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視聴者から「殺してやる」と殺害予告、自宅前に動物の死体が…それでも久米宏(79)が『ニュースステーション』を18年半続けたワケ

〈中森明菜が新幹線の車内で歌い、ビートたけしは「生放送中に脱ぎ始めて…」久米宏(79)が語る『ザ・ベストテン』の“ありえない舞台裏”〉から続く

『ぴったしカン・カン』『ザ・ベストテン』(ともにTBS系)、『ニュースステーション』(テレビ朝日系)など、数々の伝説的な番組を担当したフリーアナウンサーの久米宏さん(79)。今年10月に、自身の歩みを振り返った自叙伝『久米宏です。ニュースステーションはザ・ベストテンだった』(朝日文庫)を上梓した。

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テレビ業界の常識や前提を覆し、革新的な手法で番組を作り上げていった久米さんはしばしば、“テレビを変えた男”と称される。いったい彼は、どのように番組作りに携わり、名番組を生み出していたのだろうか。久米さん本人に話を聞いた。(全4回の2回目/3回目に続く)

視聴者から「殺してやる」と殺害予告、自宅前に動物の死体が…それでも久米宏(79)が『ニュースステーション』を18年半続けたワケ
久米宏さん©文藝春秋

◆◆◆

「『ニュースステーション』は絶対に失敗する」と言われていた

――1985年10月、これまでの日本の報道番組の常識を覆した『ニュースステーション』がスタートし、久米さんは18年半もの間、メインキャスターとして活躍されていました。

久米宏さん(以下、久米)もともとクイズ番組や歌番組の司会をしていた人間が報道番組を担当することに対して、当時の風当たりの強さは尋常じゃなかった。

週刊誌やスポーツ新聞で、「『ニュースステーション』は絶対に失敗する」と記事にされ、番組がスタートする前から、失敗の“仕方”まで考えてくださるメディアもありました。

――強い批判に晒されながらも、新しい形の報道番組を作り続けられた理由はなんだったのでしょう。

久米開始前から「失敗する」と言われていた『ニュースステーション』が「成功」とみなされるためには、新しいことをやり続けるしかなかったんです。

ただ、新しい番組を作るだけなら誰でもできます。今までにない発想で、成功する番組を作らなくてはいけなかった。そのために、国内外問わずいろいろなニュース番組を見て研究しました。

アナウンサーの原稿の読み方、表情まで研究

――具体的にどのようなことを研究したですか?

久米例えば、なぜニュースのトップは政治経済の話題と決まっているのだろうか、犬が負傷したニュースがトップではダメなのか、というところから考え始めました。

ニュースの読み方ひとつでも、なぜどのアナウンサーも同じような表情で原稿を読み上げるのか、というのを気にしながら番組を見たんです。政治や経済の話題では神妙な表情をし、スポーツの話題に切り替わった瞬間に笑顔になるのも、視聴者にとっては不自然じゃないのか、というのも考えましたね。

つまり、これまでの報道番組で「当たり前」とされてきたことをひとつひとつ疑うことで、少しずつ新しい形を作り上げていったんです。

大きな反響を呼んだ「日航ジャンボ機墜落事故」の放送

――その結果、『ニュースステーション』は報道番組としては異例の視聴率20%超え、ピーク時には30%にも達する人気番組となりました。細部へのこだわりはもちろん、テレビ番組ならではの視覚に訴える企画も話題になりました。たとえば、犠牲者が520人にものぼった「日航ジャンボ機墜落事故」を取り上げたときに「靴」を並べた企画がありました。

久米あの企画は大きな反響を呼びました。犠牲者の数字だけでは、その痛ましさを伝えることは難しい。じゃあどうしたら伝わるのか。そう考えて提案したのが、亡くなった方の年齢、性別、職業に合わせて、履き慣らされた中古の靴を520足並べることでした。

広いスタジオに飛行機の図面を描き、座席表に合わせて520足の靴を並べた光景には、僕も目眩がしました。こんなにたくさんの人が亡くなったのか、と。あの日はお盆休みで、ジャンボ機は満席だったのです。「あの光景を見て泣いてしまいました」という視聴者からの声も、番組に数多く寄せられたと聞いています。

ただ、僕は企画を考えただけで、中古の靴を探して並べたのは番組スタッフたちです。だから、この企画を成功させたのは僕ではなく、スタッフの力ですよ。

斬新な企画を生み出すための「意外なコツ」

――とはいえ、久米さんの企画がなければ実現しなかった。なぜ数々の斬新な企画を生み出せたのでしょうか?

