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全国各地のライブ会場に出没、家の前まで付いてくる、彼女かのような手紙を郵便受けに…上田晋也が体感した“熱狂的お笑いファン”のリアル

〈タメ口、寝坊、上から目線…「私、爆笑問題のことナメてます!」くりぃむしちゅー上田晋也が明かした“爆笑問題”との“奇妙な関係性”〉から続く

多くのファンに応援してもらうことが何よりも重要といっても過言ではない芸能界。それだけに自身を応援してくれるファンは大切な存在だ。しかし、なかには一線を超える熱狂的なファンもいる。自宅を特定し、日々手紙を郵便受けに届け、そして……。

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ここでは、くりぃむしちゅーの上田晋也氏が著した『赤面一生懸命だからこそ恥ずかしかった20代のこと』(ポプラ社)の一部を抜粋し、同氏が実際に遭遇した熱狂的なファンとのエピソードを紹介する。

全国各地のライブ会場に出没、家の前まで付いてくる、彼女かのような手紙を郵便受けに…上田晋也が体感した“熱狂的お笑いファン”のリアル
 

◆◆◆

最初のファン

芸人を始めて2年近く経った頃であっただろうか、私のことを熱狂的に応援してくれる女性が現れた。彼女はその当時、中学3年生か高校1年生だったと思うが、とにかく我々が出演するライブ、舞台、イベント、すべてに顔を出してくれていた。多分、私のファン第1号だったと思う。

私の追っかけをしていたということは、その子にとって一生の汚点かもしれないので、T美ちゃんとしておく。誰が一生の汚点だ!

その当時、私はどこに行くにも電車移動だったため、ライブに出演したあと、電車で帰ることになるわけだが、毎回出待ちをしていたT美ちゃんは、私にプレゼントを手渡し、当然のように駅まで付いてきて、当然のように私と同じ切符を買い、同じ電車に乗り、時には同じ駅で降り、私の家の前まで付いてくる、ということがたびたびあった。

ファン第1号になってくれた感謝もあり、熱心に応援してくれていたので、邪険にもできず、いろいろ会話を交わすようになった。もちろん、連絡先などは知らないし、あくまで芸人とファンという距離感ではあったが。

T美ちゃんは、とにかくあらゆるところに顔を出した。東京のすべてのライブ会場はもちろん、群馬や栃木のイベント、愛知や大阪のイベントまで、(こんなところまで来るの?)と思うことが多々あった。私専用のGPSかと思ったくらいだ。

「はい、どうもーこんにちはー、海砂利水魚(当時)でーす!」と舞台に上がると、決まって最前列にT美ちゃんが陣取っている。(またいるわ)と、いつしかT美ちゃんの出欠を取るのが、舞台に立ってまず最初にやることになった。

来てくれること自体はもちろんありがたいのだが、芸人がイベントなどでやる、いわゆる“営業ネタ”というものは、どの芸人も30分ならコレとコレ、45分ならコレとコレとコレ、などお決まりのパターンがあり、同じネタを何度も観られるのはこっ恥ずかしいのだ。同じギャグを観られるのも恥ずかしいが、もっと恥ずかしいのは、ネタ振りの部分で、何も知らないかのように振る舞っている部分。たとえば、

有田「いやー、この前オフクロと電話しましてね。『テレビ観た』って言うから『面白かったよ』とか言ってくれるかと思ったら、『お前の顔はテレビに出る顔じゃない』と」

上田「はぁ?我が親が?」

有田「『お前なんかテレビで観たくないよ』と」

上田「そんなこと言うかね?ワッハッハッハッ」

有田「『って相方に言っとけ』って」

上田「俺のことかい!」

のような、我々のお決まりのやり取りがあったが、オチの部分より、「はぁ?我が親が?」と「そんなこと言うかね?ワッハッハッハッ」の、いつもやっているくせに、毎度知らないフリをするのを見られるのが異常に恥ずかしい。「逃走用のヘリを用意しろ!」と言って姿をくらましたくなるくらい恥ずかしい。

そういった、何も知らないかのように振る舞う部分では、T美ちゃんのほうを見ることはできなかった。「あー、上田さん、またやってるー」と思われているような気がして。

まあそれはともかく、T美ちゃんは飽きもせず、同じネタを何十回も観ているのに、あらゆるところに現れた。

まさか熊本にまで…

そんなある時、熊本のイベントに呼ばれ、朝の飛行機で向かうことになった。マネージャーと有田と、羽田空港のチェックインカウンターで待ち合わせをし、手続きを済ませ、手荷物検査場へと向かっている時に、有田がふと思いついたように話しかけてきた。

