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「おしん」放送から40年 小林綾子が語る“過酷な撮影秘話” 台本6冊を渡され、いきなり最上川ロケ「朝8時にスタジオ入りし、夜中の12時まで……」

「おしん」放送から40年 小林綾子が語る“過酷な撮影秘話” 台本6冊を渡され、いきなり最上川ロケ「朝8時にスタジオ入りし、夜中の12時まで……」

平均視聴率52・6%、最高視聴率62・9%、日本のドラマ史上最高の視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯)を記録したNHK朝ドラの金字塔「おしん」(1983年4月4日〜1984年3月31日)が放送されてから、今年でちょうど40年となる。主人公の少女時代を演じた小林綾子さん(50)に当時を振り返ってもらった。(前編/後編に続くの前編)

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――そもそも、なぜ「おしん」を演じることになったのでしょう。

小林:私は幼稚園の頃から毎週、東映児童演技研修所に通っていたんです。東映の中にある劇団なので、東映作品には子役で出させていただいていました。いちばん最初のテレビの撮影は「仮面ライダー」(テレビ朝日)。その後、「特捜最前線」、「爆走!ドーベルマン刑事」、「太陽戦隊サンバルカン」(以上テレ朝)、「Gメン’75」(日本テレビ)、「ロボット8ちゃん」(フジテレビ)とか、少しずつですけど出演させていただきました。

「おしん」放送から40年 小林綾子が語る“過酷な撮影秘話” 台本6冊を渡され、いきなり最上川ロケ「朝8時にスタジオ入りし、夜中の12時まで……」 小林綾子さん

――その頃から女優を目指していたのでしょうか。

小林:東映の研修所に入ったのは、クラシックバレエをやるためだったんです。もともとモダンバレエを習っていたんですが、そこを一度辞めて、もう一度始めようと思って探していたところ、たまたま母が見つけてきたのが演劇と一緒にバレエも教えてくれる東映でした。習い事として入ったので、特に役者を目指していたわけではありませんでした。それでも児童劇団ですから、オーディションの声はかかるんですね。みんなと一緒にいろいろなオーディションに行っていました。

――結果はどうでしたか。

第5次審査と思ったら

小林:映画とかテレビとか、いろいろ受けたんですけど、何の作品かもわからず受けていましたからね。ほとんど受からなかったですね。どちらかというと、歌のほうが忙しかったんです。東映の特別音楽教室というのが木曜日にあって、そこにも入っていたんです。そこではヤングフレッシュというグループの一員として、子供番組のバックコーラスとか歌っていたんです。東京ディズニーランドの「IT'SASMALLWORLD(小さな世界)」で日本人の子供が歌う♪世界中にだれだって〜は、当時、ヤングフレッシュがやっていたので、その声の1人に私も含まれていたんですよ。

――今も小林さんの声が流れているのですか?

小林:どうでしょう?リテイクしていなければ、もしかすると同じかもしれませんね。

――それがなぜ「おしん」に?

小林:「おしん」も、みんなと行ったオーディションの一つにすぎませんでした。ところが、1次オーディションに通って、2次も通った。3次は台詞を覚えてきてくださいということで、課題のような台本が渡されました。私はそれまで、そんなに台詞を言ったこともありませんし、ましてや長台詞で有名な橋田壽賀子先生ですからね、「こんな長い台詞、覚えられない」と母に言ったそうです。でも「せっかくここまで残ったんだから頑張りましょう」と言われ、覚えていきました。すると3次も受かったんです。4次には5人が残ったんですが、おしんの扮装をしてセットの中でのカメラテストでした。私と母は「ここまで来たんだから、もう十分頑張ったよね」という感じだったのですが、今度は親御さんと一緒に来て欲しいと言われました。てっきり、それが5次オーディションと思ったのですが、扉を開けて入っていったら自分1人しかいなかったんです。

――見事、合格したわけだ。

いきなりクライマックス

小林:オーディションが始まったのが小学校4年の8月で、合格したのが11月末でした。年明けのクランクインまでひと月しかありませんが、そこで台本6冊が手渡され、「お芝居はこちらでやりますから、セリフだけはしっかり覚えてきてください」と言われたんです。それからが大変でした。

