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14歳で「リメンバー・ミー」主役声優に抜擢 石橋陽彩の現在「中学時代のあだ名はやっぱりミゲル」
2018年公開のディズニー・ピクサー映画「リメンバー・ミー」の主人公役に当時14歳で抜擢された石橋陽彩さん。現在18歳の石橋さんに大役を担った当時の気持ちを伺いました。(全2回中の1回)
【画像】すっかり大人!18歳の石橋さんとミュージカルで共演する鈴木福さんとのツーショット「プライベートでも仲良し」など(全9枚)
1、2歳から韓流ドラマでリズムを
──今春、高校を卒業されてからお仕事に専念しているそうですね。人を惹き込む歌声が魅力ですが、歌を始めたのはいつ頃でしたか。
石橋さん:幼稚園の年中の4歳頃からレッスンに通い始めました。きっかけは、保護者面談で、先生が母に「歌かダンスを習わせてみたらいかがですか?」と言ったひと言だったそうです。
すっかり大人!18歳の石橋さん(写真右)とミュージカルで共演する鈴木福さん(写真左)とのツーショット「プライベートでも仲良し」──先生のひと言で!
石橋さん:本当にその先生には感謝しかないです。たぶん、お遊戯会とか普段の歌の時間で歌っているのを聞いてそう思ってもらえたんだと思います。
歌を始めて、その数か月後にダンスのレッスンも始めました。先生のそのひと言がなかったら、母は何かスポーツをさせていたと思うと言っていました。
もっと小さい、1~2歳頃から音楽は好きだったようで、祖母が観ていた韓流ドラマのオープニング曲に合わせて机を叩いてリズムをとっていたらしいんです。その頃から音楽が好きだったのかなとは家族から言われていて。
4歳から歌とダンスを始めた石橋さん。小さい頃からステージでのパフォーマンスでも堂々と──歌はご両親も上手いんですか。
石橋さん:父も母もあまり歌うのが得意ではなくて(笑)。でも音楽は好きなんです。母もいろんな曲を聴いています。ルーツといえば、唯一おばあちゃんが詩吟をしていたというくらいです。
──世の皆さんに希望が持てる話です!
石橋さん:あはは、どうなんですかね。僕なんかで希望を持ってもらえたら嬉しいです。4歳から始めてもう14年、歌のレッスンを続けています。他にも小1の時にサッカーや空手も始めたんですが、どちらも1年と続かなくて。やっぱり歌とダンスは楽しくて通っていました。
──習い事をしているご家庭でよく聞かれる話ですが、レッスンに行くのが嫌だというときはありませんでしたか。
石橋さん:ゲームに目覚めてしまった時期があって。ニンテンドーDSが流行っていて、レッスンよりゲームの方が楽しいと思う時が一瞬ありました。でも、あるときからゲームとレッスンが結びついたんです。
同い年くらいの友達と一緒に、レッスンをして歌って踊って、終わったら一緒にゲームをしていました。全部セットになったらそれが嬉しくて楽しかったので、行きたくないと思ったことはそれ以降ないですね。学校のような感覚でレッスンに通っていました。
クッションにぎゅ~!見ているだけで癒される中学生の頃の石橋さん「リメンバー・ミー」で大抜擢
──レッスンの努力が身を結び、2018年に公開されたディズニー/ピクサー映画「リメンバー・ミー」の主人公ミゲル役に抜擢されました。当時の気持ちを覚えていますか。
石橋さん:決まった時は、びっくりしすぎて「これは夢?」って思いました。今までミュージカルのオーディションなども受けていたんですが、毎回決まったときは家族と「やった!」と純粋に喜んでいましたけど、「リメンバー・ミー」のときは喜びよりも、「本当に?」という戸惑いが先に来ました。
楽しみではありつつも、こんな大役が自分にできるかという不安がありました。でも、今を全力で楽しもうと思っていました。
楽曲レコーディングに挑む中学生の石橋さん。両手にピースが初々しくてかわいい!──毎回涙なしでは観られない作品なのですが、完成した作品をご覧になったときはどう思いましたか。
石橋さん:物語も素晴らしいですし、映像も美しい。すごい作品に出させていただいたんだなって、ブワッと涙が出てきて。嬉しくて感無量でした。
14歳で「生きててよかった」と思いましたね(笑)。今でもたまに家族で観るのですが、毎回ママ・ココのシーンで泣いちゃいます。あそこ、何度観ても泣いちゃうんですよ。
──わかります!いろんな感情が溢れてきますよね。「リメンバー・ミー」は、石橋さんの声優としてのキャリアがスタートした作品になりました。
石橋さん:初めての声優で、右も左もわからない状態で、とにかく必死でした。作品に携われたことは本当に奇跡だったなと自分でも思います。
堂々としたパフォーマンスを披露する石橋さん──当時中学生でしたが、学校での反応はいかがでしたか。
石橋さん:あだ名ができました。作品名で「リメンバー・ミー」って呼ばれるようになったんです。中2になる頃で作品が公開になったので、クラス替えのタイミングで僕を知る方も多くて。「お!リメンバー・ミーじゃん」って(笑)。
──役名ではなく(笑)。
石橋さん:でも半年くらい経ったら役名の「ミゲル」と言われるようになりました。作品を観てくれたのかどうかわからないですけど。そこから中学時代はずっとミゲルと呼ばれていました。
──共演された藤木直人さんは憧れの方だったそうですね。映画公開後もイベントなどでもご一緒する機会があったかと思います。
石橋さん:最初は、「藤木さんだ!緊張する!」と思っていたんですが、何度もお会いしているうちに緊張を解いてくれる存在になってくださいました。心があったかくなるといいますか、本当に優しいんです。最近はお会いできていないんですけど、またご一緒する機会があったらいいなと思っています。僕からすると、もうひとりのお父さんのような存在でした。
僕、イベントや番組でも毎回すごく緊張しちゃっていて。でも藤木さんはいつも「君なら大丈夫!」って背中を叩いて励ましてくれました。
今月公開のミュージカル「カラフル」の稽古中の石橋さん──緊張は今もされますか。
石橋さん:今でもライブやテレビの本番直前は緊張しちゃいます。昔からずっとそうなんです。本番30分前まではリラックスして平常心でいられるんですけど、だんだん本番が近くなってくると緊張しちゃって。いつもマネージャーさんに助けを求めています(笑)。
──堂々としたパフォーマンス姿からはまったく想像できません。
石橋さん:緊張はしているんですけど、歌を歌ってしまえば緊張が解かれるんです。自分に取って歌は魔法のような存在です。楽しいだけじゃなく、緊張もほぐれて自分が出せるんです。本番直前も声を出して緊張を緩和していることも多いですね。
──天性ですね!
石橋さん:僕にとって歌は一番の親友、相棒です。緊張してしまう性格なので、何事にも「楽しもう」と思って挑戦することにしています。
PROFILE石橋陽彩さん
2004年千葉県生まれ。4歳から歌とダンスを始め、2018年ディズニー/ピクサー映画「リメンバー・ミー」の主人公"ミゲル"の日本語吹替版声優を担当し、一躍有名に。舞台、声優、CM、歌番組等で幅広く活動。今月22日から公開のミュージカル「カラフル」に出演。
取材・文/内橋明日香写真提供/石橋陽彩
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