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「あ。僕だよ。ジャニーだよ」といきなり電話が…カウアン・オカモトが明かす“異例の初対面”《ジャニーズ性加害》
故・ジャニー喜多川氏による性加害を実名・顔出しで告発したカウアン・オカモト氏。その勇気ある行動は、日本社会の巨大な「山」を動かした。
【画像】バスルームはジャグジー付き…ジャニー喜多川氏のマンション内の様子
ここでは、オカモト氏の著書『ユー。ジャニーズの性加害を告発して』(文藝春秋)を一部抜粋して紹介。ジャニー氏との「異例の初対面」をふりかえる。(全2回の1回目/続きを読む)
◆◆◆
【事の経緯】「あ。僕だよ。ジャニーだよ」という電話が見ず知らずの番号からかかってきたのは、2012年2月の早朝だった。
当時、オカモト氏は愛知県在住の中学3年生。音楽の道での成功を夢見る彼は、その足掛かりとして東京のモデル事務所に登録。そして、マネージャーの人脈によって、ジャスティン・ビーバーの名曲『Baby』を歌う姿を録画したDVDと音楽への熱い思いをつづった手紙が、ジャニー氏のもとに届いていた。
突然の電話に驚くオカモト氏をよそに、ジャニー氏は「今日、国際フォーラムでSexyZoneのライブやってるから、来て」と言った。オカモト氏はこのチャンスを逃すまいと東京行きを決意した。
◆◆
「いつも通りにやりなさい」
僕はお母さんからそう言われて、家から送り出された。服は上から下まで、ジャスティン・ビーバーがドキュメンタリー映画『ジャスティン・ビーバーネヴァー・セイ・ネヴァー』で着ていた衣装にそっくりにした。これもお母さんのアドバイスだった。
新幹線に飛び乗って、東京国際フォーラムに着いたのは、たしかセクゾのその日2回目の公演の前後だった。ジャニーさんからは「警備員の人に言えばいいから」と言われていたので、大勢の女の子をかき分けて警備員さんのところへ行き、「すみません、カウアンですけど」と声をかけた。そしたら、「岡本くん?お待ちしていました。どうぞこちらへ」と言われた。それまで心のどこかで疑っていた僕だったが、恐怖感とワクワク感が同時にこみ上げてきて、その瞬間、覚悟を決めた。
そのまま中の方へ進んでいくと、ソファにジャニーさんが座っていた。
©Getty
ジャニー氏との初対面
見た目は、キャップを被った160センチくらいのただの小さなお爺ちゃんだ。だけど、オーラがすごかった。
「お疲れ様です」
と挨拶したら、
「ユー、遅いよ」
と返された。
右隣には185センチくらいの大柄な男の人がいた。帽子を目深に被っていて“圧”がすごい。TRFの元メンバーで、ジャニーズの振付師として有名なサンチェさんだった。
サンチェさんに聞かれた。
「カウアンくん?」
「あ、はい。場所がわからなくて遅れてしまいました」
そしたら、ジャニーさんが突然こう言った。
「とりあえず歌ってもらっていい?」
「あっ、いまですか?」
「そう。いま歌って。ここで歌うのは恥ずかしい?」
「見学に来て」と言われたのだが、最初から歌わせる気だったに違いない。
あとからわかったが、ジャニーさんといるときは、常に試されているのだ。
僕は度胸があるほうだと思うけど、その僕でもテンパるようなことを言ってくる。そんな状況でも「やれます」という人間を、買ってくれるのだ。
近くの会議室みたいな部屋に一緒に入り、2人を前に、『Baby』をアカペラで歌った。
オカモト氏が耳を疑った言葉
やっと歌い終わると、怖い人として知られているサンチェさんが言ってくれた。
「ああ、いいね。おまえさ、ジャニーズの曲は歌えないの?」
「あんま、わかんないですね……」
「ジャニーズに来てんのに、ジャニーズが歌えないの?面白いな、おまえ」
すると、ジャニーさんは、思わず耳を疑う言葉を口にしたのだ。
「いいよ、ユーは。とりあえずMC出る?」
意味がわからない。
「出るって何ですか」
って聞き返すと、
「いや、ライブで、歌える?」
中三の僕はもちろんそれまでステージで歌った経験など、一度もない。それどころか、カラオケさえ行ったことがなかったほどだ。だけど、海外アーティストのドキュメンタリーをたくさん見ている僕の気分は、すでにジャスティン・ビーバーだった。
俺のストーリーはもう始まっている!
