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「このままだと50歳で寝たきりですよ」パプワくん作者・柴田亜美(55)が体験した“地獄の漫画家生活”

漫画家生活30年を超える柴田亜美さん。1991年に発表したプロデビュー作『南国少年パプワくん』で一世を風靡したのち、少年漫画、ギャグ漫画、エッセイ漫画などジャンルを問わず、多くの傑作を生み出した。

【マンガ】鼻血を吹くほど忙しい!柴田亜美さんが体験した「地獄の漫画家生活」(4P)

そんな柴田さんがTwitterに「常軌を逸した多忙ぶり」を紹介する4コマを投稿した途端、ネットは激震。毎月の執筆ページは、なんと150ページ近く。

90年代を代表する超人気漫画家の生活とはどんなものだったのか?柴田さんに振り返ってもらった。(全3回の1回目/#2、#3を読む)

「このままだと50歳で寝たきりですよ」パプワくん作者・柴田亜美(55)が体験した“地獄の漫画家生活”
90年代に経験した「地獄の漫画家生活」を柴田亜美さんに聞いてみた。

◆◆◆

広告会社勤務から「地獄の漫画家生活」に突入

――1991年に「月刊少年ガンガン」創刊号で漫画家デビュー。いちばん忙しかったのはいつ頃ですか?

柴田亜美さん(以下、柴田)デビュー翌年に『パプワくん』がアニメ化されて、その数年後には「月刊少年ジャンプ」や「週刊ファミ通」での連載が始まって……。漫画家生活2〜3年目で、もう地獄でしたね。

当時の「ガンガン」って、エニックス(現スクウェア・エニックス)が初めて作った雑誌で、私はまだリクルートの子会社でイラストを描いていた時代。

実は雑誌のスタッフ全員が漫画1年生だったから、業界のルールや適切な仕事量もわからなかったんです(笑)。私も実践でしかスキルを上げられないと思っていたし、来た仕事は断るべきではないと思って働いていました。

――当時だと、リクルートの仕事も忙しそうですよね。

柴田アルバイト求人情報誌「FromA」が週2回出ていた時代で、もう戦争でした。でも、早く描く力はそこで鍛えられましたね。私が会社員のときはまだバブリーで、毎週金曜日はとにかく経費を使うために、全部署で宴会をひらいていました。

――今や都市伝説としか思えない「1万円札を振ってタクシーを停める」ということも……?

柴田いやいや、1万円ぐらいじゃタクシーが捕まらない時代でしたよ。だって、1万円を持った人が道沿いにズラーッと並んでいるんだもの。5万円でも停まってくれなかったんじゃないかな(笑)。

「何度も発狂しそうになりましたね」

――バブル崩壊後の90年代に「出版バブル時代」が到来します。

柴田90年代って、少年漫画は『SLAMDUNK』や『幽☆遊☆白書』、少女漫画なら『美少女戦士セーラームーン』とか、ヒット作が連発でしょう。当時のジャンプが600万部の時代ですから。

私もあっという間に連載が増えて、パプワくんの2話目を描いた後に、会社を辞めました。あの頃、キツかったのは『自由人HERO』を連載していた「月刊ジャンプ」のネーム直し。何度、編集をぶん殴りたいと思ったことか(笑)。とはいえ、アシスタント経験もない自分に漫画のイロハを叩き込んでくれたわけですから、集英社には足を向けて寝られません。

――慣れない漫画家生活はどうでしたか?

柴田デビュー当時はアシスタントさんもいなかったから、1人で高円寺のアパートにこもりっきり。ものすごい孤独感で、精神的に追い詰められるし、やっぱりちょっとおかしくなりました。何度も発狂しそうになりましたね。ギリギリの生活のなかでも、お酒だけは飲みに行っていましたが(笑)。

――食事はどうしていましたか?

柴田出来合いのものを買ったり、近所のデリバリーを頼んだり。あるいは、食べない。あまりの忙しさで食べる余裕がないときも多くて……。そういうときは栄養ドリンクを浴びるように飲んで、最終的には男性向けの強壮ドリンクにも手を出していましたね。

――じゃあ、キッチンはきれいなまま……。

柴田「流しで金魚飼えるわ!」ってくらい、ピカピカでしたよ(笑)。

――ちなみに冷蔵庫には何が?

柴田各メーカーのいろいろな種類の栄養ドリンクがぎっしり。目隠しでも味がわかるぐらい栄養ドリンクには詳しくなりました。

ところが、ある日、医者をやっていた父が冷蔵庫の中を見て、「これは興奮剤だから絶対に飲んだらダメだ!」とかなんとか言って、全部捨てられたんです。

その後、どうするのかと思ったら「俺の大学病院で使っているやつを飲め」と、プロ仕様の栄養ドリンクが大量に送られてきましたね(笑)。

36時間起きて、4時間寝る生活

――休みは年間で何日ぐらいありましたか?

