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進行妨げる記者を除外

ジャニーズ事務所が10月2日に記者会見を開いた際、事務所から会見の運営を任されていた外資系コンサルティング会社「FTIコンサルティング」が、一部記者を質疑応答で指名しないようにする「NGリスト」を会場に持参していたことが明らかになった。

これを受け、ジャニーズ事務所はHPで声明を発表した。

「弊社は、会見前々日に本件について会見を委託したコンサルティング会社と打ち合わせをいたしました。その時にコンサルティング会社がメディアのリストを持ってこられて、そこにNGと言う文字があったので、井ノ原が、『これどういう意味ですか？絶対当てないとダメですよ』と言いました。その時に会見を委託したコンサルティング会社の方は、では当てるようにします。と答えました」（原文ママ）

写真・週刊現代

経緯をこう説明したうえで次のように断言した。

「そのやりとりをその場にいた役員全員が聞いております。ですから今回流出したと言われている資料は、弊社の関係者は誰も作成に関与しておりませんし、指名をしない記者を決める等も全く行なっておりません」

その後、会見の運営を任されたFTIコンサルティングもコメントを発表。

「この資料は限られた会場使用時間の中で会見の円滑な運営準備のために弊社が作成し、運営スタッフ間で共有したもので、ジャニーズ事務所様は作成や運営スタッフへの共有を含め一切関与しておりません」

同社はジャニーズ側の声明に続く形で自らの責任を強調したが、ジャニーズ事務所側が「NGリスト」の存在を知っていたことは事実だ。

本当にジャニーズ事務所の関与はなかったのか。FTIコンサルティングの運営担当者を直撃した。

指名候補記者リストの顔ぶれ

「弁解の余地はございません。リストはFTIで作成したものです。浅はかな行為でした。メディアの皆様には謝ることしかできません。

進行を務める司会の松本（和也）さんにはリストについてお伝えしました。

一方、ジャニーズ事務所さんは一切関与しておりません。『ジャニーズ事務所から指示があったのか』という問い合わせをいくつもいただいておりますが、ジャニーズ事務所さんからお願いされた事実はございませんし、『この名前を入れろ、あの名前を入れろ』とかもございません。我々が勝手にジャニーズ事務所に忖度してしまいました」

「NG記者リスト」に入っていたのは、ネットメディアの記者、YouTubeチャンネルの出演者、フリージャーナリストの計6人の名前だ。

リスト作成の意図については次のように話す。
「いろいろ配慮しなければいけないことがある中でどう差配すべきか。また円滑に進めるためにどう差配すべきか。これを考慮した結果、こうしたリストの作成になってしまいました。何を言っても言い訳になりますが…。

この事案は人権に関わることであり、人権への配慮は特に意識しました。メディアさんの質問を聞いたとき、メディアさんと事務所側とのやりとりを見たとき、被害者の方はどういう思いをするのか。セカンドレイプのようなことはあってはならない。ここを配慮すべきと考えました。

また今回は2時間の会見です。前回の会見では質問者がご自身の意見を表明される現象も多々起きておりました。そうしたスタイルを否定するわけではありませんが、より多くの方にご質問の機会を設ける意味での判断もありました。

YouTubeなどで会見の案内状を公開する方がおり、ホテル側に多大なご迷惑をかけてしまいました。こうしたことを避けたいという思いもありました」

指名NGとは逆のリストもあった。「指名候補記者リスト」に入っていたのは、大手紙記者、経済紙記者、海外メディアの記者、テレビ局のアナウンサー、芸能リポーターの名前だった。彼らを選んだ意図とは。

「メディアさんから事前に『新会社について事実確認をしたい』という要望がありました。限られた時間の中で事実確認ができる流れをつくりたいという意図から新聞五大紙さんや経済メディアの方から進行していくのがよろしいのではないかと考えました。

また生放送を考えてテレビの方ということも配慮しました。ただし、リストにある方々から了解を取ったわけではありません。恣意的なものです。ご迷惑をおかけしてしまいました」

名物広報が関与していたとの声

この担当者は「ジャニーズの関与はなかった」と繰り返した。しかし、NGリストの発覚後、メディアの間では「リストの作成において白波瀬（傑）氏が関与しているようだ」という情報が飛び交った。

名物広報として長年メディア対応を担ってきた白波瀬氏は、故ジャニー喜多川氏の性加害問題で副社長を引責辞任したが、その後も嘱託社員として在籍していることが明らかになり、説明責任が問われている。

「白波瀬さんが関与しているという事実は本当にありません。まだ在籍していることも存じ上げませんでした」

一方で、ジャニーズ事務所がNGリストを把握していたことは認めた。

「会見の2日前、ジャニーズ事務所で打ち合わせをしました。そこで井ノ原（快彦）さんからご指摘があったのは事実です。『いやいや、これは絶対にダメでしょ』というものでした」

写真：週刊現代

「では、（藤島）ジュリー（景子）氏と東山（紀之）社長の反応は？」と問うと、こう明かした。

「細かいことは覚えていませんが、井ノ原さんの意見に同意していました」

ジャニーズ事務所は「今回は、会見を委託したコンサルティング会社がしたことであっても、それは弊社が雇った責任があると言われれば、その通り」としている。

NGリストを作成したFTIコンサルティングの責任は言うまでもないが、その存在を知っていたジャニーズ事務所にも少なからず責任があるだろう。

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