「ひょっとしたらT美ちゃん、今日熊本にも来るんじゃない?」

「えっ、いや、さすがにそれはないでしょ!今までは電車で来られる範囲だったからねー。飛行機の距離はさすがに来ないでしょ?」

「いやー、俺は来ると思うなー」

「いや絶対来ないよ」

そんなやり取りをしながら、搭乗口に向かうと、なんと、搭乗口前の椅子にT美ちゃんが座っているではないか!(おいマジかよ!飛行機の距離も来るのかよ?)呆れ果てていると、T美ちゃんは我々の存在を確認し、くノ一よろしくスッと身を隠しながら、搭乗口の中に入り、飛行機に乗り込んでいった。有田は「ねっ、言ったでしょ?」と、鬼の首めし取ったりの顔でニヤニヤしていた。

数分後、我々も搭乗口から飛行機に乗り込んだ。通路を後方に向かっていると、右手のほうにT美ちゃんが座っているのが目の端に見えた。目の端だが、T美ちゃんが私の方をガン見しているのはわかる。今日もまた「逃走用のヘリを用意しろ!」の気分になるのかと、いささかの鬱屈を抱えながら歩いていたため、わざとT美ちゃんの存在に気づいていないフリをして、そのまま通り過ぎようとすると、T美ちゃんはたった今私の存在に気づいた風を装い、こう言った。

「アラ、上田さんも熊本?偶然!」

私は思わず吹き出し、こう返した。

「ウソつけーーー、偶然なわけあるかーーー!君、熊本にライブ以外何の用事があるんだよー!」

T美ちゃんのあまりのすっとぼけように、ほかの乗客の存在も忘れ、高校球児の選手宣誓の時くらいの声量で突っ込んでしまった。

その夜の熊本でのライブ、「はい、どうもーこんにちはー、海砂利水魚でーす!」と勢いよく舞台に飛び出ると、案の定T美ちゃんは最前列に陣取っており、「晋也LOVE」と書いてあるウチワを持ってキラキラした笑顔で私のほうを見ていた。

数分後「おい、逃走用のステルス戦闘機を用意しろ!」という気分になったことはお察しの通りである。

誕生日、帰宅すると玄関に“晋也誕生日おめでとう”という張り紙が!

こんなこともあった。26、27歳の私の誕生日のこと。

仕事を終え、あと数メートルで家に着こうとしたその時、玄関にいつもとは何か違う、2月30日という日めくりを見たような違和感を感じた。

目を凝らしつつ玄関に近寄ると、なんとそこには、幼稚園のクリスマス会などでよく見かける、折り紙で作った輪っかを連ねた飾り付けがしてあるではないか!そして玄関のど真ん中には“晋也誕生日おめでとう”と、初めて全国制覇した仙台育英か、というくらいのデカさで紙が貼られていた。さらにドアノブにはビニール袋がぶら下げてあり、中にはプレゼントの洋服と手紙が入っていた。どうやらT美ちゃんなりの最大限のサプライズをしてくれたらしい。

祝ってくれるのはもちろんありがたいのだが、飾り付けや貼り紙はぶっちゃけ迷惑であり、ディズニーランドの清掃キャストばりの手際のよさでとっとと片付けた。

次の日。前日の飾り付け類は、かなり長時間にわたって玄関に施されていたようで、近所の人と顔を合わせるたびに「アラ、昨日お誕生日だったみたいで?おめでとうございます」と口々に言われ、幸か不幸か今までの人生で一番多くの人に祝ってもらった誕生日となった。

後日、ライブに来ていたT美ちゃんに会った時に「勝手に家訪ねてきて、飾り付けとかやめてくれよ」と言っても、「えー、別にいいじゃん!何もイタズラとかしてるわけじゃないし!」と、これは本当にタレントとファンの距離感なのか、というような近しい距離感で、私の意見を受け入れる気配もない。

スクラップブックと一緒に「さようなら」と書かれた手紙が

それからも、「おっ、今日は珍しくT美ちゃんライブに来てなかったな?」と思って家に帰ると、郵便受けにT美ちゃんからの手紙が入っており、「ゴメンねー、今日忙しくてライブ行けないんだー!週末のライブは行くねー!」と、完全に彼女の距離感の手紙が入っていたりした。(いや、俺の家に来る時間があるんなら、ライブ会場に来いよ!)と思いながらも、家に来ることを阻止する術もなく、それからもちょくちょく郵便受けに手紙が入っていたり、なんの記念日でもないのに、ドアノブにはプレゼントがぶら下げられ、折り紙で作った飾り付けが施されたりしていた。そして貼り紙には“晋也お帰り”や“晋也お疲れ”などの、デカデカと貼り紙にする必要のまったくない文字が書かれていたりした。

