

古川イジリーさんも含め、あの現場にいた人たちはみなさんプロでしたよ。スタッフは若かったけど、エネルギッシュで、一生懸命だった。

イジリー台湾でも放送されていたので、ロケに行った先で台湾の方に「ファンです」と声をかけられることもあった。人気は国境も世代も越えていたんです。

水谷うん。「ギルガメッシュ」は永遠ですよね。

イジリー最終回の翌日のスポーツ紙は揃って「ギルガメありがとう」と大きく報じたんですよ。こんな深夜番組は、二度と出てこないと思います。

「週刊現代」2023年6月3・10日号より

外部サイト 「裸エプロンは前貼りもなし⁉」細川ふみえ、飯島愛、憂木瞳…レジェンドたちが「今では不可能なお色気サービス」を連発…伝説の深夜番組『ギルガメッシュないと』の舞台裏 「マジックミラー越しに見えるセクシーな空間が…」SOD社長が逮捕されるにいたった「歌舞伎町ビル」の内実 「バラエティ」をもっと詳しく

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