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人気YouTuber「黒塗りメイク」動画が超悪質なワケ

人気YouTuber「黒塗りメイク」動画が超悪質なワケ
「ブラックフェイス」が登場した雨ニモマケズ、ダーウィンは来ズ。」のYouTube(写真:「雨ニモマケズ、ダーウィンは来ズ。」のYouTubeより)

6月4日、YouTuberグループ「雨ニモマケズ、ダーウィンは来ズ。」が投稿した動画『【初デート】肌が黒くなってくドッキリの最後に黒人が出てきたらどんな反応するのか』が話題になった(現在は非公開)。チャンネル登録者数28万8000人(6月17日時点)を誇る人気チャンネルで、この動画は2日間で77000回再生されている。

動画では、メンバーの1人がデート中に、肌を黒く塗って徐々に「黒く」なっていき、最後には黒人ルーツと思われる男性と入れ替わっている。これは、相手の女性のリアクションを期待し、ファンを楽しませるためのユーモラスなイタズラのようなものだと考えられる

一時期消えた「ブラックフェイス」が再び復活

しかし、多くの人はそれを見ても楽しめないという結果となった。ソーシャルメディア上の日本人の友人たちが(活動家グループ「JapanforBlackLives」の創設者や、ハフィントンポスト日本版の記者まで含む)、この動画を私に教えてくれた。

私は過去に何度か、日本における「ブラックフェイス(黒塗りメイク)」について書いたことがある。ブラックフェイスは日本で、1世紀以上にわたって断続的にエンターテイメントの一形態であった。そして、私が日本に来た20年前よりもずっと前から、日本の人々はブラックフェイスをやめるよう求めてきた。

そうした声を受け、ブラックフェイスは一時的に姿を消したが、いつの間にか再び姿を現すようになった。『ウォーキング・デッド』のゾンビのように、ブラックフェイスはなかなか消えないし、死んだままでもない。一時的に(通常は娯楽目的で)黒人になることは、ある種の人々にとって抗しがたいものである。そのような人たちに「一生黒人になりたいか」と尋ねてみてほしい。

彼らはどう答えるだろうか。

ブラックフェイスが定期的に登場するとき、私の一部は、”犯人”が黒人に対して意識的な敵意を抱いていないことを感じている。自分たちがやっている、嫌悪感を抱かせるような行いの本質にまったく気付いていないのだ。なぜなら、彼らは日本人以外の文化、歴史、芸術、容姿、そして肌の色をからかうことが正当なエンターテインメントであり、善良な遊びであるという環境で生まれ育ったからだ。

彼らにとって、ブラックフェイスは問題ではない。ただのコスプレであり、無害な「ものまね」である。ゴリラの格好や異性の格好をして笑うのと何ら変わらないと彼らは思っている。さらに、この小さく、均質で、孤立した島において、何が面白く、何が不快かを決めるのは日本人だけであり、ハーフでもなく、外国人でもないと、心の底から信じている。

それはわかる。

「ブラックフェイス」の歴史を知らないのか

個人的な憶測に過ぎないが、この動画を制作したグループは、攻撃的であろうとし、注目と論争を求めているように見えてしまう。YouTube育ちの彼らであれば、黒塗りの方法を簡単に調べられたのと同じように、日本におけるブラックフェイスの歴史も簡単に調べることができるからだ。日本語でも充分すぎる情報が手に入る。

彼らはカルピスの黒人のロゴが抗議によって廃棄されたことや、フジテレビが、嘆願書とソーシャルメディア上の反響に応えて、ミュージックフェアでのラッツ&スターとももいろクローバーZの黒塗りパフォーマンスを中止させたことを本当に知らないのだろうか。さらに直近では、2017年の大晦日に起こったことも(「雨来ズ。」にコメントを求めたが、残念ながら現時点で返事はない)。

なぜこれを引き合いに出したかというと、ブラックフェイスが日本の放送局のテレビに登場したのは、その時が最後だったからだ。

それは、ダウンタウンの浜田雅功氏がエディー・マーフィー氏の真似をするためにブラックフェイスを行った夜だった。浜田氏の誤算からしばらく、ブラックフェイスを披露した『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』と、日本テレビは、いわゆるリベラルメディアからの批判の的となった。

