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実力ナンバーワンのアイドルを決める「第１０回アイドルソロクイーンコンテスト（ソロコン）」が７月、東京都渋谷区のさくらホールで開催された。

歌やダンスは審査員が厳正に審査するなどして総合得点が明確な数字で示されるソロコン。過去には地方で活動するご当地アイドルが優勝したこともある。２桁回数に至るまで続いてきた背景には、「公正・平等」を掲げる運営方針にあるようだ。

結果はすべて公表

ソロコンは「アイドル個人の実力を競う唯一の全国大会」と位置づけられている。ステージでアイドル活動をしていれば誰にも参加資格がある。歌とダンスは専門家が審査し、ビジュアル審査と観客投票も実施。結果はすべて公表されるため透明性が高く、実力さえあれば優勝できるチャンスがあるのも魅力の一つ。

平成２６年に第１回大会が行われ、令和３年からは新型コロナウイルスの影響で地方からの出場者は動画審査を行っている。

節目となった第１０回大会では、東京都内で行われた関東予選を通過した約４０人に加えて、動画審査を通過した地方からの参加者約３０人、さらには昨年大会で優勝した佐野るかさん（ａｉ＊ａｉ）を含めた決勝進出経験を持つシード権のアイドルら計約８０人が出場した。

準々決勝で４９人、歴代ソロクイーンが審査に加わる準決勝で１２人に絞られる激戦。準決勝まではワンコーラスでの戦いになるが、決勝ではフルコーラスになり、観客や審査員らが見守る前で日頃のパフォーマンスを披露した。

その結果、圧倒的なパワフルボイスで客席を魅了したＮａｏ＋（なおたす）さん（２９）が６度目の挑戦で優勝を果たした。

「決勝は歌で勝負したのがいい結果につながった。ファンのみなさんの後押しがなかったら、ここまで出場はできなかった」と涙ながらに語った。第５回大会から出場しているＮａｏ＋さんは第６回大会から５年連続でファイナリストになり、いずれも５位以内に入賞していただけに、優勝の喜びはひとしおだ。

忖度（そんたく）なしの実力勝負

１０年におよぶソロコンの歴史をひもとくと、第５代チャンピオンは大阪を拠点にする西田早希さん（２４）、第７代の森かのんさん（１９）は北海道を拠点にする「フルーティー」のメンバー（当時）で、地方で活動するアイドルが優勝した実績がある。

今大会でも地方アイドル３人が決勝進出を果たした。福岡市の芸能事務所「モア・エージェンシー」は第７回大会から参加しており、今年は「マーブルエンジェル」などに所属する計９人の小中学生が参加した。発掘・育成コンサルタントの入口奈七さんは「ソロコンは忖度なしの実力勝負。大会出場に向けて１年間、練習を重ねてきた。この子たちの実力を、全国のみなさんに見てほしい」と出場理由を話す。

今大会は８人が準決勝に進出し、２人が決勝進出。３年前に最年少ファイナリストの記録を樹立したＭＯＭＯＨＡさん（１３）が３位入賞を果たした。

関西からは兵庫県姫路市を拠点にする「姫っ娘５」のくノ一あやかさん（１３）が初出場し、準決勝に入る健闘を見せた。今年で結成１５周年を迎えるが、くノ一さんは「自分の実力を試したくて挑戦を決めました。緊張しましたが、たくさんのお客さんがペンライトを振って応援してくれたのでうれしかった」と笑顔で話した。

その一方で、「アラフォーアイドル輝けプロジェクト」に参加しているゆみちぃさん（４５）は２年連続の決勝進出を果たし、最年長ファイナリストの記録を更新し６位に入った。

「スポーツ界は実力ですべてが決まる世界なのに、音楽業界は実力があるだけでは上にはいけないことに疑問を感じていた」という疑問からスタートしたソロコン。

１０回目という節目を迎えたことについて、実行委員会代表の安藤正臣さんは「ファンの課金で順位が決まるのではなく、公正中立の実力主義で、すべての人が納得できるシステムを構築してきた」とした上で、「これからもアイドルにとって魅力があり、誰もが納得できる大会を目指したい」と話している。（格清政典）

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