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「テレビは終わった」といわれる時代に視聴率も収益も好調なこの番組。クセの強い3人がただ怒っているだけじゃないの？と思ったら大間違い。視聴率トップに上り詰めた戦略と足跡を探った。

新年早々、テレビ朝日が「沸いた」

〈本年もよろしくお願いいたします。【個人全体】開局以来初の全日・プライム2冠。12年間続いた日テレの年間3冠王がストップ【世帯】開局以来初の3冠です（ゴールデンは'13年以来10年ぶり、開局以来2回目）〉

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新年早々、テレビ朝日の局員は会社から届いた吉報に胸を躍らせた。昨年1年間に同局が放送した番組群が好調で、「開局以来初の年間世帯視聴率3冠王」となったことが通知されたのだ。

「年間世帯視聴率3冠に加え、個人視聴率でも2冠を達成したことから、編成局（どの番組を放送するかを決める部署）があるフロアでは、新年早々『5冠達成おめでとう！』の祝辞が響き渡りました」（テレビ朝日の中堅局員）

『ポツンと一軒家』『相棒』『報道ステーション』……人気番組は数あれど、いま内外からの注目を集めているのが、毎週金曜日夜6時50分から放送されている『ザワつく！金曜日』だ。

長嶋一茂（57歳）、石原良純（61歳）、高嶋ちさ子（55歳）という「豪放磊落」を絵に描いたような3人が流行や社会現象について歯に衣着せずモノを言い、それをお笑い芸人・サバンナの高橋茂雄が諫めていくというこの番組。

トークだけでなく、ある工場のVTRから「何が製造されているか」を当てるクイズ、さまざまなジャンルのランキングから1位以外の選択肢を当てるクイズなどのコーナーもある総合バラエティだ。

広告枠がすぐいっぱいに

「4年前の開始当初から視聴率は高かったのですが、'23年度の年間視聴率は世帯平均で12・3％と局内でもトップクラス。特筆すべきは昨年の個人視聴率が全体で7・4％と、『ポツンと』や『イッテQ』を抜き、全局のバラエティ番組中で1位を記録したことです」（同前）

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視聴率には大きく「世帯」と「個人」の2種類がある。

簡潔にいえば、世帯視聴率は「どのくらいの世帯がその番組を観ていたか」を示す数値で、個人は「誰がどのくらいその番組を観ていたか」を示す。世帯視聴率はあまりに大きな括りのため、テレビ業界では特に個人視聴率を重視する傾向にある。中堅局員が続ける。

「個人視聴率が計測されて以降、テレ朝がバラエティ番組で1位を獲るのは初めてのことです。テレビ全体の視聴率が低調気味で広告が入らないような番組もあるなか、『ザワつく』の広告枠はずっといっぱい。先日、強気の広告料値上げを行ったと聞きましたが、それでもすぐにその枠が埋まったそうです。いまやテレ朝のドル箱です」

好調ぶりを印象づける決定打となったのが、昨年末の放送だ。

WBC対決を制した『ザワつく』

4年前からテレ朝は大晦日夜の視聴率戦争に『ザワつく』を投じていたが、先の大晦日では過去最長となる午後5時からの6時間放送。

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結果、民放ではぶっちぎりのトップとなる12.3％（午後6時〜7時半の世帯平均視聴率）を記録し、各局のテレビマンたちを驚かせた。テレビ朝日の編成関係者が明かす。

「TBSは大晦日に中居正広をMCに起用し、WBC特番を放送しました。イチローとダルビッシュを出演させるなど大変な力の注ぎようでしたが、『ザワつく』はこれに対抗し、WBCで日本代表の監督を務めた栗山英樹さんをゲストに迎えました。それもTBSで特番が始まる午後5時にかぶせて栗山さんを登場させたのです。

なんでもスポーツ担当の幹部が直接口説いたとのこと。栗山さんはTBSの特番のことを気にしながらも、昔ヤクルト時代に後輩として面倒を見ていた一茂さんに花を持たせたいと、同番組への出演を決めたそうです」

結果、TBSのWBC特番は平均世帯視聴率8・9％にとどまり、『ザワつく』が大勝ち。紅白を超えることこそなかったが、今回の紅白は平均世帯視聴率31・9％と過去最低を記録。『ザワつく』に視聴者を奪われたのは疑いようがない。

令和に入り、テレビはオワコンと言われてきた。しかし、そんな中でもテレビ朝日『ザワつく！金曜日』は一人勝ちを続けている。いったい、その魅力はどこにあるのだろうか。『週刊現代』の記事『長嶋・石原・高嶋『ザワつく！金曜日』が年間視聴率１位を獲った「奇跡のバランス」』にて詳報する。

「週刊現代」2024年1月13・20日合併号より

外部サイト 長嶋・石原・高嶋『ザワつく！金曜日』が年間視聴率１位を獲った「奇跡のバランス」 【追悼】老人ホーム生活でみた、エスパー伊東さんの知られざる「寂しがり屋」「気前良すぎ」の素顔 松本人志の活動休止でテレビ業界大激震…「打ち切り」が最も「危惧されている番組」

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