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ジャニーズ事務所の会見は「最悪の一言」危機管理のプロが語る3つの理由

ジャニーズ事務所の会見は「最悪の一言」危機管理のプロが語る3つの理由 (全3枚)

日本中が注目していた、ジャニーズ事務所の会見に失望の声が上がっている。

筆者も危機管理を生業としている者として興味深く会見を拝見をしたが、残念ながら「最悪」の一言に尽きる。まず、「やらなくてはいけないこと」をまったくやっていない。

【画像:ジャニーズ事務所に対するNHKと民放キー局の声明】

クリアしなければならなかった3つの最低条件

筆者はこの5月に本媒体で「ジャニーズ事務所は生き残れるのか?危機管理のプロが考える3つの最低条件」という記事を公開し、同社が信頼を回復していくには以下3つの条件を最低でもクリアしなければいけないと提言させていただいた。

1.第三者による調査報告書の公表
2.藤島ジュリー社長の辞任、および外部から経営者を招聘(しょうへい)
3.「ジャニーズ」の看板を下ろす

しかし、現段階でクリアできているのは「1」だけである。藤島ジュリー景子氏は社長を辞任したが、代表取締役で残留する。しかも、オーナーとして絶大な影響力があるので単に表舞台に出なくなっただけだ。

残念ながら、これでは「人類史上最悪の性加害事件」を組織ぐるみで隠蔽してきたのではないかと疑いの目を向けられる会社が、生まれ変われることはできない。

そこに加えて、あの会見が「最悪」だったのは、「新たなリスク」を生じさせてしまっていることだ。

むしろ事態を悪化させてしまった

企業危機管理における会見とは、起きてしまっている問題に対して情報提供や説明をすることで、ダメージを最小限に抑えて、事態を収束に向かわせることを目的としている。

しかし、ジャニーズ事務所の会見は残念ながらそうなるどころか、海外メディアや週刊誌、そして被害者たちが追及できる「新たな攻撃材料」を提示した。要は、事態を悪化させているのだ。

ジャニーズ事務所が提示してしまった「新たな攻撃材料」

ではその新たな攻撃材料とは何かというと、新社長に就任した東山紀之さんや会見に同席したジャニーズアイランド社長の井ノ原快彦さんが性加害について「うわさレベルでしか聞いていなかった」と説明したことだ。

これはかなり大博打に出た、と個人的に思っている。実際、「被害者の会」は彼らの発言に対して不満をあらわにしている。

「長年に及んだ性加害を認識していたかを問われた東山氏が『噂として聞いていた』と答えると、石丸副代表は『噂?』と顔をこわばらせ、怒りをあらわに。平本代表も失笑し、ため息交じりに『残念だね』と語った」(9月7日付『産経ニュース』)

では、なぜ東山さんや井ノ原さんは被害者たちの神経を逆撫でするような「残念な発言」をしてしまったのかというと、現役タレントとテレビ局や広告代理店などの“ジャニーズムラ”を守るためだ。

「うわさレベルでしか知らなかった」という都合の良い説明

東山さんや井ノ原さんという先輩タレントが「うわさレベルでしか知らない」と突っぱねれば、所属タレントたちもみな同じような発言をすればいい。「ジャニー氏を信じ切っていて性犯罪に気づかなかった善意の第三者」なので当然、罪や責任は問われない。

そうすると、テレビ局も広告代理店もこれまで通り共存共栄のビジネスを続けられる。現在、フジテレビやテレビ朝日が公表したような「ジャニー喜多川氏は性犯罪者だけれど、タレント自身はみなうわさレベルでしか知らなかったので問題なし」というロジックが成り立つからだ。

説明が虚偽だったら“ジャニーズムラ”はおしまい

では、「被害者の会」が示唆するように、もし東山さんや井ノ原さんの説明が虚偽だったらどうか。つまり、実はジャニー氏がそういうことをしているのを知っていたが、何らかの理由で黙認していたことが明らかになったらどんな事態になるか。

