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青木さやか 娘に「勉強しなくていい」と伝えたら「勉強するなっておしつける」と怒られて。生意気な口調がビジュアルに合ってきて無性に腹が立つ
連載「50歳、おんな、今日のところは『……』として」で、母との確執やギャンブル依存症など、自身の経験を赤裸々に綴り話題となった青木さやかさん。2019年に母を見送り、現在は中学生になる娘さんを1人で育てています。「母が嫌い」だった青木さんが、自身と娘との関係を見つめ、これまでの子育てを振り返ります――。
【写真】青木さんの家のリビングには
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勉強しなさいと押し付けてきた母と
娘の学校で先生との面談の帰り道の車内。面談では成績の話を主にさせていただいた。娘のことが少々心配で、先生に面談を申し込んだのは、わたしだった。
わたしは一度も娘に勉強しなさい、と言ったことはない。わたし自身が母から勉強や成績について言われ続けたことが嫌だったからだ。褒められるかと思い90点の答案用紙を持って帰っても「なんであと10点とれんかったの?間違えたところを見直しなさい」ときたもので、マルよりバツに注目する母からは褒められた記憶がないのだ。
勉強を押し付けられた、成績はよくあらねばならない、と押し付けられた記憶が強くあり、娘には、それをしないと決めていたのだ。ことあるごとに娘には「いいですよ、勉強はしなくていいです」と伝えてきたのだが、驚くことに娘はある時こう言った。
ママはいつも、勉強するなっておしつけてくる、
わたしは愕然とした。
母はわたしに勉強しなさいと押し付けてきた。
わたしは、娘に、勉強しないでいい、と押し付けているようだ。
参った。
「ママ、私はさ。聞いてる?ママ!」
「はい、はい、なに?」
「勉強できるようになりたいの」
「はい」
「ママ、ゆるいからさ」
「いいじゃない、うるさく言われるより」
「みんなからは羨ましがられるけど」
「自慢のママじゃない」
「ゆるすぎる」
「ゆるくしてくださり、ありがとうございますって言ってほしいです」
「は?」
「厳しかったら厳しかったで、厳しすぎるって言い出しますから。人間て、そんなものですから」
「ママといても、全然勉強できるようにならないもん」
「……」
「おばあちゃん生きてたら勉強できるようになったのに」
娘は、わたしの母によく勉強を見てもらっていた。違う。見てくださいと言ったことは一度もないが、母は、それが自分の仕事だと言わんばかりに、宿題だけでなくドリルなども買って準備して娘を待ち構えていた。
「あなた、おばあちゃんに勉強教えてもらうの嫌だって言ってたよ」
「あの時はね」
「あの時」
「だって、おばあちゃん、問題解けないと、こんな問題も解けないの、上の学年に上がれないよ、もうおばあちゃん勉強こんなにできないの見て熱が出てきたって言ってた」
「嫌すぎるじゃない!つらい、聞いてるだけで、つらいじゃない!」
「おばあちゃん、寝こんでた」
わたしが「勉強教えなくていいよ」と言っても、娘に勉強を教えるのをやめなかった母。亡くなる前数年は、悪性リンパ腫を患っていたが、抗がん剤治療をしながら自宅に戻り、戻ると娘が来ることを楽しみにして、勉強を教えるのが自身の役割だと思っていた。「私がいなくなったら誰がこの子に勉強教えるの、心配」と言っていた。
わたしは病気の母に、「教えなくていいよ」とは言えたが、「教えないでほしい」とは言えなかった。母のために、勉強を教えるその時間を、黙認していた。あの時、娘は、その時間がつらいと確かに言っていた。わたしは娘に申し訳ないなあ、と思っていた。
「ごめんなさいね」
「なにが?」
「おばあちゃんの勉強、つらかったでしょうから」
「だから、あの時はね」
「あ、はい」
「だってさ」
「はい」
「おばあちゃんといると、勉強できるようになったもん」
「なるほど」
「なるほどって、なんなの?」
「いや、まあ、別に、口ぐせ」
「テキトーに、なるほどって、わかったようなこと言うの、やめた方がいいよ」
生意気なことを言うのは幼い頃からだが、顔や声に似合わないことを言うのが昔は可愛かった。生意気な口調がようやくビジュアルに合ってきて、無性に腹が立つようになってきた。
「ママ、聞いてる?ママのためを思って言ってるんだよ」
これも、わたしの受け売りだと思うと見直したい。
「わたしのため?わたしのためを思って、そんなことを言っていただかなくて結構です」
余裕がないので、一旦こう切り返した。
明日から見直そう。
「あのねママ?ママが外で恥をかかないように、教えてるの。誰も言ってくれないんだからね」
