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10月12日、『FRIDAY』はNHK『ザ少年倶楽部』（以下『少クラ』）が収録直前で中止になり、そのまま打ち切りになる可能性が高いと報じた。同日夜、NHKは11月10日、17日放送分の公開収録を中止にすると発表。理由について、

《番組の内容やタイトルの変更を含めて抜本的な見直しを検討していますが、（収録予定の）10月16日までに十分な見直しに至らないと判断したため》

としている。その背景には、10月９日にNHKが報じた、ジャニー喜多川氏によるNHK局内での性加害疑惑が影響していると考えられる。

被害男性が高校生だった’02年の秋、『少クラ』の出演を希望し、NHK放送センターでの稽古に参加したところ、局内のトイレで喜多川氏から性被害を受けたというものだった。NHKは、

「証言を重く受け止めています。看過できない問題であり、今後、出演者の安全や人権を守る取り組みをさらに進めて参ります」

とコメントを出したのだが…。

“月曜日にNHKホールで収録”といえば、かつては男女のアイドルが勢揃いした『レッツゴーヤング』（1974〜’86年）が思い出される。元・ジャニーズのフォーリーブスやリトル・リーブス、田原俊彦らはメインの出演者ではあったが、他のプロダクションや女性アイドルも大勢出演していた。その“レッツヤン”と同じ月曜日のNHKホールで’00年にスタートしたのが『少クラ』だった。

「月曜日の夕方、ほぼ毎週にわたりNHKホールに観客を集め、公開収録される『少クラ』は、A.B.C-Zの河合郁人くんらがMCをしたり、時折ゲストにデビュー組が出演したりするものの、出演者の99％はデビュー前のジャニーズJr.です。

Kis-My-Ft2のようにJr.時代からオリジナル曲を多数もっていたグループが、長年番組に出演。現在も、HiHiJetsや美少年、少年忍者などはメンバー全員の名前がテロップに出て、オリジナル曲を多数歌わせてもらえるのです。ジャニーさんはその全てをチェックしていました」（芸能誌ライター）

ファンにとっては、NHKホールで毎週、Jr.のコンサートを見られるわけで、観覧希望者の“当落結果”は、デビュー組のコンサート並みの盛り上がりをみせるという。

NHKホールを埋め尽くしたファンの中でも、極めて特徴的だったのは、最前列を陣取る少女たちと、コロナ禍以降は廃止されたが、ステージ上に並んでジャニタレたちと一緒に踊ったり手拍子をしたりするパンツ姿の少女たちの存在だ。

「最前列のファンは明らかにルックスの良い女の子たちが並べられていました。ステージ上の女の子たちはスカートをはいて来てはいけないというルールになっていました。その理由は、客席のファンやテレビで観ているファンからの嫉妬を避けるためだと言われていました。

ステージ上でJr.とすれ違ったり、間近でファンサ（ファンサービス）をされたりする機会がある彼女たちに少しでも“女”の部分を感じることがあっては、ファンにとってもタレントにとってもマイナスだと事務所や番組スタッフが配慮していたようです」（前出・ライター）

そんな『少クラ』の収録日は、NHKホールがジャニーズにジャックされたかのようになるという。

「楽屋やリハーサル室はJr.で埋め尽くされ、グループとして人気のあるJr.は個室、“その他大勢”は大部屋に入れられます。居場所がない子たちはスマホで音を流しながらホールの廊下でダンスの練習をしていますね。

僕は事務所の人との打ち合わせで、しょっちゅう行っていましたが、よくジャニーさんとも会いました。番組に出演しないJr.がレッスンのために集まっているようなことも多かったんじゃないかと思います」（民放音楽番組のディレクター）

NHKホールのトイレで被害に遭った男性の証言と一致するコメントだ。

「受付は、『紅白歌合戦』や『うたコン』が行われる日のように厳重管理され、長テーブルに数名のスタッフが並び、Jr.の名簿を片手に入局チェックをしていました。我々に対しても、厳しいチェックがあり、事前に申し込んでいない人は入ることができません」（前出・ディレクター）

番組は、NHKホールで１曲ずつ収録される歌やダンスを編集で繋いでおり、“入り”や“ハケ”の10数秒の間はファンサ（ファンサービス）が行われる。他にもゲームコーナーがあったり、別室で収録される「Jr.にQ」という質問コーナーもあったりと、アイドル誌のページをそのままテレビにしたような内容だった。

別の元Jr.は、

「『少クラ』のギャラはなかった」

とも証言している。

「いただいた記憶はありません。僕らにとっては修行の場というか、ファンに知っていただく場なので気にしたことはありません。あまりにも出演者が多いので、番組終了後は観光バスのような大型バスが２〜３台出てターミナル駅まで送ってもらい、そこから電車で帰りました。そのシステムはファンにバレていて、僕の場合はよく新宿駅から自宅まで追いかけられました。そこは改善してほしかったですかね」

月に１回は、『ザ少年倶楽部PEMIUM』というスタジオ収録番組もある。現在MCを担当しているのはKing&Princeの永瀬廉と郄橋海人だ。２人体制になってから最初のレギュラー番組だったのだが…。

「ジャニーズ事務所」の廃業とともに『ザ少年倶楽部』や『ザ少年倶楽部プレミアム』が終了するのは当然のなりゆきだろう。『紅白歌合戦』も含め、ジャニーズは聖地「NHKホール」から締め出されてしまうようだ。

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