――台本は1週間分(当時は月〜土曜の6話分)が1冊になっていた。厚さは1・5センチほど。むろんセリフがギッシリだった。

小林:今なら撮影する順番に覚えればいいとわかりますけど、6冊を必死に覚えました。方言もあるので、母と二人で練習して。朝は学校に行く前、帰宅してからも練習して、御飯を食べた後も……本当に大変でした。

――年が明けて83年1月中旬、山形ロケから始まった。

小林:撮影前に現地でポスター撮影なども行いました。最初の撮影は奉公に出るおしんが筏で最上川を下るシーンでした。

――今も語り継がれる名シーンだ。

小林:そう、「おしん」といえばの、あのシーンが最初の撮影でした。今にして思えば、いきなりクライマックスでしたね。あのシーンを撮るのには、本当に地元の方々のご協力があってできたことなんです。筏は3カ月前に木を切り出して作ってくださったものなんです。最上川は一見、穏やかなんですが、実際はものすごく急流なので、筏が流されないようにクレーン車でつないで、みんなでロープを引っ張っていました。あの場面だけでも100人以上の方が動いてくださっていましたから、私の母も「とにかく娘が迷惑をかけないように」と心配だったろうと思います。

真夏シーンのロケが寒い

――おしんの父親・作造(伊東四朗)との涙の別れが感動を呼んだが、実は親子の別れは別撮りだったと、後に伊東が明かしている。

小林:そうなんですよ。あの日、伊東さんは別のお仕事があったらしくて、私は筏の上から「あの辺に父ちゃんがいるから、あそこを見て叫びなさい」と指示されて叫んでいました。丸一日かかったような撮影でしたね。当時はまだ使い捨てカイロもあまり普及していなかったので、長時間の撮影は皆さんとても寒かったと思います。

――小林さんも辛かったのでは?

小林:川で洗濯するシーンは、さすがに冷たかったですね。撮影が終わると照明さんがライトを当てて温めてくれたり、メイクさんがドライヤーで温めたりしてくれました。

――山形ロケの次は?

小林:2月になると、今度は真夏のシーンを撮らなければなりませんでした。冬の間に夏のシーンを撮るため、東京の奥多摩に行って山形に見立てて撮影しました。

――当然、薄着で?

小林:浴衣の撮影なんです。雪がなくても寒いので、浴衣の下に防寒具をつけて撮影しました。その後、渋谷のNHKスタジオで撮影をしたのですが、もちろん防寒具はいりません。同じ浴衣を着ているのに、横から見ると一回り小さくなって見えましたね。

ハードスケジュールな小学生

――NHKのスタジオでは、2日間のリーサルと3日間の本番、計5日で1週間分を撮ったという。

小林:ものすごくハードなスケジュールでしたね。朝8時にスタジオに入って、夜中の12時近くまで、主役はずっと出突っ張りです。

――小学4年の3学期だった。学校はどうしたのですか。

小林:通えないことはわかっていたので、事前に学校には伝え、勉強はセリフ覚えと同時に、3学期が始まる前に母と予習しました。

――まったく通えなかったのだろうか。

小林:週のうち1日だけ学校に行ける日もあったのですが、それも最初のうちだけでしたね。毎日、長時間の撮影で疲れもあり、まず体を休めることを優先して次の撮影に臨まなければいけなかったので……。

――小学生がこれほど働いたら、今なら問題になったかもしれない。

小林:2019年前期の「なつぞら」(ヒロイン・広瀬すず)に出させていただいた時は、夜8時が近づいてくると子役さんは帰さなければならないので、スタッフさんがピリピリしてくるのがわかるんですよね。私の頃とはずいぶん変わったなあと思いました。

――撮影は3月下旬に終了した。番組がスタートする前だ。実際、小林さんが出演した少女時代は、全297話中、第4話(4月7日)〜第36話(5月14日)しかない。それでも「おしん」といえば、小林綾子の顔が浮かぶのはなぜだろう。