時には“晋也今日どうだった?”と疑問形で終わってる日すらあった。

(家に来ることはなんとかやめさせないといけない、いよいよ一度強めに怒らなきゃダメだな)そんなことを考えていたある日のこと。仕事を終え家に帰ると、ドアノブに袋がぶら下がっている。(ん?またT美ちゃんが来たのかな?)ため息をつきながら、袋の中を見ると、分厚いスクラップブックが6冊入っている。なんだろうと思い、中のページをめくると、我々海砂利水魚がデビューした時からそれまでの、雑誌でのインタビュー記事やライブ、学園祭のチラシなどがほとんど全部、綺麗にファイリングされていた。そして、それらのスクラップブックと一緒に一通の手紙が入っていた。母親の字以上に見慣れたT美ちゃんの字でひと言、「さようなら」と書いてあった。

なぜなのか理由はまったくわからないが、ファンをやめたらしい。T美ちゃんも社会人になるくらいの年齢で、就職を機にお笑いライブ通いを卒業しようとしたのかもしれないし、単に私を応援することに飽きたのかもしれない。

一体何があったのだろう、こうなると私のほうがT美ちゃんのことが気になって仕方がない。今度は私がT美ちゃんのGPSになってやろうか、と思ったくらいだ。それまでは、正直言ってうっとうしいなと思うことも時にはあったが、ものすごく淋しい気持ちになった。

T美ちゃんは、それ以降宣言通り一切姿を現すことなく、忽然と消えた。私はこれをきっかけに「さようなら」という言葉が大嫌いになった。パクチー、ピクルスと同じくらい嫌いだ。コーヒーはもっと嫌いだ。

熊本でおよそ20年越しの再会

それからおよそ20年後、我々くりぃむしちゅーは、「熊本復興支援チャリティトークライブ」をコロナ前まで行っており、そのライブでは終演後、会場ロビーで、来てくれたお客さん一人ひとりと握手をし、我々のステッカーを配り、募金を募ったりしていたのだが、その第何回目かのライブ終了後、お客さんたちと握手をしていると、久々に、聞き慣れた声で呼びかけられた。

「上田さん、久しぶりー!元気そうだねー!」

T美ちゃんであった。相変わらず明るく、元気で、馴れ馴れしい距離感のままだった。

「おー、なんだよ、久しぶりだなー!元気だったかー?」

「うん、元気元気!ちゃんと真面目に社会人やってるよー!」

「おー、そうかー!いや、長年顔見せないから、元気にしてるかなー、って気になってたんだよー!」

「うん、また来るよー!」

「おう、また来いよー!」

次のお客さんも並んでいたため、それだけのやり取りだったが、なんだか初恋の人に再会したような気分になって嬉しかった。T美ちゃんが相変わらずのキャラで、そして元気そうでよかった。また来いよ、っていっても家には来るなよ、と、およそ20年越しに言いそうになったが、今ならT美ちゃんが家に来ても、お茶くらいは出してあげると思うし、近所にご飯でも食べに行き、昔の話でもするかもしれない。

応援してくれるファンの方というのは、本当にありがたいものだ。今もこんな私を応援してくれる人が、数多くいる。いや、失礼、見栄を張った、数多くはないが、何人かいてくれる。中には、事務所に手紙を送ってくれるだけじゃなく、クリスマスや誕生日プレゼントを贈ってくれるファンの方もいる。

「テレビに出ている上田さんに笑わせてもらって、いつも元気をもらってます」というようなことが書いてあったりするが、そういう手紙をもらって「よし、この人が応援してくれているから頑張ろう!」と励まされているのは、私のほうなのである。ましてや、プレゼントまでいただくのは本当に恐縮だし、申し訳なさすぎる。プレゼントを差し上げたいのは私のほうなんですから、どうぞお気遣いなさいませんよう。

私が出ている番組を観ていただければ、それで十分ありがたいです。私が出ている番組を全部ご覧いただいて、「上田は面白い」と、あらゆるSNSに書き込んでいただいて、さらに私の著書『経験』と『激変』と、そしてこの『赤面』を一人数冊ずつ買っていただければ十分、まっ、十分というか腹二分目なんで大丈夫ですよー!

(上田晋也/Webオリジナル(外部転載))

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