イギリスのBBCやアメリカの「ニューヨーク・タイムズ」紙といった著名な報道機関がその愚かさを取り上げ、数日間、黒塗りメイクでマーフィー氏のビバリーヒルズ・コップの衣装をまとった浜田氏は、日本の無知と不寛容の象徴的なキャラクターとなり、その画像はインターネット上に広まった。これは浜田氏にとっても、日本テレビにとっても、あまりいいことではなかった。

当然ながら、日本のほかのメディア企業は同じ運命を避けたいと考え、知るべきことを積極的に学ぼうとした。例えば、TBSは、日本の黒塗りメイクについてプロデューサーや幹部と相談するために私を招いた。私は、その歴史と、奴隷制度や黒人に対する人種差別の歴史がない日本で、なぜそれが人種差別とみなされるのかについてプレゼンをした。

ペリーが持ち込んだ「ブラックフェイス」

日本におけるブラックフェイスの歴史は1854年、日本を開国させたアメリカの白人、マシュー・ペリー提督が日本に持ち込んだのが始まりと説明した。ペリーは、砲艦外交でアメリカが求めていた条約を獲得した後、日本の代表団をミンストレルショーでもてなしたのだ。

ミンストレル・ショーは、アメリカの大衆的で人種差別的な娯楽であった。このショーでは、ペリーの乗組員である白人がブラックフェイスを演じ、出席した日本の使節団は大変楽しんだという。

それ以来、日本の俳優や歌手は、黒塗りメイクを使ったエンターテインメントを楽しんでいる。おそらく、自分たちがアメリカの人種差別主義者からこのようなエンターテインメントを学んだことを忘れたり、無視したり、気づかなかったりしたのだろう。

日本人だけを相手にした過去の芸能人とは違い、例えばラッツ&スターや、浜田氏といった芸能人がブラックフェイスのパフォーマンスをする影響は計り知れない。クリックすれば世界中の人が映像を見ることができる時代に、しかも、世界的に多様化が進む中での黒塗りメイクが世界を驚かせ、激しい批判の対象となるのは当然だろう。

そして、ブラックフェイスはSNSに追いやられた。そこはなんでもありの世界だ。前述の通り、ネットで調べればブラックフェイスの歴史はすぐにわかるというのに、「雨来ズ。」は黒塗りメイクをすることをやめなかった。そして、それを批判する人たちを「逆差別」と非難した。

被害者を加害者だと非難するのは、アメリカの保守派が何十年も使ってきたおなじみの手口であり、修辞的な手口である。YouTubeには、被害に遭った人々を刺激したり、いらだたせたりするために、意図的に作られたコンテンツがあふれている。

差別への意識が高い人に反発する潮流

コンテンツ制作者の中には、それが事実上ビジネスモデルになっている人もいる。被害者をからかったり、中傷したりすることが利益になるのだ。今は「wokeness(ウォークネス=社会的不公正や人種、性差別などに対する意識が高い人)」が厳しい批判にさらされる時だと言える。「キャンセルカルチャー」に反抗し、非難することは、国際的な娯楽になっている。

それに、アフリカ系の人々やさまざまな人種的ルーツを持つ日本人(動画に登場するハーフのような)は、日本では格好の標的であり、低く実った果実であり、まったく無力な少数派である。だから、反撃の危険はない。仮に否定的な反応があったとしても、それは彼らのチャンネルにもっと多くの注目と視聴者をもたらすだけだ。

私も彼らの作戦にまんまとはまっているだけかもしれないので、このことを書くのはためらわれる。しかし、私はこの可能性と日本におけるブラックフェイスのゾンビ的性質を天秤にかけ、このエピソードを、墓場から抜け出そうとする亡霊の姿と見なした。日本人も外国人も同じように、これまでの進歩を後退させるような醜悪なものの復活に警戒することが、私たち全員の責任だと思うのだ。

そして、これらのYouTuberたちがそのような醜悪な行為の片棒を担ぐことがないことを一番に願っている。

(バイエ・マクニール:作家)

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