久米それは、僕がテレビだけでなく、ラジオもやっていたからだと思います。ラジオは、「見えないものをいかにして見せるか」が問われます。だから、ラジオとテレビでは、使う脳が全然違うんですよ。

――どういうことでしょうか。

久米たとえば、(前編でも話に出た)『永六輔の土曜ワイドラジオTokyo』で行った、ヌード中継もそう。

いまではさまざま観点からあり得ない企画でしょうが、乃木坂にある写真屋さんのスタジオを借りて、床に絨毯を敷いて、そこにタオル1枚だけをまとったモデルさんに横たわってもらって。そのタオルをバッと捲る様子を中継したんです。このとき僕は、「本当に全裸であることを伝えるために、お尻を叩きたい」と言ったのですが、担当ディレクターから「それをやると、品が悪くなる」と言われました。随分議論しましたが、僕が折れることになりました(笑)。

言葉だけで説明しようと考えた結果、本番中に「全体的に色白の肌です。お尻だけが更に白い。そのお尻に、3つ“あせも”ができている」と話したんですよ。あとから録音を聞いたら、それが正解だったなと思いましたね。もし僕の提案通りにしていたら、彼の言う通り品がなく、リスナーは興ざめしたはず。

どうしたら聞いている人に、リアルに正しく伝わるのか。そのためには何をして何をしないのか。音声だけが頼りのラジオを長年やってきたから、そんな考え方が癖になっているんです。それをテレビに応用させた、というだけのことなので。

脅迫状が届いたり、自宅前に動物の死骸が捨てられていた

――一方、『ニュースステーション』成功の裏で、視聴者から生死に関わるような脅迫を受けていたそうですね。

久米僕がはっきりとした物言いをしていたこともあって、番組宛に苦情の電話が来るのは日常茶飯事でした。テレビ局や事務所に「殺してやる」と書かれた脅迫状が届いたり、自宅の玄関前に動物の死骸を捨てられたりしたこともあります。

1987年には、朝日新聞阪神支局が襲撃されて、報道記者2名が殺傷される事件が起こりました。当時、事件の報道を見ながら「自分もいつ殺されてもおかしくない」と思っていました。

――著書の中で、「『ニュースステーション』を始めるときに、殺される覚悟をした」と書かれていましたが、怖くはなかったのでしょうか?

久米怖かったですよ。でも、殺されるのを怖がって、言いたいことも言えない番組にはしたくなかった。そのためにも、殺される覚悟は必要だと思っていました。結局、79歳まで生きていますけどね。

やすしさんと飲んだ日以上に怖い思いをした日はない

――その覚悟は、『久米宏のTVスクランブル』で一緒だった横山やすしさんの影響もありますか?やすしさんは、「殺されてもいい」覚悟を持って人前に出ていたそうですが。

久米あるかもしれません。やすしさんは生放送で言っちゃいけないことを言う。番組の途中でトイレに立ち、そのまま戻ってこないこともある。そもそも、スタジオに現れない日もある。そんな破天荒な人と一緒に番組をしていたから、怖いもの知らずにはなりました。

それに、これまでの人生で、やすしさんと飲んだ日以上に怖い思いをした日はないんです。

――何があったのでしょうか。

久米やすしさんは酔っ払うと、顔が青くなる人なのです。青くなった彼が、「何こっち見とんねん?」と周りの客に絡むんですよ。しかも、わざわざ血の気の多そうな人を選ぶ。それを7、8軒繰り返すんです。「このままでは、やすしさんが誰かに殺されてしまう」と怖くなりました。

後日、やすしさんが所属していた吉本興業の方にその話をしたら、「よく一緒に行きましたね。今の大阪で、あの人と飲む人なんていないですよ」と言われて。先に教えてくれと思いましたよ(笑)。

SNSで誹謗中傷する人は、無意味に相手を責めて、自分を正当化ししている

――最近では、SNSを介した誹謗中傷が問題になっています。状況は異なりますが、多くの誹謗中傷や脅迫を経験してきた久米さんは、この状況をどう見ていますか?

