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『笑ってはいけない』シリーズはなぜ17年も続いたのか? 名物プロデューサー・ガースーの証言から見る“大ヒットの真実”

〈草磲剛のブリーフ一丁姿でもなく、西岡徳馬の“乳首ドリル”でもなく…今も忘れられない『笑ってはいけない』シリーズの“神回”〉から続く

新作が放送されなくなってから3年が経つ大みそかの風物詩『笑ってはいけない』シリーズ。番組にもたびたび登場し名物プロデューサーとして人気を博したガースーこと、菅賢治氏の言葉から辿る大ヒットの真相とは――。(全2回の2回目/前編を読む)

【画像】大みそかを盛り上げた『笑ってはいけない』出演者を全て見る

『笑ってはいけない』シリーズの初回放送を覚えていますか?

そもそも『笑ってはいけない』シリーズは、松本チームと浜田チームの対決での罰ゲームとして始まった企画だ。2003年に放送された第1回は『絶対に笑ってはいけない温泉宿一泊二日の旅』と題して通常放送枠で4週にわたって放送された。

従って“笑いの刺客”は、ガースー(菅賢治)やヘイポー(斉藤敏豪)といった番組スタッフや、「おばちゃん」、「今夜は山田」など『ガキの使い』の“サブキャラ”が中心。勝者チームのレギュラーメンバーも参加し、中でも遠藤が扮した「シッコク!シッコク!」でおなじみの謎のマスクマン「ダイナマイト四国」(初登場は遠藤の「七変化」)は、いまだ語り草になっている名キャラクターだ。

“ダウンタウンファミリー”である板尾創路が、学校の廊下をバイクで爆走しながら登場したり、ブラックジャックに扮してピノコを連れてただ歩いていたり、毎回無表情で、しかも時折、天然のハプニングで笑いを起こすのも印象深い。

そんな中で生まれた意外な“スター”の筆頭が、中村喜伸プロデューサー。第1回の『温泉宿一泊二日の旅』での宴会場に登場した中村は、矢沢永吉の風貌であらわれる。普通にモノマネをすると思いきや、小さな声でボソボソと歌うだけ。その意表をついた展開に一同大爆笑。特に松本は中村の言動に笑いがこらえきれない。「そこにいるだけで松本の笑いのツボを刺激する男」とまで評され、この回のエンディングにも急遽出演が決まったほどだった。

『笑ってはいけない』シリーズはなぜ17年も続いたのか? 名物プロデューサー・ガースーの証言から見る“大ヒットの真実”
©文藝春秋

5人が笑ってしまうのは、“笑いの刺客”によるものだけではない。その合間、休憩時間にも笑いは潜んでいる。

長年一緒に仕事をして、気心をしれた5人。それ故、ただの雑談も笑いを誘発させる。ファンの中には、大掛かりな仕掛けよりもそんな時間が一番好きだという人も少なくないだろう。相手を笑わそうとして自分が笑ってしまうことも少なくなかった。

『笑ってはいけない』をスタートさせた松本の一言

特に印象深いのは2018年の『トレジャーハンター24時』。休憩中、松本が遠藤に「歌でも歌ってくれや」と振る。遠藤は得意の長渕剛のモノマネで「コツコツとアスファルトに刻む〜」と「とんぼ」を歌い出した。すると「裏腹な心たちが見えて〜」のところで松本も声を合わせ歌い始める。さらに「死にたいくらいに憧れた〜」で浜田が入ってきて、たまらず爆笑。まさに阿吽の呼吸だった。これは『ガキの使い』本編でのちに『みんなで◯◯を歌い切ろう〜!!(かぶらず歌いきれ)』という恒例企画に発展した。

当初はおまけ程度だった休憩時間の面白さを引き出すため「引き出しネタ」も生まれ、そこから田中のタイキック(その大げさにも見えるリアクションに“演技疑惑”まで出てしまう)や浜田の風貌をイジった小道具ネタ、ジミー大西のVTRネタなど定番の流れもできていった。定番といえば、遠藤の元妻・千秋を始めとする家族ネタや方正への蝶野正洋のビンタなど挙げればきりがない。

そんな『笑ってはいけない』は、松本人志のこんな一言から始まった。

「笑ったら罰を受けるって、どうかな?」

『ガキの使い』の笑ってしまったら罰金を払う名物企画「七変化」の延長線上にある企画だと、構成作家の高須光聖は言う(『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!公式絶対に笑ってはいけないキャラクター名鑑』より)。

「人間って『絶対に笑ったらいけない』と縛りをかけられると、ちょっとしたことでも心の中がガタガタくるじゃないですか。普段ならスルーできることでも、妙におかしくなる」と。そこで、以前、罰ゲームでやった『松本一人ぼっちの廃旅館1泊2日の旅!』をミックスして生まれたのが『笑ってはいけない』シリーズなのだ。

大晦日に放送されるようになると、6〜7月には動き出していたという。何しろ、ダウンタウンを始めとする超一流の芸人を笑わせないといけない。しかも、大物芸能人をスベらすわけにはいかない。わざわざ出てもらった以上、カットすることもできない。そのプレッシャーたるや絶大だ。

もっとも笑っていた松本人志。なぜそこまで笑うのか

「『たまたま面白くなった』はあり得ない。確実に面白くなるように、こちらで作りこまなくてはいけないので、また会議が長くなるわけです」(高須、同書より)

また逆に、芸人が登場するネタは「作り込んだ」ものでは、もはやダウンタウンらは笑わない。“作られたもの”に見せないように作り込むのが大切なのだ。

「この番組って突きつめていくと哲学みたいなもんですよ。『人はどんなことで笑うのか?』という部分でね。本当に毎回『えっ、こんなことで笑うのか!』という発見が必ずありますから」(同書)と菅賢治は言う。

番組の最後に笑ってしまって罰を受けた回数が発表されるが、そこでほぼ毎回1位になるのは松本人志。よく松本自身は、自分だけ判定が厳しい、他の人が笑っても見逃されているなどと不満を漏らしていたが、それ以上に、やはりもっとも面白い人は、「面白い」ことに敏感で些細な可笑しみに気づいてしまうという証明でもあるのだろう。

松本人志は先日放送されたビートたけしとのトーク(『まつもtoなかい』23年12月3日)で、たけしの「十八番も大事だけど、これをキレイに裏切ることも大事」だという「エンタメは振り子」という持論を受けてこう語っている。

「『笑ってはいけない』を考えた時はまさにそうで、ダウンタウンが最終的に笑わされて笑ったら罰を受けるっていうのは表裏一体というか。そういう発想でできた企画」

『笑ってはいけない』シリーズはテレビの“忘年会”だった

大晦日の一夜だけ、普段、笑わせている、つまりはある種の“権力者”たる彼らの立場が逆転し、笑わせられ罰を受ける。その痛快さが大晦日には必要だった。ほんの少しでも溜飲を下げながら、嫌なことを忘れることができる。まさしくテレビの“忘年会”だ。

もう体を張る必要もない彼らが身体を酷使して戦っている。だからスタッフにとっても戦いだ。

「この番組は我々が1年に1回見せる“意地”なんです」(前出の本)と菅賢治が言うように、『笑ってはいけない』シリーズはテレビが見せてくれる「意地」に違いなかった。

(てれびのスキマ)

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