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「動画投稿を開始して２ヵ月で200万円が振り込まれました。会社員時代の年収とほぼ同じ金額で、マジか…ってなりました」

そう振り返るのは「えむゆみカップル」のりょーちんさん（24）。アダルト動画サイト「Pornhub（ポルノハブ）」を中心に、恋人のあゆみさん（22）とのプレイ動画を配信しているPornhuber（ポルノハバー）だ。活動開始から２年半足らずの間に二人が稼ぎ出した額はなんと5億円以上。

さらに、昨年11月には著書『エロ2.0「月収4000万円」Pornhuberが実践した「欲望を共有する」最速ファンマーケティング』（飛鳥新社）を出版するなど、他方面に活動を広げている。そんな怪物クリエイターに話を聞いた。

まず気になるのは、なぜそのようなことを始めたのかということだろう。きっかけは些細なものだったという。

「会社員時代の知人から、『海外ではPornhubで稼いでいる人がたくさんいるけれど、日本人はいない。Pornhubに絡めたコンサル事業を一緒にやらないか』と持ち掛けられたんです。そのとき思ったんですよね。コンサルではなく、僕とあゆみの二人でやってみようと（笑）」（りょーちんさん）

そう思ったりょーちんさんが、話を聞いたその日にあゆみさんを誘ってみると二つ返事でOKという返事が返ってきて、あまりの即決ぶりに驚いたという。

「裸を晒すことへの抵抗感はまったくなかったので、『そういうのがあるんや！面白そう！』と、新鮮な気持ちと好奇心でワクワクしました」（あゆみさん）

さっそく始めてみようと考えたはいいものの、法律の問題や収益構造など様々な問題が浮上。エロで稼ぐのは簡単なのではないかという甘い考えは吹き飛んだのだという。

「アダルト動画は広告がつきにくく、YouTubeと比べて１再生あたりの収益は低くなっています。それに、アダルト産業は風営法等による規制が多く、配信するにはサイトや行政への届け出が必要で、YouTubeのようにスマホひとつでチャンネル開設・動画投稿ができるものではなかったんです。結局、すべての手続きをこなすのに１ヵ月くらいかかりましたね」（りょーちんさん）

そういった事情があり、１再生当たりの収益が低いことへの対策として始めたのが、サブスク型ファンクラブサービスなのだという。サブスク型ファンクラブサービスとは、会員制交流サイトのことで、プロアマ問わずクリエイターが自分の作品をサイト上に公開し、支援者（ファン）が毎月数百〜数千円の一定額を「サブスク課金」することで好きなクリエイターの作品を楽しむことができるサービスである。

日本発の『Fantia（ファンティア）』やイギリス発の『OnlyFans（オンリーファンズ）』など、近年世界中でファンクラブサービスが整備されてきたことで、Pornhuberというビジネスが成立するようになったという。

「僕たちがPornhubに投稿している動画は、1本数分〜20分程度に編集したサンプル版です。各動画にはリンクを貼っていて、『フルバージョンの本編はこちらへ』と表示されたURLをクリックするだけでファンクラブサービスのサイトに飛べるようになっています。

料金はFantiaでは月額500〜5000円の段階制、OnlyFansでは月額20ドルに設定しています。Pornhubの広告収入も含めた現在の月収は平均で約2000万円、最高で4000万円を記録しました。動画はこれらを含め、アダルト動画サイトの『XVideos』や『FC2』など複数のサイトに投稿していますが、撮影自体は週1〜2回位のペースでやっています」（りょーちんさん）

とんとん拍子でうまくいったPornhuber生活だが、彼らはもうブームの終わりを感じてきているのだという。

「実はえむゆみカップルもそろそろ辞め時なのかもと思っています。というのも、アダルト動画配信はいつまでもできるビジネスではありません。旬のセクシー女優が毎年替わるように、入れ替わりが激しい業界です。それに加えてAIによるグラビアアイドルまで登場してきました。今は画像だけですがいつか動画でも出てくると思います。そうなったら、かなわないですから。

そういった事情もあって、かねてから考えていた自然の多い場所で二人でのんびり暮らすという思いを実現しようと思っています。今は海外に移住することを目標に、彼女は英語、僕は投資ビザを取得するための勉強をしています。Pornhuberだけでは就労ビザや起業ビザの取得が難しいですから。試しに1000万円を元手に株を始めてみたら、短期間で1400万円まで増やすことができました」（りょーちんさん）

エロで稼いだカネを元手に投資家となって海外移住。リスクを覚悟でエロの世界に飛び込んだご褒美は大きかったようだ。

取材・文：芳賀慧太郎

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