結論から先にいうと、東山さんや井ノ原さんが「うそをつきました」と謝罪、辞任をするだけにとどまらず、“ジャニーズムラ”はおしまいだ。

実際にはジャニー氏の性加害の事実が「周知の事実」であったにもかかわらず、それを現経営陣がこの重大局面でも「うわさレベル」と矮小(わいしょう)化してうそをつくということは、このような組織的隠蔽が日常茶飯事になっていたと考えざるを得ない。もはやジャニーズ事務所が何を言おうと、誰も信用しない。
ジャニーズ事務所の会見は「最悪の一言」危機管理のプロが語る3つの理由

一気に契約解除の恐れも

それだけではなく、所属タレントたちは一気に契約解除の恐れがある。

東山さんや井ノ原さんが性加害を知っていたとなれば、それよりも下の世代も当然、「お前らも知っていたんだろ」という疑いの目を向けられる。つまり、所属タレントたちが「性加害の傍観者・共犯者」に格上げされてしまうのだ。

こうなると、誰が被害者で、誰が加害者なのかを個別に見極めることは困難なので、テレビ局や広告代理店としては「すべてのジャニーズアイドル」の起用をひかえざるを得ない。

日本航空はジャニーズタレントの起用を当面見送り

厳しすぎると思うかもしれないが、性犯罪の組織的黙認は完全に「共犯」なのだ。例えば、ある会社で女性社員たちが社長に片っ端から強姦されていたとしよう。その事実を多くの男性社員は知っていたが、左遷されたくないのでとがめることもなく、警察に通報することもなく、「うちの社長も好きだよなあ」なんて見て見ぬふりをしていた。

このような事実が明らかになった時、取引をしている会社のほとんどは付き合いを見直すはずだ。中には、「強姦をしていたのは社長で、現社員は問題なし」なんてことを言って取引を継続する会社もあるだろうが、それは社会通念上かなりヤバい会社だろう。

今回、日本航空が会見後、ジャニーズタレントの起用を当面見送る方針を示したが、これがまともな対応であって、フジテレビやテレビ朝日のように「タレントには問題なし」なんて言う方が異常なのだ。

ジャニーズ事務所による会見の真の目的は

ジャニーズ事務所の会見は「最悪の一言」危機管理のプロが語る3つの理由
これは筆者の推測にすぎないが、今回の会見の真の目的は、「所属タレントは性加害をうわさレベルでしか知らなかった」というストーリーを社会に広めることではないか。そうなれば、とりあえずテレビ局と事務所の関係はこれまで通りにキープできる。

日本航空のような一般企業とかけ離れた対応がスコーンと出てきたことからも、主要取引先である民放キー局には、このような「ストーリー」でいくと事前に伝えて、合意ができていたのだろう。

筆者も企業危機管理を生業としているので、既存の取引先との関係を守ったり、ビジネスモデルを変えたくないという企業論理で、このような苦しい「ストーリー」を持ち出すという力学は理解できる。

ただ、経験から言わせていただくと、こういう場で述べた「うそ」は必ず発覚する。そして、事態を悪化させる。

今からでも遅くないので、「うわさレベル」を撤回して、真実を明らかにすべきだ。そして、「ジャニーズ事務所」を守りたいのなら、やはり誰かがこの「人類史上最悪の性犯罪」を野放しにしていた「共犯」の誹り(そしり)を受けなくてはいけないだろう。

誰も傷つかない、誰も会社を去らない、死んだ人間をボロカスに叩いて済むなんてムシのいい企業危機管理は存在しない。

筆者:窪田順生プロフィール
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経てノンフィクションライター。また、報道対策アドバイザーとしても、これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行っている。
(文:窪田順生) ジャニーズ事務所の会見は「最悪の一言」危機管理のプロが語る3つの理由 外部サイト 【画像:ジャニーズ事務所に対するNHKと民放キー局の声明】 ◆「マジで世間知らず」木村拓哉、ジャニーズ会見後に敬礼ポーズ&事務所の“モットー”公開に「最低だな」と厳しい声 ◆ジャニーズ事務所は生き残れるのか?危機管理のプロが考える3つの最低条件

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