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島袋寛子が語る「SPEED解散」の理由「先に動いたのは私でした」

島袋寛子が語る「SPEED解散」の理由「先に動いたのは私でした」 (全2枚)

「解散後は肩の力が抜けて、髪の毛も金髪にしてみた(笑)」と語る、SPEEDの島袋寛子さん。96年にメジャーデビュー、2000年に1回目の解散をしたSPEEDは、なぜ解散に至ったのか。メンバーとの関係性、解散後の変化についてもお話を聞きました。

【画像】「初々しい!」SPEEDで活動した小学生の頃から現在までの島袋さんの写真集(全10枚)

このままじゃダメなんじゃないか

──SPEEDの中でリーダーとか、一人ひとりの個性や役割のようなものはありましたか?

島袋さん:一番年上の(新垣)仁絵ちゃんが、何かあると話をまとめてくれましたね。仁絵ちゃんはダンスも上手で絵を描いたりファッションセンス、芸術的センスも高かったので、そういった部分もみんなも尊重していたと思います。

(上原)多香ちゃんと(今井)エリは、たしか実際の家庭のなかでも末っ子だったのかな。私と仁絵ちゃんが実際の家庭でも長女で。真ん中の2人は明るくてバーンとしていて、私と仁絵ちゃんのトーンが似ていた気もします。

──SPEEDがどんどん活躍していくなかで、2000年に1回目の解散をされました。その後も解散と再結成が何度かありましたが、改めて解散理由はなんだったのでしょうか?

島袋さん:理由はひとつじゃなくて、いくつかあって、みんなで話し合いをするために先に動いたのは私でした。

自分のことだけで言うと、このままじゃダメなんじゃないかなって思ったんですよね。

──どんなことで、このままじゃダメだと思いましたか?

島袋さん:周りの10代の子たちが経験するようなことをほとんど経験せずに、このまま社会のことを知らないで、大人になっていく不安もありました。“普通の感覚”っていう言い方が好きじゃないんですけど、電車の乗り方も分からなかったし、コンビニも人が集まるから危険で行けないとか。人気はこのまま続かないけど、10代のうちに感じていたほうがいいことってもっとあるんじゃないかって思ったんです。

歌もそうです。歌うことが大好きで、お仕事もたくさんいただけて、とてもありがたいことだと今でも思っています。でも、忙しすぎて感情がついていけなかったし、喉も毎日高い声で歌って酷使したり、声変わりも起きていただろうし。

島袋寛子が語る「SPEED解散」の理由「先に動いたのは私でした」 大自然のなかで、紫のワンピース姿の島袋さん。アンニュイな表情も素敵

今思えば、違うやり方もあったかもしれないし、嫌でも社会のことを学んでいくタイミングってあったとは思うんですけど。当時はそこまで考えられなかったというか。自分の人生のなかで、一回立ち止まったほうがいいんじゃないか。このままじゃ多分、壊れるよねって思ったんです。

──人気絶頂のなかで、もったいないと思うことはなかったですか?

島袋さん:多分、出し尽くしてる。自分が今できること、もう自分は今何も残ってないよ。出すものないよって。人間としての考えも価値観もパフォーマンスに関しても、全部出しきっていたと思います。小学校6年生でデビューして中学3年生くらいから、自分の人生について考えだしていたんじゃないですかね。

自分の小さな欲を満たしていく

島袋寛子が語る「SPEED解散」の理由「先に動いたのは私でした」 猫を撫でながら安らぎの時間

──解散後は沖縄に戻ることも考えましたか?

島袋さん:んー、沖縄に戻りたいっていうよりも、芸能界でもそうじゃなくても、まったく違うことがしたいなって思ってましたね。まったく違うことをしたいと言いながら、その方法もよく分からなかったんですけど。

ただ、解散した時点で肩の力がフッと抜けて、まずはやりたいこと全部やろうと思って、髪を金髪にしてみたり(笑)。仕事以外で初めて友達とファミレスに行って会話に夢中になったり、母が東京に来てくれて一緒にスーパーに行ったりとか。今まで「どれ買う?あれ買う?」もやったことなかったし、やる時間もなかったので。そうした日常だったり、自分の小さな欲を満たしていくことをやってましたね。

──歌に関してはどうしていましたか?

島袋さん:解散後にNewYorkに行ってレッスンもしつつ、私はこれからも歌っていくのか、さぁどうなんだろうってフワっとした気持ちも持っていて。

振り返ると、3歳の頃からアクターズスクールに入って歌手になりました。たくさんの人に応援してもらって、多分音楽でいったらとてもたくさんの夢を叶えられた。大成功もさせてもらったと思うし、けっこうな大仕事をやり終えた感覚もあったんです。

海外から帰国すると、ソロの新曲『Treasure』を事務所で社長が聴かせてくれました。曲を聞いた瞬間「これ歌いたい!」って気持ちが湧いてきて。「この曲絶対歌いたい!渡したくない!」っていう感情が出たときに、「あ、続けるんだ…」って自分のなかで思ったタイミングでした。久々にそんな感情になった気もしたし。だから『Treasure』はすごく思い入れの強い曲ですし、あのとき、あのタイミングで聞いたから、私は今も歌い続けていると思います。

PROFILE島袋寛子さん

沖縄県出身。1984年生まれ。1996年SPEEDのメンバーとしてデビュー。1999年にソロデビューを果たし、2000年グループ解散後も歌手として活動中。2023年3月アルバム「UTAUTAI」発売、7月からHIROKOSHIMABUKUROLive2023「0」の開催決定。

取材・文/松永怜

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