勘弁してくれ。娘と、多分それも口癖だった過去のわたしよ。
娘は、わたしが答えなかったものだから、そろそろ勘弁してやるか、とばかりに「ま、いいけどね」と捨て台詞を残しスマホでツムツムをやり始めた。
『母が嫌いだったわたしが母になった』(著:青木さやか/KADOKAWA)
理科をきちんと勉強していたら
わたしは、今日担任の先生と話したことを思い返していた。
勉強の自分なりのやり方を見つけられるといいですね、というようなお話であった。子どもたちというのは、それぞれに勉強の仕方も特性があるようで、授業を聞いて自分の中に入れられて特段家で復習しなくても高得点が取れる子や、自分なりの勉強法を家で見つけた子、きっと親も一緒になってお手伝いしているお宅もあるのだろう。
勉強なんてしなくていいよ。
とは確かに言ってきたのだが、娘は、成績が上がれば喜ぶし、わからなかった国や首都を言えるようになれば誇らしげだ。時々、会話の中に英語が入るようになってきて、それも楽しそうだ。
それは学校の先生が提案してくれたようだ。覚えられない英単語を、生活の中で使ってみたらどうかな?とアドバイスくださったらしい。そうか、だから英語の使用頻度が増えたのか。娘には、その方法が合っていたようだ。
ちなみに、わたしは勉強は特にしなくても、中学までは、まあまあできた。センスがあったのかも。しかし、努力をしないものだから、努力したクラスメートに年々どんどん抜かされてはいったが。
娘が成績を上げるためには、教科ごとなのか、面白いと思えるやり方が見つかればいいと思う。英単語を生活で使うと楽しくなるようなものが。
(写真提供:PhotoAC)
と、急に車内が静かになった。
ツムツムのチカチカジャンジャンした音が止まり娘がこちらを向いた。
「ママ?」
「ホワッツ?」
「は?」
「ホワッツ、とは?どういう意味でしょう?」
「そういうの、今いいから」
「ホワッツとは、何ですか?という意味でした。ホワッツマイケルの、ホワッツでもあります」
「ママ黙って」
「イエス」
「今日ママ、先生と、なに話したの?」
「トップシークレッツ!」
「教えて」
「イエス」
「教えるんかい!」
「ア・リトル。少しだけね」
「うん」
「スタディ。お勉強のこと」
「やばいって?」
「自分でやばいと、思ってるの?」
「ママに聞いてんの!」
「はい。そうですね。質問返しは、わたしも賛成しませんから。ごめんなさいね。いや、やばいとかではないけれど、勉強のあなたなりのやり方を身につけられたらいいね、という話をね」
「どういうこと?」
「ほら、生活の中で会話に英語を入れると、英単語覚わるでしょう、それで英語が楽しくなったんじゃないの?」
「なった」
「だから他の科目も、なにかいいやり方があって面白くなるといいねって話」
「理科はムリだね」
「なんで?」
「理科って、難しいもん」
「ママも、理科って、全然できなかったの。わからないんだもん」
「それな!」
最大の共感それな!をいただいた。ということは相当わからないのだ。理科。
「ママ、理科ってさ、大人になってから使わないじゃん」
「まあ、そうかな、そうだね、わたしは使いませんね、あまり」
「やる意味なくない?」
わたしも散々、そんな会話を友達としてきた。大人になって使わないよね。やる意味ないよね。
そう言ってやりたいが、今話しているのは、友人ではなくて娘である。ここは一つ、理科に興味を持たせるようなことを伝えておきたい。
「あのね、勉強というのは、わかってきたら楽しくなり、そして、できるようになっていくことで、自信に繋がるということが大いにあります」
「それは理科じゃなくてもいいから」
「ママは、理科をもっときちんとやっていたら、人生が変わっていたと思う時もありますよ」
「どんなとき?」
「そう。たとえば」
絞り出そう、わたし!
「たとえばね、料理をしている時に、どうしてもグラムとかを調べることができなくて、理科してこなかったからかもしれません」
「うん」
「だから、ママの料理は、目分量。グラムも調べられず、目分量」
「ママ」
「ホワッツ?」
「私に理科やらせようと思ってテキトーなこと言うのやめて」
娘は、わたしを一瞥し、ツムツムを再開させた。チカチカジャンジャンの音が車内に響くのを聴きながら思った。
わたしの嘘を見抜くなんて、なんて賢い娘だろう。ああ将来が楽しみ!
※本稿は、『母が嫌いだったわたしが母になった』(著:青木さやか/KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
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