久米僕はSNSどころか、スマートフォンもうまく使えません。iPhoneの最新型を持っているのに、電話に出るのがやっとなくらいです。だから、SNSで誹謗中傷する人や、それに苦しむ人の気持ちを理解しきれない部分もあるかもしれない。

でも、僕はもしかすると、人間は他人を責めないと生きられない悲しい生き物ではないかと思っているんです。自分が生き残るために、他人をいじめるんですよ。それは今も昔も変わらないし、誰もがいじめる側にもいじめられる側にもなり得ます。

夫婦などの身近な存在でも同じです。僕はよく妻と喧嘩をするのですが、喧嘩している最中にふと冷静になると「なんでこんなことをやっているんだ」と思う。無意味に相手を責めて、自分を正当化しようとしている。

――つまり、いじめられる側は「自分が悪いからいじめられる」と思って辛くなるかもしれないけど、いじめる側は自分を守るために攻撃しているだけで相手は誰でも良い、と。

久米自分が救われるなら、いじめる相手は誰でもいいし、理由なんてなんでもいいんですよ。自分を守るための便利なツールとして、相手を誹謗中傷するんです。いじめられている人は、ある意味いじめっ子にとってのイエス・キリストのような存在ですよね。無条件に相手を救っているのですから。

――誹謗中傷する理由を知ることで、悩みは解決しなくとも「人間はこんなもんだから」と割り切れるようにはなるかもしれないですね。

久米そう考えるとほんの少し楽になるかもしれない。まあ、僕も79歳になってその境地に至ったので、なかなか難しいとは思いますけど。

すごい方たちと立て続けに、濃密な仕事ができたアナウンサー人生

――79歳になった今、ご自身のアナウンサー人生をどのように捉えていますか。

久米TBSに入社して約3年間は、体調不良で電話番ばかりしていました。回復した頃に、憧れだった永六輔さんに声をかけていただいて、『永六輔の土曜ワイドラジオTokyo』に出ることができた。そこから萩本欽一さんや黒柳徹子さん、横山やすしさんといった方々に出会って。こんなすごい方たちと立て続けに、濃密な仕事ができた人間は、僕くらいだと思います。

最初の頃は番組を何本か潰して「番組つぶしの久米」なんて呼ばれたこともありましたけど。『ぴったしカン・カン』以降は順調でした。『ザ・ベストテン』は空前絶後の大ヒット番組になって、今でもあれだけ成功した歌番組はないと思います。『ニュースステーション』も奇跡的に成功させることができた。そう考えると、僕は本当に運がよかったんです。

――最後に、最近のニュース番組について思うことがあれば聞かせていただけますか。

久米ニュースは今もよく見ています。ただ、ノーコメントでお願いします(笑)。

〈「もっと、ねぇお願い」ラジオでベッドシーンを生中継、俳優の演技がエスカレートして…久米宏(79)がTBS時代に犯した“大失敗”〉へ続く

(仲奈々)

視聴者から「殺してやる」と殺害予告、自宅前に動物の死体が…それでも久米宏(79)が『ニュースステーション』を18年半続けたワケ 外部サイト 【続きを読む】中森明菜が新幹線の車内で歌い、ビートたけしは「生放送中に脱ぎ始めて…」久米宏(79)が語る『ザ・ベストテン』の“ありえない舞台裏” 【秘蔵写真】実はイケメン…メガネを取った“若き日の久米宏”さんを写真で見る 「もっと、ねぇお願い」ラジオでベッドシーンを生中継、俳優の演技がエスカレートして…久米宏(79)がTBS時代に犯した“大失敗”

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