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荒牧陽子「ものまねシンガー活動絶頂期に休業」30歳過ぎてようやく光が見えたときに決断した真意
子どもの頃から歌の大会で数々の賞をとってきた荒牧陽子さん。しかし岡山から上京してシンガーソングライターとして活動するもなかなか芽が出ずに、30歳を過ぎてようやく「ものまねシンガー」として一気に注目を集めた最中で休業をした真意は。(全3回中の2回)
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30歳を過ぎてテレビにで始めたとき
──2011年7月に『スター☆ドラフト会議』に出演以降、一気に活躍の場が広がりましたが、2012年11月に休業を宣言。2013年からしばらく休業に入りました。改めて休業された理由はなんだったのでしょうか。
荒牧さん:単純に疲れちゃったんだと思います。体調や喉の調子もよくなかったですし、「ものまねシンガー」としてはたくさんお仕事をいただきましたが、元々は「シンガーソングライター」として自分の歌で勝負したかった思いもあります。
もちろん、歌いたくないっていうのは全然なかったですよ。ファンの方が喜んでくださって、30歳までテレビにもほとんど出ていなかった私にオファーをいただけたことに感謝もあります。でも、ちょっとしんどかったんですね。日々スケジュールに追われるまま地に足がついていたかというと疑問だし、一度リセットしたくなったんだと思います。
──プレッシャーを感じることはありましたか?たとえば「ものまね」で賞を取って当たり前に思われるとか。
荒牧さん:よく言われるんですけど、私、当時ものまねで優勝したことなかったんですよ。「いい点取るでしょ」って言ってくださる方もいましたが、決勝に進んだこともなかった。予選の対戦相手が私だと知って「えー、荒牧さんと戦いたくない!」とか言われるんですけど、結果、その人が決勝に勝ち進んでいくみたいな(笑)。
ただ、なぜか賞を取るとか毎回いいところまで進んでいるイメージを持たれることが多かったので、そういう意味でのプレッシャーはありました。
熱唱する荒牧さん──ようやく活躍した最中での休業について、葛藤や焦りはありましたか?
荒牧さん:まったくなかったんですよ、不思議なことに。休業期間も考えていなかったし、まずは一生懸命走ってきて休みたいなと思う方が大きかったです。
実際休業に入ってまず思ったことは「解放!」でした。肩の荷が降りて楽になった感じですね。
休業から復帰までどうしていたのか
──休業中はどんな生活をしていましたか?
荒牧さん:特に何も。忙しい日々から一気に何も無くなって、何もしないでのんびりしてました。もともと出不精なので、何も予定がなければ家にいるし、テレビを見ながらひたすらゆっくりしてたのかな。ガイドボーカルの仕事は歌の勉強にもなるので休業中も続けていましたが、それも月に2、3曲程度。あとはほとんど家にいたと思います。
ただ、そうした生活が長くなるとそれはそれでつらくなってくるんですけど。これじゃダメだ。動かなくちゃって後半は思うこともありました。
──お仕事はどのようにして再開されていったのでしょうか?
荒牧さん:徐々にですね。結局2年弱くらい休みましたが、ちょっとずつライブのお仕事から再開して、テレビのお仕事は復帰して5年くらい経って、ちょっとずつですね。
お休みして自分と向き合う時間もできたし、余白ができたことでやっぱり歌を歌いたくなったんだと思います。以前は日々追われるように過ぎていきましたが、復帰後は自分から前のめりになってもっと歌いたいし追求したい。自分しかできないエンターテイメントを作りたいと考えるようになりました。
──気持ちが前を向かれて。
荒牧さん:あと、休業しているときにファンの方からメッセージをいただくこともあって思い出すんですよ。自分の歌声を聞いてすごく喜んでくださった皆さんのお顔とか離れてみて改めて気づくことってあるじゃないですか。復帰してから、いろいろなことが大切に受け止められるように自分も変わっていったんだと思います。
PROFILE荒牧陽子さん
岡山県出身。1981年生まれ。シンガーソングライター。20歳の時に上京し、カラオケのガイドボーカル、ものまねシンガーとして活躍の幅を広げながら、シンガーソングライターとして活躍を続ける。
取材・文/松永怜
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