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 放送作家・コラムニストとして、数多くの著名人にインタビューし、コメンテーターとして活躍している山田美保子さん。小さいころは引っ込み思案で話すことも苦手だったそう。そんな山田さんを変えたのは何だったのか。さまざまな出会いや、出会った人のアドバイスを通じて、今の自分があるという山田さんが、自分が楽になるコミュニケーション術を紹介する新連載。第45回は「菅野美穂さんのこと」です。

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菅野美穂さんがドラマの衣装で電波ジャック

10月19日スタートの新ドラマ『ゆりあ先生の赤い糸』（テレビ朝日系）に主演している菅野美穂さんが、同日、早朝の『グッド！モーニング』から番宣のためにドラマの衣装で電波ジャックを行いました。

連続ドラマの出演は『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』（日本テレビ系・2021年1月期）に主演して以来、2年半ぶり。「いつもこの時間は何をなさっているんですか？」との女性アナウンサーからの問いに、「子どもを送り出している」「ドタバタ」と答える様子がとてもリアルに感じられました。

『ゆりあ先生〜』は、売れない小説家・伊沢吾良（田中哲司さん）と結婚後、自宅で刺繍教室を開きながら“穏やかな幸せ”を味わってきた平凡な主婦・ゆりあ（菅野さん）に舞い込んだ“不意の知らせ”により、生活が激変する物語。

そういえば『ウチの娘は〜』では菅野さんが小説家でしたよね。“売れっ子恋愛小説家”でシングルマザーの役でした。

そんな菅野さんがドラマで“妻”や“母”を演じると自然と出てくるのが夫の堺雅人さんのことです。

堺さんと菅野さんのルール

堺さんは7月期、社会現象にもなった「日曜劇場『VIVANT』」（TBS系）に主演。過酷な海外ロケや、自身とは別の人格の“二役”を演じ、番宣のために多くの番組にも出演。大忙しの夏を過ごされました。

そして今度は妻の菅野さんがテレビ朝日で話題作ばかりが送り出される「木曜ドラマ」に主演。

実はお二人には、「同じクールにドラマの仕事を受けない」という“ルール”があるそうで、二人のお子さんの子育てについても、決してワンオペにならないよう、手分けをしているという報道が女性週刊誌などでされています。

それらは、お子さんを遊ばせている公園の木陰で菅野さんが台本を読んでいたり、子どもさんを保育園に送り届けるために堺さんが全力で自転車を漕いでいたり…という、なんとも微笑ましいものばかりです。

ネットには「自家用車ではなく、自転車に乗って送り迎えしている」「堺さんもお子さんも、ちゃんとヘルメットを着用している。素晴らしい」という声が……。公私にわたり、お二人の好感度はさらに上がっているところです。

“特別な”エピソード

堺さんと菅野さんについて、私は“特別な”エピソードをもっています。

あれは堺さんが主演の大河ドラマ『真田丸』（NHK）が放送されていた2016年の年末のことでした。

この年、写真誌などが度々報じていたのは、NHKのスタジオに菅野さんが差し入れを頻繁に届けているということでした。共に主演俳優さん＝座長さんですから、いつ、どんなものを差し入れたらキャストやスタッフの皆さんが喜ぶかを熟知されていらっしゃる。残念ながら遠くからその様子を狙ったカメラには、菅野さんが何を差し入れたかまでは捉えられていませんでした。けれど、私は“それ”を目撃したことがあるのです。

同年末、私は某スーパーマーケットのレジで菅野さんのすぐ後ろに並んだことがありました。後ろ姿だったので最初は菅野さんとは気づかなかったのですが、辛子色のタダモノではない洒落たコートをお召しの小柄な女性が、スーパーの籠ではなく、直に赤い箱を一つ抱えて並んでいた姿に目が留まったのです。

思わずその箱を菅野さんの肩越しに覗き込んでしまいました。箱に記されていたのは「真田丸りんご」の文字。レジの女性からの「このままでいいですか？」の問いに、「はい、大丈夫です」と答えた女性の声に「あ！菅野さんだ」と確認。同時に後ろを振り返ると、「真田丸りんご」の箱が山積みされているコーナーが目に飛び込んできました。

「真田丸りんご」とは、「真田REDアップル」としてJA信州上田が厳選したりんごをNHK『真田丸』限定オリジナルパッケージに梱包したもので、2016年10月下旬から翌2月中旬まで販売していました。「真田REDアップル」そのものはまだ売っているようです。

りんご好きな堺さんのために

年末が近かったので、ドラマはクランクアップしていたと思われ、「これは現場への差し入れではなく、打ち上げ会場への差し入れに違いない」と当時の私は踏んでいました。

ところが、2022年年12月、イベントに登壇した堺さんが「信濃の戦国武将を演じた」のをきっかけに、りんごが大好きになり、シーズン中は１日３個、食べていると熱弁されているのを拝見。しかも「箱買いするんですよ」とも言っておられて、私はあの日のことを思い出しました。菅野さんは差し入れではなく、りんご好きな堺さんのために、箱入りの「真田丸りんご」が豊富に揃うスーパーまで、それだけを買いにいらしたのだと確信しました。

（写真提供：photoAC）

ちなみに堺さんによると、りんごを円盤状にカットすると“皮感”がなく食べることができるとのこと。さらに熱弁は続き、一年中売っているりんごの品種についてなど、“りんご愛”が止まらない堺さんなのでした。

実はその堺さんとドラマで共演経験がある私。『VIVANT』について某局のディレクターと話をしていたとき、それを告げると「え？ホントですか？すごいじゃないですか」とおだてられ、番組でエピソードを初めて話すことになりました。

心から応援したい夫婦

2015年4月期、堺さんが主演した『Dr.倫太郎』（日本テレビ系）で、テレビのコメンテーターもしている倫太郎（堺さん）の隣に座るコメンテーター役が私でした。数分の撮影でしたが、終了後、「やはり、プロは頷き方がお上手ですね。勉強になりました」と言ってくださった堺さん。

ドラマのスタート時、番宣のため東京のスタジオから『情報ライブミヤネ屋』（読売テレビ・日本テレビ系）に出演された堺さんは、偶然スタジオにいた私に対し、「ありがとうございました〜、ありがとうございました〜、ありがとうございました〜」と3回も言ってくださったのです。

夫婦揃って全く偉ぶることがなく、ママ友やパパ友たちにも自然に溶け込んでしまう堺雅人さんと菅野美穂さん。心から応援したいお二人です。

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