柴田いちばん酷いときは……ゼロですね。休みどころか、睡眠時間も人生で普通の人の3分の1以下しか取れていない気がする。「36時間起きて、4時間寝る」というような生活でした。

――寝ないと、漫画も描けなくなりそうですが……。

柴田まず不機嫌になります。それを超えたらハイになって、世界がすべて灰色に見えてくる。あと、平衡感覚もおかしくなりますね。床がふわふわして、常に平らじゃない場所にいるような感覚でした。

――体調面での異常はありませんでしたか。

柴田カラダはもうボロボロ。体調不良で生理が止まらなかったり、その逆に原稿をかき上げた瞬間から生理になったり。あとは歯茎から毎日出血していましたし、匂いや味も感じていませんでした。人間疲れすぎると、どこかしらに異常が出てくるものなんですよね。

「このままだと50歳で寝たきりですよ」


――以前、テレビ番組でも紹介された「こけしを枕にする生活」を始めたきっかけは?

柴田長い間、布団で寝ていなかったんです。起きたらすぐ仕事ができるように、寝る場所はいつも仕事机の下。その後、たまたま取材先で買ったこけしを枕にしてみたら、思いのほか首のコリに効いて塩梅がよかったんですよね(笑)。

――不健康トークで盛り上がりましたが、2012〜2018年には「美容家」として活動されていた時期もありました。

柴田当時、まわりにカラダを壊す同業者が続出して、冗談抜きで「死にたくない!」と思ったからです。ずっとまわりにいる人間がみんな不健康だったから、変な状況に慣れてしまったのよね。だって「30時間寝てない」とか、当時は当たり前の会話でしたから。

当然、早くに亡くなる漫画家の知らせも続いて……。このままだと自分もヤバいと思って、44歳でジムに通い始めました。そこでカラダの歪みや筋肉量を細かく測定してもらったら、トレーナーから「このままだと50歳で寝たきりですよ」と言われて。

――カラダがものすごく歪んでいた。

柴田利き手ばかり使っているから、おかしな方向に固まっていたみたいです。それをまっすぐに矯正しつつ、栄養ドリンクをやめて、食事も自分で作るようになったら、45歳にしてようやく普通の生活を取り戻せました。

編集が休むようになって気づいた「時代の変化」

――そういったモーレツ時代が変わってきたな、と感じた瞬間はありますか?

柴田担当編集の働き方に、時代の変化を感じますね。みんな土曜日は休んでいて、電話もしない。連絡手段も電話からLINEに。最近では打ち合わせもリモートに変わりました。

昔が異常だったんでしょうね。かつて編集者は四六時中、作家にへばりついているのがステータスだった時代がありました。

――部屋の隅で、原稿を描き終わるまで待っているみたいな。

柴田そう!なぜか作家のほうが「編集が待つための部屋」を用意しなきゃいけない時代があったんです。でも女性漫画家も年々増えてきたので、いつの間にかそういった文化は消滅しましたね。

私がバリバリ描いていた時代は、本当に厳しかったんです。時間がなくて、移動中の新幹線や飛行機の中で描くのも当たり前。最終的に、出版社が会社のそばのホテルに缶詰部屋を用意してくれたり。私は絶対にホテルで描くのは嫌だったから回避したけど、担当編集も原稿を落とせば、編集長からひどく怒られる時代ですからね。みんなとにかく必死でした。

――多いときで、担当編集は何人いたんですか?

柴田月刊ジャンプ、なかよし、週刊スピリッツ、週刊ファミ通、月刊少年ガンガン、アニメージュ、月刊ファミ通ブロス、Amieだから……7〜8人くらい?みんな地縛霊のように「先生、描いてください」「描いてくださ〜い」って、毎日“取り立て”を受けていましたね(笑)。

その頃は、本当に健康よりも仕事でした。ある日、歌舞伎町で酔っ払って、10cmのピンヒールを履いているときに転んじゃったことがあるんです。骨折や捻挫もしていなかったし、描かなきゃいけない原稿もあったから、そのまま歩いて帰宅しました。

そしたら日を追うごとに、どんどん足の色がおかしくなって。上等なメロンの筋みたいなものが入り始めたんです。慌てて病院に行ったら、「即手術が必要だ」と言われて。

でも、まだ原稿が残っていたので一度病院を抜け出して、それを描き上げてから病院に戻りました。そしたら院長先生から「あともう1日手術が遅れていたら脚切断だったよ!」とカンカンに怒られました。そりゃそうですよね。いろんな意味で、今だったらあり得ないですよね。それくらい原稿に必死でした。

柴田亜美
長崎県出身。『南国少年パプワくん』『ジバクくん』『PAPUWA』などの作品がTVアニメ化され、これまでの著書は累計発行部数2,000万部を超えている。2021年には「KOMIYAMATOKYO」から画家としてデビューした。

写真=深野未季/文藝春秋 
 

600万部の大ベストセラー漫画家→美容家→そして現在は…パプワくん作者・柴田亜美が54歳で見つけた「新たな夢」へ続く

(吉河未布)

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