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極貧育ちの河井ゆずる「お金持ちになるまで待てないから」36歳で児童養護施設に寄付を始めた芸人の「使命」

3歳のときに母子家庭になった河井ゆずるさん。苦しい生活の中で英語だけ飛び抜けて成績がよかった理由や、芸人になってお金に不自由しなくなった後の金銭感覚は。(全3回中の2回)

【画像】「さすが男前芸人」自然体から韓流メイクまでイケメン・河井ゆずるの写真集「稲ちゃんの表情も秀逸(全11枚)

軍隊のような厳しさだった

──子どもの頃、お母さまはしつけに厳しかったそうですね。

河井さん:箸の持ち方や挨拶など、マナーや礼儀は非常に厳しく言われました。母は中卒でシングルマザーだからか、まわりから後ろ指をさされたくなかったのでしょうね。ほんま軍隊みたいな厳しさで指導されました。

──勉強はいかがでしたか?

河井さん:母から、うちは塾に行かせられないから、勉強でわからないことがあれば学校で解決してこい。わからないまま家に帰ってくるなと、口酸っぱく言われてました。

でも、英語は話せるようになったほうがいいと言って、英語の塾だけは通わせてくれたんです。すごく厳しくて質の高い塾だったこともあって、英語の成績だけはよかったし、英語に力を入れた公立の高校に入ることができました。ほんま、塾の先生に感謝ですね。

極貧育ちの河井ゆずる「お金持ちになるまで待てないから」36歳で児童養護施設に寄付を始めた芸人の「使命」 振り返りの笑顔が素敵

──ちなみにTOEICは受けられたのでしょうか?

河井さん:高校卒業後、貿易の専門学校に半年間だけ通った時期があったんです。家にお金が無くて半年間で辞めてしまいましたが、辞める前にTOEICを受けたときは780点でした。

英語を勉強していてよかったと思うことは結構あります。塾講師のアルバイトをするときに役立ったし、1人で海外に行くこともよくありますが、現地で困ることもほとんどないですね。洋画も好きでよく観ます。専門用語や早口の英語が聞き取れないこともありますが、基本的なやり取りやニュアンスは把握できます。

売れてからのお金の使い方

極貧育ちの河井ゆずる「お金持ちになるまで待てないから」36歳で児童養護施設に寄付を始めた芸人の「使命」 ニッコリピース

──高校卒業後、いくつかのバイト経験を経て今は芸人として活躍されています。ご自宅では、母子家庭かつお金にも苦労されたと聞きましたが、芸人になって大活躍されている今、お金の使い方は変化しましたか?

河井さん:特に変わってないですね。元々高級ブランドや贅沢なものにそんなに興味がないんです。唯一変わったことと言えば、飲みに行くときの人数や回数が増えたくらい。僕が芸人になりたての頃、いろんな先輩から食事に連れて行ってもらってたくさんお世話になりました。芸人一本で生活できるようになった今は、自分が先輩からしてもらったように、後輩にお金を使うことはあります。

──お金を持ったことで六本木や銀座などで豪遊する人もいるかと思いますが、河井さんはどうですか?

河井さん:夜の街で贅沢をするようなことはないです(笑)。苦労してお金を稼ぐことの大変さを知っているから、あえて豪遊したりムダ使いするようなことはないかな。そうかといってケチケチ使うこともありませんけど。お金の使い方は一生変わらないでしょうね。

── 河井さんは、収入の一部を児童養護施設に寄付をされているそうですね。ご自身が学生の頃に大変な思いをされたことも影響しているのでしょうか?

河井さん:生活環境が厳しかったのもありますが、20代の頃に出会ったアルバイト先の先輩のひと言がきっかけでした。あるとき先輩から「ゆずるの使命ってなに?」と聞かれたんです。使命とは、命を使うと書きますよね。改めて自分の使命とは何だろうと考えたとき、これまでの生い立ちを思い返しました。

母子家庭で貧困生活を経験して、有名になりたい、お金持ちになりたいと思って、芸人になる夢を追いかけてきました。そして、今では芸人になってご飯には困らなくなりました。自分がやるべきことは、かつての僕のように厳しい環境で育ちながらも、頑張っている子どもたちをサポートすることだろうと感じたんです。

──それで児童養護施設に寄付をしようと思ったんですね。

河井さん:もっと有名になって、もっとお金持ちになってから寄付するつもりでしたが、それだといつになるかわからない(笑)。だったら、今できることから始めていこうと思い、36歳から寄付を始めました。今後は、僕が死んだ後も寄付が続くような仕組みを作れたらいいなと考えています。

PROFILE河井ゆずる

大阪府出身。芸人。2010年11月に稲田直樹とアインシュタインを結成。趣味は飲酒、映画鑑賞、特技は英語。

取材・文/間野由利子

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