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「仕事を辞めて富山に帰るしかないのか…」94歳母の『遠距離介護』を続ける「柴田理恵」さん(64歳)が明かす「葛藤」と、「介護でいちばん大切なこと」

「仕事を辞めて富山に帰るしかないのか…」94歳母の『遠距離介護』を続ける「柴田理恵」さん(64歳)が明かす「葛藤」と、「介護でいちばん大切なこと」

認知症への不安はさまざまだ。おカネや介護施設、自分の身の回りのこと―考えだしたらキリがない。「備えあれば憂いなし」。そうはいっても、いったいどんな準備をすればいいのか。徹底調査した。

「迷いがなかったと言ったらウソになります」

「あれは、'17年10月半ばのことでした。富山に住んでいる親戚から、携帯に電話があったんです。『理恵ちゃん大変!おばちゃん(柴田さんの母親)が入院することになった!』と。実家に通ってくれていたヘルパーさんが、熱を出して苦しそうな母を心配して、親戚に連絡してくれたそうです」

俳優の柴田理恵さん(64歳)は、「遠距離介護」の始まりをしみじみとそう振り返った。

当時、柴田さんの母親は89歳。親戚に連れられて地元の大病院へ行くと、診断結果は腎臓が細菌に感染して炎症を起こす腎盂炎だった。

3日後に柴田さんが駆けつけた際には命の危険もあったが、病状は徐々に回復。1週間後には、会話もできるようになっていたという。

「入院中に要介護認定の更新がありました。それまで母のレベルはもっとも軽い『要支援1』。しかし、更新の結果、重いほうから2番目の『要介護4』になった。介護なしには日常生活を送れない重度の状態と認定されたのです」

正直、困った―。そのときの心境を柴田さんは率直に語る。父親はすでに亡くなり、柴田さんは一人っ子。母親は以前から「東京には行かない」と宣言していた。ならば、自分が仕事を辞めて富山に帰るしかないのか。

「迷いがなかったと言ったらウソになります。でも、富山に帰るという考えは、すぐになくなりました。というのも、母からは常々、『自分の人生は自分のもの。あんたの人生はあんたのもの』と言われていたんです。親と子供の人生は別物、というのが母の信念でした。

私の生活が東京にあるのと同じように、母の大切なコミュニティは富山にある。地元での人間関係を大事にしているからこそ、東京ではなく富山の自宅で暮らさせてあげたいと思いました。だから私は、仕事を続けながら片道3時間の遠距離介護をする覚悟を決めた。特に帰る頻度は決めずに、仕事の合間をぬって富山に帰っていました」

まず、地域包括支援センターに相談した

まずは、病院でのリハビリがスタートした。気落ちしている母親のために柴田さんが考えたのが、「ニンジン作戦」だ。

「茶道や謡の先生だった母にとって、それらを教えることは生きがいでした。だから、『地元の教え子たちが待ってるよ』とニンジンをぶら下げたんです。すると母はハッとした表情を浮かべ、『そうだ、教え子が待ってる』と。ニンジン作戦は功を奏し、母親はみるみる元気になりました」

だが、入院から約1ヵ月が経った12月初旬、夜中にトイレに行こうとして転倒、腰椎を圧迫骨折してしまう。

「2週間の絶対安静のあと、母は何とか気力を取り戻してリハビリを再開しました。お正月を自宅で過ごしたいという気持ちだったんだと思います。そのかいあって、杖をつきながらではありますが、'18年の正月は一時帰宅し、一緒に大好きなお酒を飲むことができました」

1月半ばには、何とか一人暮らしができるまでに回復し、無事退院。ただ、富山で冬の間に一人暮らしさせることは危険だと考え、春までは介護老人保健施設(リハビリや医療ケアを行う施設)で過ごすことになった。

「介護施設で過ごしている間に、私は母の一人暮らし復帰のための準備を始めました。まずは、地域包括支援センターに相談したうえで、ケアマネさん、ヘルパーさん、担当医の方などにチームを組んでいただき、ベッドはどういうものがいいか、手すりはどこに付ければいいかといった助言をもらいました。

介護にかかった費用の詳細

時間をつくっては実家に帰省し、家の片付けもしました。片付け術みたいな本だと、何でもかんでも整理しましょうと書いてあるけど、それではダメだとわかった。お年寄りって、テレビが見られる場所に文房具や薬があったほうが都合が良かったりする。手の届く範囲にいろいろなものがあったほうが良いんですね。私も勝手にいろいろ整理しちゃって、母にあとから怒られました(笑)」

そして'18年4月、母親の要介護認定は「要介護4」から「要介護1」にまで回復し、自宅に戻ることができた。

「介護施設でのデイサービスは月と金の2回、ヘルパーさんの訪問は火、木、土の週3回にして、水曜日は母が自由に使える時間にしてもらいました。近所の人がたずねてくれたり、茶道の教え子が遊びに来れる日をつくるようにしたんです」

在宅介護スタート時の費用は、介護保険を利用した分が月額2万7652円。内訳は、デイサービス1万7425円、訪問介護8997円、福祉用具レンタル1230円。介護保険以外では、食費やおむつ代などの生活費が月5万円程度。合計で7万7652円だ。

その後、柴田さんの母親は転倒して骨折をしたり、体調を崩したりで、入院→施設でリハビリ→一人暮らしというサイクルを繰り返すようになる。入院には月額約21万円、入所には約11万円がかかった。それらはすべて母親の年金や蓄えから支払ったという。

「孤独死しても恨まない」

遠距離介護を継続していた柴田さんだが、コロナ禍を経験し心境の変化もあった。

「コロナ禍で会えない時期は、タブレットを使ってリモートで会話をしていました。帰れなくてごめんなさいって伝えたら、母は『仕方ない。お前の体と仕事、両方大事にしてくれ』と言ってくれた。それで、私は無理して帰るのをやめました。東京から富山は往復6時間かかりますし、交通費もばかにならないですからね。

介護で大切なのは、やっぱり無理しないことだと思います。週1回必ず帰るとか厳密にしちゃうと、親子共倒れになってしまう可能性もある。周りからはわがままだと言われるかもしれませんが、他人にとやかく言われることではなく、親と子が納得していればいいんだと思います。同時に、気持ちを言葉で伝えることも大切です。恥ずかしがらずに感謝の気持ちを伝えて、不満があるならそれも聞いてあげる。

以前、母が全然着替えをしないとヘルパーさんから伝えてもらったことがあった。最初は母が弱ったからだと思ったんですが、よくよく聞いたら、洗濯をしてくれる親戚のお嫁さんに気を遣ってのことでした。そういうことも、ちゃんと話さないとわからないですから」

柴田さんの母親は'19年に「要介護2」になり、'22年の春には腸閉塞を起こして現在も入院生活が続いている。

「94歳になった母は今でも家に帰ろうと頑張っています。そこまでの気持ちがあるなら、もうあとは母の好きにさせるしかないと思っています。転んで頭を打って朝まで誰も来てくれなくても、それはお母さんの責任だからね、と。母は『孤独死しても誰も恨まない。化けて出ない』と言っています(笑)。母には母の幸せがある。それを尊重してあげることが、介護においては重要なんじゃないでしょうか」

親子それぞれにとって幸せな生き方は何かを考えたうえならば、遠距離介護という選択は決して親不孝ではないのだ。

「週刊現代」2023年12月2・9日合併号より

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