NHKに米俵

小林:橋田先生の脚本の素晴らしさからだと思います。幼少期にいろいろなエピソードやメッセージを上手く取り込んでらっしゃる、それが見ている方々の心を大きく引きつけたからでしょう。家族の絆だったり、やさしさや思いやりを持って接することだったり、俊作あんちゃん(中村雅俊)のところでは反戦への思いも含まれています。おしんの原点が少女時代に凝縮されていて、それを後半につなげていくという橋田先生の狙いがおありだったのではないかと思います。

――2019年にはNHKBSプレミアで久しぶりに全話が再放送された。

小林:私も見ていましたが、改めて見ると橋田先生の作品は本当に素晴らしいと感じました。若い人もハマって見てくださった方もいらしたようですし、人が大切にしなければいけないものとか根底にあるものは、今も変わらないと思いました。

――“オシンドローム”という言葉も生まれた「おしん」には伝説がある。貧しく大根飯がご馳走というおしんを心配して、視聴者が米を送ってきたというのもその一つだ。本当の話でしょうか。

小林:“おしんちゃんにあげてください”と、NHKに米俵とか現金が送られてきたと聞いたことがあります。もちろん丁重にお断りしてお返ししたそうです。

――一方、おしんに辛く当たった伊東四朗は“被害”に遭ったという話も。

小林:伊東さんの奥様がご自宅の前を掃いていたら、何かワーワー言っている人がいるので出ていくと、「ここがおしんの父ちゃんの家か。娘いじめんな!」って言われたとか。役柄とはいえ、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。それだけ皆さんが共感して見てくださったんだと思います。

80カ国以上で放送

――当時、通っていた小学校では、どんな反応があったのだろうか。

小林:ありがたいことに、同級生はいつも通りでした。とはいえ、給食の時間に、みんなで「おしん」を見ましょうという話が出た時には、さすがにそれはやめて欲しいとお願いしました。でも「いい番組ですから」ということで見ることになってしまい、いつの間にか全校の生徒が給食の時間に「おしん」を見るようになっていたようです。

――「おしん」の初回視聴率は32・9%。これだけでも凄いが、その後、尋常でない人気となった。

小林:ゴールデンウィークに入る前、4月下旬ぐらいから、道を歩いていても「おしんだ!」と指を差されるようになってきました。それからさらに反響が大きくなっていきましたね。ちょうど日本が高度経済成長期で、勢いがあって豊かになっていく時代に、本当に人として一番大切なものは何なのかということをドラマの中で振り返ることができたところも大きかったと思います。当時はまだ明治生まれのおばあさんたちでご健在な方が少なくありませんでした。自分が生きてきた時代を描いているので、場所は違えど共感される方が大勢いらっしゃったと思います。苦労された方もたくさんいらっしゃったでしょうし、そういう方たちの声を橋田先生は代弁されたのだと思います。おしんはたくさん苦労はしていますが諦めない、自ら切り開いて進んでいく勇気、強さも魅力なんでしょうね。

――その人気は日本に留まらなかった。海外での放送は80カ国以上と言われる。

小林:今もどこかで放送されているのかもしれませんね。

――イランでの最高視聴率は90%を超えたという。尊敬する人物を尋ねたアンケートでは、イラン革命の指導者、ホメイニ師を凌いで、おしんがトップになった。

小林:イラン出身のタレント、サヘル・ローズさんに聞いたところでは、当時のイランでは「おしん」を1時間にまとめて放送していたそうですが、その時間は公共機関を含めてお店もシャッターを閉めてしまい、みんな「おしん」を見ていたそうです。子供におしんと名付けた方も大勢いらして、私もエジプト人のおしんちゃんと会ったことがありますよ。

代表作となった「おしん」の後、小林さんは何を思い俳優を続けているのかは後編で。(後編に続く)

デイリー新潮編集部

「おしん」放送から40年 小林綾子が語る“過酷な撮影秘話” 台本6冊を渡され、いきなり最上川ロケ「朝8時にスタジオ入りし、夜中の12時まで……」 外部サイト 【この記事の後編を読む】朝ドラ「おしん」の子役、小林綾子の現在地大学2年の時に森光子主演の「流水橋」で初舞台これが大きな転機に 【写真も】NHK記者、カツラをかぶってワシントンから中継で波紋上層部からも注意 デビュー48年「中村雅俊」が語る青春ドラマ、松田優作さん、おしん秘話 「小林綾子」をもっと詳しく

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