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「遅っせぇ〜なぁ! どうなってんだよ!」ライブハウス店長にケンカを売ったことも…才能はあるのに扱いに困った「氷室京介(63)の新人時代」

〈「いくら掃除をしてもこの臭いは消えません」女性メンバーが放尿→不潔すぎてミミズが発生したことも…伝説のライブハウス「新宿ロフト」が出禁にした「ジャンル」の正体〉から続く

「ウチではちょっと……」

【写真多数】ギラついた目が怖すぎる…「BOØWY時代の氷室京介」

今では多くの人が知る伝説的「BOØWY」。ところがデビューして間もない頃は、音楽的才能は豊富なのに、誰もが“彼らの扱い”に困った理由とは?ライブハウス「ロフト」創始者である平野悠氏の新刊『1976年の新宿ロフト』(星海社新書)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/前編を読む)

「遅っせぇ〜なぁ! どうなってんだよ!」ライブハウス店長にケンカを売ったことも…才能はあるのに扱いに困った「氷室京介(63)の新人時代」
今だから語れるBOØWY、氷室京介の若かりし頃のエピソードをお届け(写真:ユニバーサルミュージックジャパン公式サイトより)

高崎の不良バンド、BOØWYが私の最後の音楽仕事になった

下北沢ロフトの店員バンドだったサザンオールスターズ、ロフト・レーベルからデビューした竹内まりやと将来性を見込める新人を発掘したものの、当時のロフトはとにかくお金がなかったのでこれらの表現者に対して何の援助もできなかった。

そんな忸怩たる思いが募るなか、1981年の春頃、業界で天下を取っていたあのビーイングの創業者・長戸大幸が私を訪ねてきて、唐突にこんなことを言い出した。

「高崎出身の暴威という新人バンドの面倒を見ることになったのですが、これがちょっと破天荒な連中でして。元暴走族なんですよ。それでこの不良バンドを扱えるのはロフトの平野さんしかいないと思いまして。彼らの音楽性には将来性を感じるのですが、自分には手に負えない不良バンドなので、なんとか平野さんに面倒を見てやってほしいのです」

そうして渡された暴威のデモテープを聴いてみた。いま思えば、「IMAGEDOWN」や「NO.NEWYORK」といった初期の代表曲が入っていたのだろう。

「おっと、いいサウンドしていますね。面白い、これはいけるかも。天下のビーイングと組んで仕事ができるなんて面白そうだし、もちろん引き受けさせてもらいます」と、私は少々興奮して答えた。

少し時間を置いて彼らと会うことになった。ギラついた目の切れ味鋭いカミソリみたいな連中だった。ボーカルの氷室京介(当時は狂介)、ギターの布袋寅泰と諸星アツシ、ベースの松井常松(当時は恒松)、ドラムの木村マモル、サックスの深沢和明。最初は6人編成のバンドだった。まもなくドラムが高橋まことにチェンジし、1982年10月にギターの諸星、サックスの深沢が脱退する。

1981年5月11日、暴威は『暴威LOFTFIRSTLIVE!!』と題したライブでロフト・デビューを果たしたが、初ライブにして初ワンマンの客はわずか13人(男性9人、女性4人)。このとき、客席に加入前の高橋まことがいたのは有名な話だ。

「遅っせぇ〜なぁ!どうなってんだよ!」

また、新宿ロフトでは土曜に「新人バンド公開オーディション」を設けており、何組かのバンドと一緒に暴威をブッキングした。あるとき、リハーサル時間が押したことに怒った待機中の氷室が、いきなりテーブルを叩きながら「遅っせぇ〜なぁ!どうなってんだよ!」と大声で怒鳴り出した。店長が「もう少し待ってくれないか」と言うと、「誰だ!てめぇ〜は!」と毒づく始末。

幸い、このロフトの店長と高橋まことが旧知の間柄だったことがわかり、事無きを得たのだが、まだ無名の新人バンドがロック小僧の聖地である新宿ロフトの店長にケンカを売るとは、度胸がいいにも程がある。