だから、こう即答した。
「はい、いけます!」
「お客さん、5000人ぐらいいるけど、ユー、いける?」
「いけます!」
「とりあえずSexyZoneを紹介するよ」
メンバーたちの反応は
軽く打ち合わせをしなくちゃということで、午後6時から始まる3回目の公演の本番前に、いきなりメンバーに紹介された。彼らからすれば、ようやく実現した初のワンマンライブなのに、見ず知らずの僕がステージに出るといきなり言われたのだ。「何?」「誰なの?」と戸惑うのは当然だ。
「あ、どうも……」
みたいなよそよそしい雰囲気だったが、ジャニーさんは気にする様子もない。
「ケント(中島健人)とフウマ(菊池風磨)さ、カウアンがジャスティン・ビーバーを歌うんだけど、とりあえず紹介できる?」
「あ、はい」
「じゃあ、友達だってことにしよっか」
とサンチェさんが提案し、みんなは「あ、はい」「わかりました」と答えたものの、明らかに不満顔だった。僕も、「すみません……」と言うしかなかった。
そのままライブが始まり、MCの時間になって、
「今日は、友達を連れて来てるんです」
と切り出された。
ライブ会場に広がるざわめき
お客さんは「大物ゲストが来ている」「ジャニーズの先輩タレントに違いない」と思うのが普通だろう。そこへ鳴り響いたのは、
「岡本カウアン!」
という呼び込みの声。
「え?誰?」
とザワつく会場。
「このジャスティン・ビーバーみたいな子が、ジャスティン・ビーバーを歌うんです。初舞台なので、みんなも聴いてください!」
と紹介され、僕は『Baby』を歌った。しかもアカペラで。
フルコーラス歌ったのか、間違えずに歌えたのか。
緊張しすぎて、拍手されたこと以外、ほとんど記憶がない。
傑作だったのは、舞台から下がったとき、SexyZoneのバックについている100人くらいのジュニアに拍手でお出迎えされたこと。みんなたぶん、「誰なんだろ、こいつ」と思っていたはずで、「もしかして、ジャスティン・ビーバーの親戚?」とファンの中で噂になっていたらしい。
「ユー、とりあえず、ご飯行こうか」
僕の出番が終わって舞台裏に戻ると、ジャニーさんが待っていて、
「ユー、とりあえず、ご飯行こうか」
といきなり誘われた。
“え。ライブ、最後まで見ないの?”
と思ったけど、
「もういいから、ご飯に行こう」
とジャニーさんが言うので否も応もない。
ジャニーさんが運転する白いベンツに乗せられて向かった先は、青山のイタリアンレストラン。あとで知るのだが、そのイタリアンはジャニーさんが住むマンションの近くにあって、ほかのジュニアたちもよく食べに来る店だった。
当時すでに80歳を超えていたジャニーさんの運転はとてつもなく荒かった。
急発進、急ブレーキを繰り返すので、めちゃめちゃ怖いのだ。Uターンの際に縁石に乗り上げることもあった。さすがに危ないと周囲も止めたのだろう。僕が入所して1年くらい経ったときには自分で運転することはなくなっていた。僕が辞める2016年頃には、車椅子も使うようになっていた。
その日は、ほかのジュニアたちとレストランで合流し、食べ終わるとそのままみんなでジャニーさんの家へ行った。
パンツも用意されていた
タワーマンションの最上階の、もとは別々の2部屋だったのをぶち抜いた、すごく広い家だった。ベッドルームは沢山あって、何人も同時に泊まれるようになっている。入って左側が、ジャニーさんの部屋。奥の部屋にはキングサイズのベッドがあり、グレーのストライプのカバーがかかっていた。
大勢で食事ができるダイニングテーブルのある部屋や、カラオケが備えてある防音仕様の部屋もあった。シアタールームにはゲームが揃っていて、みんなで遊ぶ場所になっている。トイレは3つ。バスルームは2つ。そのひとつはジャグジー付きだった。円柱に埋め込まれた巨大な水槽、マッサージチェアに、大きな冷蔵庫。洗濯機も2つあった。
大きなソファが置いてある部屋には、事務所の先輩たちが表紙を飾る『明星』などの古い芸能雑誌がたくさんあった。バーカウンターには高そうな酒が揃っていたが、それは貰い物を並べてあるだけ。ジャニーさんは飲まないし、ジュニアたちが飲んでいるのを見たこともない。
ホテルに置いてあるような浴衣がたくさん常備されていて、ジュニアたちが泊まるときはそれに着替える。パンツも、用意されたものに穿き替える。お爺さんが穿くような、ぶかぶかのブリーフ。色は白だった。
その夜は、ほかのジュニアたちと一緒に、そのまま泊まった。ジャニーさんから肩を揉まれたが、この日はそれ以上のことはなかった。
“暗黙のルール”を知らなかった
僕はまだ何も知らなかったから、“暗黙のルール”ももちろんわからず、遅くまでずっと起きていた。今日一日の夢のような出来事に興奮してしまって、全然寝られない。心配していたお母さんと遅くまでポルトガル語で長電話をしていた。うるさくて迷惑だろうと思ったので、僕はジャニーさんの部屋から一番遠い部屋にいた。その部屋にはキングサイズとシングルサイズのベッドがあって、僕が使ったのは、シングルベッドのほうだった。
ジャニーさんは何度か様子を見に来たが、「電話してるんだ」とつぶやいて出ていった。この夜何もなかったのは、長電話のおかげだったのだろう。そう気づいたのは、あとになってからだった。
僕は長い電話のあとでお母さんにおやすみを言ってから、これから待ち受けているだろうワクワクする未来と、これまでの人生との圧倒的な落差を思いながら、いつしか深い眠りに落ちていった。
〈《ジャニーズ性加害》藤島ジュリー社長が被害男性と直接面会…そのとき彼女が語った「謝罪の言葉」とは〉へ続く
(カウアン・オカモト/ノンフィクション出版)
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