長戸大幸に「何とかしましょう」と約束した手前、放り出すわけにもいかず、その後も手を焼かされたものである。レコード会社のプレゼンテーションにメンバーが大遅刻をやらかしてみたり、どのレーベルの幹部も、その不良性に「ウチではちょっと……」と二の足を踏んだ。

その後、ビーイングのある大物アーティストを契約させる見返りとして、ようやくファースト・アルバム『MORAL』を1982年3月に出せることになった(この時点でBOØWYに改名)。だが、レコード会社はアルバムのプロモーションもろくにせず、誰も彼らの才能を見抜くことができなかった。そもそも「エアロスミスとアナーキーとサザンを足して3で割ったバンド」というレコードの帯コピーからしてセンスの欠片もなかったのだ。

そんな不満を解消すべく、彼らはライブに打ち込んだ。『GETHOTROCKS!』『DoTheR&R』といったシリーズGIGを新宿ロフトで月1ペースでやり続け、4人編成になって以降は動員もどんどん伸びて将来性も見えてきた。

だが、その辺りからBOØWYにはメンバー間で不協和音が生じるようになり、いつ解散してもおかしくない状態が続いた。そしてついに、1年余りでビーイングがBOØWYから手を引くことになってしまった。その理由は複合的なものでなんとも言えないが、解散は時間の問題だったはずだ。ビーイングが手を引いた後も私はBOØWYが2枚目のレコードを出せるように東奔西走したが、どのレコード会社からも良い返事はもらえなかった。そんな折、またもやBOØWYに解散の噂が流れたのだ。

「いま君たちに重要なのは解散することではなく、BOØWYの旗をどこまで高く掲げられるかなんだよ。君たちを応援する人たちはみんな頭を抱えて悲しんでいるんだ」と私は布袋を説得したこともある。

氷室も布袋も「今月で解散する」などと平気で言う状態が続いたが、そんな状況とは裏腹に、彼らの動員力はさらに増していった。

ビーイングから切られた彼らは、かつて群馬で布袋と一緒にバンドをやっていた土屋浩(BOØWYの伝記『大きなビートの木の下で』の著者、紺待人としても知られる)がマネージャーに就いた。当時は高円寺でスタジオを経営していたこの土屋が大変な切れ者だった。

「平野さん、BOØWYから逃げるんですか?」

マネージャーが土屋に変わった頃からロフトの300キャパでは入り切らなくなり、徳間ジャパンから2作目のアルバム『INSTANTLOVE』を出せる見通しもつき、やがてBOØWYはその主戦場を1000人キャパの渋谷ライブ・インへ移すことになる。

そうなるともう私の出番はなくなり、ある日土屋と話した。

「ビーイングが手を引いたように、俺もBOØWYから手を引く。あとは頑張ってくれ、土屋」。そうエールを送った。

「平野さん、BOØWYから逃げるんですか?」

「いや、こんないつ解散するかわからんバンドとはこれ以上付き合えないよ」

「そんなことありません。BOØWYは解散させません。自分が責任を持ちます」

「俺にはもう興味がない。あまりにも長くライブハウス業界にいたせいか、音楽からちょっと離れて長い海外の旅をしたいと思っているんだ」

「見ていてください。BOØWYは絶対天下を取ってみせます。絶対に!」

土屋は私の前で涙を流しながらそう訴えた。だが当時の私は音楽の仕事にほとほと疲れ果て、どうやってロフトを畳んで無期限の海外放浪の旅に出ようかと考えていた。そしてその計画を実行に移した。

その1年後、私はBOØWYのブレイク、大成功、そして解散を日本から遠く離れたアフリカの地で聞くことになった。結局、無力な私はBOØWYのためにやれることなど何一つなかったのだ。

後年、ロフト時代を回顧した氷室が「あの(新宿ロフトの)薄暗い地下のスペースから自分自身の歴史が始まったことを、いつだってとても誇りに思っています」と言ってくれたが、彼の言葉を聞くたびに私は今でもとても複雑な気持ちになる。

(平野悠/Webオリジナル(外部転載))

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